挿しす世相史「チクロ全面禁止」
昭和44年10月29日(水)午後、食品衛生調査会と中央薬事審議会が東京・渋谷の食品衛生センターで会合を開き、チクロの毒性、禁止措置などについて時の厚生大臣に答申しました。
内容としましては、先に全面禁止となったアメリカの実験データなどを評価し、”チクロは発がん性の疑いが非常に強い”と結論を下し、速やかな禁止を促しています。
これを受けて厚生省では、事務手続き等の猶予を設けて11月10日からの全面禁止を決定。
既に製品化されている物については3~4ヶ月の猶予期間を置き、全量回収・廃棄という内容で通達しています。
この件は当時の子供達の間でもかなりの話題となり、”チクロ”という名称は、この時代を子供として過ごした人間には忘れられない甘味料となっています。
*1:昭和44年10月30日付読売新聞