無駄じゃ無駄じゃ(?)

すべては無駄なんじゃよ

田島と文学 その腕の違い

今回(2016 No.50)の喧嘩稼業

 登場の時の絵から伝わっていたように、桜井裕章の強さは尋常ではない。

 とうとう入江文学は、この戦いでは左手を使う事が出来なくなってしまった。

 これで、龍虎の構えで相対した梶原修人から左手を奪った因果が応報した事となる。

 だが、片腕での戦いを研究し尽くした梶原と違い、入江文学がそこまで想定しているかどうかは、かなり怪しいものが有る。

 

 ここで思い出して欲しい。

 文学の父、入江無一が田島彬と闘った時、どのように敗れたか。

 そう。無一が田島の左腕を極めたのだが、田島は身動ぎもせずに「あまいな入江無一」と言い放ち、腕を犠牲にして無一を屠った。

 一方の文学は、左腕を折られて絶叫である。

 

 文学には、腕を犠牲にしても相手を必殺するという気迫が無かった。

 入江文学と田島彬との差は、いまだ歴然としたものが有るのだ。

 勿論、後の試合が残っているのだから、可能な限り五体無事で闘わなければならない。

 しかし、腕をやられると判断した瞬間に、刺し違いで桜井を獲るという意識が働かないようでは、田島と試合をしても、とても敵わないだろう。

 

 文学はその事を悟り、弟子である十兵衛にその気構えを伝授するだろう。

 最後の床で。

 ここで相手を殺らなければ自分が殺られるという、死線を越えた気構えを、入江文学は己の死を以て十兵衛に伝える事になるだろう。

 入江文学を愛する者たちの嗚咽が響き渡る嘆きの日が、ほんの僅かな日天の昇降の後に訪れる事となる。

麻雀回顧「福地泡介」

エリザベス女王杯

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 いやあ、実に久々に勝ちらしい勝ち。

 今日は1,2,3,8,9,13で散らせば拾えるだろうという確信が有ったので、予算を五割増しで!1500円も振る舞っただけは有った。

 惜しいのは13番で、コイツが3着以内に入ればデカイと思って一番リキを入れて買ったのだが、5着までだった。もし3-9-13と来ていれば25万円だったのに!

 

 しかし、逆に15番は薄めに抑えていたので、3-9-15は買い漏らしている。15番が滑り込んでいたら、髪を掻き毟るほど悔しかっただろう。

 危ない所だったが、なんとか抑えた範囲で来てくれたので、久々の万級獲得。

 先月から限界を超えてゲルピン(昭和語)だったので、これで焼け石に少しだけ水を掛ける事が出来る。

 

 

麻雀回顧「福地泡介

 第五期名人の坂口誠彦は、確か第一期名人・青山敬と同じ、日本牌棋院所属だったと思う。

 牌棋院は阿佐田哲也小島武夫の新選組と特に対立関係に有ったから、誌上対局参加が非常に少なかった。

 故に、坂口誠彦も、翌年に防衛失敗した後は、名前を見かけなくなった。

 

 第六期は、漫画家の福地泡介が名人位を奪取し、これが結構な話題となった。と言っても、とても「名人」という打ち手ではないとか、腐すような評価が非常に多かった。

 そもそも彼は、黒鉄ヒロシ秋竜山大人漫画家や、吉行淳之介ら文壇の人間と卓を囲む機会が多かったようだが、文壇の人間からは「チャッコイ打ち方をする奴」として、あまり評判は良くなかったようだ。

 要するに、コセコセと勝ちを拾う奴という事だろう。

 とかく勝ち組は、ああだこうだと言われるものなのである。

 しかし、麻雀マスコミの本当に黎明期から活躍し、麻雀新選組に対して「麻雀鞍馬天狗」という遊びをふっかけていただけあって、実は結構な技量の持ち主だった。

 

 評判良くないと言っても、呼ばれていたのだから、それは人品の問題では無かった。あくまでも勝ち方が、とかく豪放に諸事を気にせず打つ一般文士と比べるとコスイという事だったのだろう。

 そうした文士、特に吉行淳之介は特に福地の書き物で面白いように弄られ、笑いを振りまいた。

 特に可笑しかったのが、白待ち大三元をテンパっていた吉行が、親指に絆創膏を巻いていたのを忘れて盲牌し、何も無い感触に喜んでその牌を卓に叩きつけ手牌を開いたが、自摸っていた牌は数字牌チョンボになってしまったという話。

 だが吉行に拠れば、事実と違ってかなり話を大きく広げたもので、しかし洒落の分かる吉行は、福地がその話を広めるのを黙認していたのだという。

 

