無駄じゃ無駄じゃ(?)

すべては無駄なんじゃよ

テレビ主題歌音盤史 ~子供向けドラマ編~(13)

光速エスパー

 東芝マスコットキャラクターとして紡ぎ出した少年を主人公として制作された、日本テレビ系で放映のカラー特撮ドラマでした。

 「技術の東芝」が提供するだけあって、子供にも大人にも納得のいく科学性と合理性を追求して作られています。

 そのため、主人公のエスパー少年が対峙するのは、荒唐無稽な怪獣ではなく、ギロン星人が地球より進んだ科学技術を用いて繰り出す兵器類や生物兵器のようなものなどでした。

 

 ワタクシは怪獣の造形は好きでしたが、子供ながら怪獣が登場すると現実性との乖離から醒めていましたが、これは物語世界にすんなり入れたものでした。

 何故、地球より進んだ科学力のギロン星人が繰り出す事象に地球人が対抗できていたかというと、やはり地球より進んだ科学力のエスパー星人が事故でヒカル少年の両親を殺してしまい、彼らになりすました形で地球に住み、地球人を影ながら支援していたからです。

 本当の我が子のようにヒカルを応援し、彼が光速エスパーとなる強化服を、地球上の科学者に、そうとは知られぬ形で伝授していたのが、エスパー星人の二人、地球上での姿はヒカルの両親でした。

 

 東芝提供なので、当然、音盤も東芝独占です。

 放送時オープニングでは、1,3,4番が入れ替わりで1コーラスずつ使われました。

 それがレコード用素材を編集しないで使っていたらしく、いきなり歌が終わったり、いかにも間奏終了のままで終わったりで、4番を流した時だけ、気持ち良く後奏まで流れるという有様でした。

 

 

忍者ハットリくん+忍者怪獣ジッポウ

 昭和41年に東映京都で実写ドラマ化されたものが、何故か一年後、東京の東映制作で甦りました。

 但し、既出のウルトラシリーズや赤影などで燃え盛っていた怪獣ブームを取り入れたかのように、原作には無い”忍者怪獣ジッポウ”なる人間大の怪獣も加わりました。恐らく、円谷の等身大怪獣アイドル、ブースカの好調を見て取ったのでしょう。

 それで、先行で好調の赤影に肖り、忍者物と怪獣物を組み合わせつつ、ブースカのように子供に受けるコメディ怪獣マスコットが考案されたのではないでしょうか。

 

 音盤は、東映ですので朝日ソノラマソノシートが発売されましたが、他にクラウンもレコードを発売しています。

 

 

意地悪ばあさん

 男の喜劇役者がお婆さん役をやる喜劇というのは、昭和時代では定番で、テレビ黎明期にも柳家金語楼の『おトラさん』等が有りました。

 江利チエミ主演『サザエさん』で好評の長谷川町子原作漫画である、この『意地悪ばあさん』も、青島幸男が主演する事となりました。

 但し、青島は途中で参院議員に立候補したため、古今亭志ん馬、更に晴乃タックへと、婆さん役は交代されました。

 晴乃タックは、晴乃チックタックとしてアイドル的大人気だった漫才師でしたが、この時に高松しげおと改名しました。

 

 主題歌は、アメリカでメーシー百貨店を経営し、作曲家としても実績の有ったというジョセフ・リーブマンが作曲。これは、番組制作会社であるCALの取締役と知り合いだったためのようです。

 この曲は、数年後のアニメ版でも歌詞を替えて使われました。

 この番組での作詞者は、北海道在住の放送作家・みおたみずほ です。

 

 一番最初は坂本九の歌唱で、”お空には太陽が ギラギラ”で始まるものでしたが、恐らく放送時間帯が変更された時にでしょうが、主演の青島が自ら歌うようになり、歌詞も変更となりました。

 青島が所属していたクラウンレコードが、これを音盤化しています。

 そして古今亭志ん馬になると、また坂本九当時の歌詞に戻りました。志ん馬と高松しげおも、主演者自ら歌っていたはずです。

 高松しげおは、昭和45年のアニメ版でも主演の声を担当しましたが、そちらの主題歌は子供の歌手が歌っていました。