昭和唱和ショー「チック」
Gさん(仮名)「チックも、たしかに日常で聞かなくなりましたね」
ごいんきょ「検索だと”チック症”ばかり出て来るから畜生!」
G「地味な”彼岸島”ネタやっても誰も気付きませんし(苦笑)」
ご「それに駄洒落を混ぜた高等技だったんだが、君らには少し高尚だったか。まあ、いい。
これは、丹頂の整髪料だな」
G「”丹頂”ってのも懐かしいですけどね~(苦笑)。
今のマンダムですね」
ご「いや。会社名はマンダムに替わったけど、今でもチックだけは”丹頂”ブランドなんだよ、唯一」
G「我々世代には非常に懐かしい、『う~ん、マンダム』のCMが馬鹿当たりしちゃったものだから、社名まで丹頂からマンダムに替わっちゃったんですよね」
ご「チャールズ・ブロンソンのCMな。歌も映像も人間も台詞も、みんな格好良かったからなあ~。
それでも”チック”は、戦前から有る社を代表し続けた銘柄ということで、”丹頂”の名と共に大事にされ続けているんだな」
G「我々が馴染み深いのは、リーゼントが流行ったからですよね」
ご「昭和30~50年代に、やや不良がかった男子が憧れ続けた髪型だからな。あれもバブル期を境に絶滅危惧種になってしまったが」
G「そう言えばそうですね~」
ご「バブル期というのは、日本の国柄を見えざる境で分断してしまった、忌まわしき時期なんだ。あの時代が如何にも素晴らしい時代だったかのように勘違いしている若者も居るみたいだが、あの時代が良かったと振り返ってる奴は考え足らずか碌でなしだぞ。騙されるな」
G「リーゼントが無くなったのも日本の国柄の変化ですか(苦笑)」
ご「それだけ日本人の精神構造が劇的に変わってしまったって事だよ。昭和30年代、ロカビリーブームの頃から有った不良の定型が、あそこで変わってしまったんだよ。
勿論、それだけではなくて、もっともっと根本的な事から変わってしまったんだけど、そこまで語るとお題から外れるし、一冊の本になってしまう(笑)」
G「リーゼントと言えば、丹頂のチックか、柳屋のポマードかって感じでしたけどね」
ご「柳屋は、社名もポマードも健在みたいだな。ま、どちらもオッサンしか使わないと思うが(苦笑)。
丹頂も、ポマードも作っていたんだよ。でも、やはり元祖の柳屋が残ったね」
G「そもそも、なんで”チック”って名前なんですかね」
ご「ウィキペディアには”コスメティック”が語源とか有るけどさあ。ホンマかいな? コスメティックって”化粧品”だろ。チックは整髪料だぞ」
G「ま、広義で”化粧品”って捉えられなくもないですけど、わざわざ商品名に採用した言葉としては違和感ありますね」
ご「これはなあ、”スティック”が語源で、ほぼ間違い無いと思うよ。それがチックの特徴だったんだから」
G「棒状の形態がね」
ご「次回はポマードで行こうかな」
G「また安直ですね~(苦笑)」
ご「いや、一社だけに肩入れするのはわしの公平精神に反するし」
G(ただのネタ切れなんじゃないの?)
*1:昭和24年6月11日付読売新聞