無駄じゃ無駄じゃ(?)

すべては無駄なんじゃよ

テレビ主題歌音盤史 ~子供向けドラマ編~(5)

くらやみ五段

 寺田ヒロオ原作の漫画を元にした、柔道家が活躍するものでした。

 これが、ただの柔道家ではなく、盲目でありながら柔道の達人という、座頭市の柔道版のようなものでした。

 主人公の倉見役を、この頃の東映アクションはこの人という千葉真一が演っています。

 また、天涯孤独の少女・マツゲ役として、デビュー早々から売れっ子となっていた、子供時代の小林幸子が出演してます。

 

 音盤は、ビクターがビクターミュージックブックという漫画ソノシートの系列の中で、ドラマ入りシートとして出しました。

 また、コダマプレスもドラマ入りシートを出し、ビクター盤同様に千葉真一が歌っていますが、児童合唱は違うものとなっています。

 

 

009 大あばれ とんま天狗

 初代『頓馬天狗』以来、大塚製薬が提供し続けていた日本テレビ系土曜19時枠の流れに有り、昭和35年に初代が放送終了して5年、唐突に復活したものでした。

 スパイ映画の007ものが大当たりしていた頃で、それに引っ掛けて枠提供である大塚の主力製品オロナインと読ませる「009」を頭に付けた題名となっています。

 

 さほど話題とならなかった番組でもあり、主題歌や開始映像が謎でしたが、近年、大村崑氏方面から動画がYouTubeに寄せられ、その全貌が明らかになりました。

 主題歌はやはり、初代の主題歌がそのまま使われておりました。

 但し、音盤は再発されなかったようで、初代放送当時にキングレコードから発売された、『ラーメン親子』という番組主題歌との組合せ盤が、唯一の関連音盤となる形です。

 

 

弁慶

 富田常雄原作の『武蔵坊弁慶』を元に、日本テレビ土曜19時半からの枠で放送されたスタジオドラマです。

 丹波哲郎が弁慶を、太田博之が源義経(牛若丸時代)を演じ、立ち回り場面ではトランポリンやスクリーンプロセスが用いられたという事です。

 味の素の一社提供でした。

 主題歌は村田英雄歌唱で、従ってコロムビアから音盤が出されました。

 

 

スパイキャッチャーJ3

 The Undercover Line of International Police、略してTULIP(チューリップ)という組織に所属するJ3の活躍を描くもので、これも007ブームが影響している作品の一つです。

 スパイならではの小道具が見所でしたが、中でも空陸両用の車が印象的なものでした。

 J3は川津祐介が演じ、J2を江原真二郎が担当しました。また、日本支部長であるJ1は丹波哲郎だったようです。

 

 主題歌はポリドールの叶修二が歌い、朝日ソノラマからソノシートが発売されました。

 当のポリドールからも一応レコード化されましたが、「谷間の灯ともしころ」という歌のB面収録となっています。

 この当時のレコード会社が、如何にテレビ主題歌、それも子供向けの主題歌を安く捉えていたかがわかります。