 この決勝で、惜しくも準優勝となったのが、先代の三遊亭円楽

 かの五味康祐センセイの後釜を担って、12チャンネル「独占!男の時間」内の麻雀道場の道場主となったくらい、彼も修羅場を知った打ち手だった。

 その現今の芸能人では及びも付かぬ技量は、翌年も続けて決勝に残った事で証明された。

 第七期名人戦は、福地泡介名人に、雀豪の誉れ高い円楽が雪辱なるかという戦いだった。

 そこで福地泡介は、ついに誰も為し得なかった名人防衛を実現してしまう。

 これにより、一期だけの獲得では喧しかった世間もグウの音も出なくなり、福地泡介の雀豪としての名は否が応でも高まった。

 円楽は、またも準優勝で涙を呑んだ。

 しかし、彼の雀力も十二分に証明されたと言って良いだろう。

 

 福地泡介の強さの秘密を喝破したのは、誰よりも、自称プロよりも牌譜研究をしていた、ムツゴロウ先生・畑正憲だった。

 彼は福地泡介の麻雀を「ゴーニイ麻雀」と命名して喧伝した。

 福地自身もその指摘には得心したようで、後々まで戦術論で、自身の打ち方として解説していた。

 例えば、出あがり5200点の手ではあまりリーチは掛けないが、3900点なら掛けたりするという具合だ。

 つまり、3900ならリーチを掛ければ丸々倍の7700点になるが、5200でリーチを掛けても倍の10400点とはならず、満貫8000点で切られてしまうので、危険を冒してリーチを掛けるのは損だというような事である。

 

 要するに、大まかに言えば守備型の雀風だったと言って良いだろう。追い詰められた時はともかく、普段からバカバカと打点を稼ぐような打ち手ではなかった。

 三連覇の偉業が掛かった第八期名人戦は、そんな彼の特質が現れたような試合で、なんと、わずか700点差で届かないという接戦であった。

 福地名人を襲ったのは、テレビの黎明期に関西の喜劇作家として関東までも制覇し、更に後には、ど根性立身出世劇の大家として鳴らした花登筐であった。

 それまで、あまり麻雀の技量を云々された事の無い作家が、彗星のように現れてきた。

挿しす世相史「日米野球 対SFジャイアンツ最終戦で全日本逆転勝利」

 昭和35年11月13日(日)、サンフランシスコ・ジャイアンツ来日による一連の日米野球最終戦が行われ、全日本軍が3対2で逆転サヨナラ勝ちしました。

 この時のSFジャイアンツは、3番メイズ、4番マッコビーの「ウイリー」コンビが中軸の強力打線でしたが、SFジャイアンツの成績は11勝4敗1分けでした。

 日本側の最優秀選手は野村克也(南海)、最優秀投手は堀本律雄(読売)と杉浦忠(南海)、優秀選手が田宮謙次郎(大毎)・豊田泰光西鉄)・張本勲東映)・森徹(中日)という顔触れでした。

 

 そして最高殊勲選手には、SFジャイアンツのウイリー・メイズが選ばれています。

 個人打撃成績ではウイリー・マッコビーの方が打率も打点も上でしたが、それだけメイズが大事な場面で打っていたという事なのでしょう。

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 打撃欄最下位に名前が有るカークランドは、後に阪神に入団して、年間最多三振記録を作ったり、割と野球ファンの記憶に残る選手でした。

 ここでは成績最下位ですが、メジャー9年間で148本もホームランを打っており、当たればデカイが外れも多いという、典型的なホームランか三振かのバッターでした。

ミラクルトランプは絵柄がわかる

 それにしても、みんな本当にトランプがなるわけないと思ってたんだ。

 ワタクシは、向こうのカスゴミどもがどんどん悲鳴のオクターブを上げていくのを見ていて、本気で怖れているんだろうなと思ったし、また、あんたらが露骨な反トランプの報道をすればするほど、彼の追い風が強まるのになと思っていたのだが。

 最後にクリントン勝率90%って出してきても、まあ見ててみな、まだ判らないからと思っていた。

 そして今は、案外とまだクリントンの目も有るかもと思っている(笑)。

 

 ま、言ってみれば奇跡の勝利、ミラクルトランプというわけだが、たまたま今週の博士話で任天堂のミラクルトランプを扱ったばかりだった。

 ミラクルトランプというのは、付属の眼鏡を掛けると、裏側の模様から特定の図が見えるようになって、表の絵柄を当てられるという、一種の奇術用品というか、ビックリ玩具だった。

 ワタクシもテレビCMを見て欲しいと思っていたし、そういう子供は多かった。

 あの頃から任天堂は、子供心を刺激する玩具の開発が凄く上手くて、部屋の中にバッティングマシーンが出来るウルトラマシンとか、部屋の中でゲームセンターの射的が出来るような光線銃SPとかは、その時にも書いた。

 

 他にも、折りたたみのマジックハンドで遠くの物を掴むウルトラハンドなんてのも有ったが、いま思えばあんな物、なんの意味も無いのだが(笑)。

 しかし、どれもこれも当時は猛烈に欲しかったものだ。

 そして、どれもこれも現物を他人の家で見て、買わなくて良かったなとも思ったが(笑)。

 或る時に近所の子供がミラクルトランプを買ったのでそれを見たら、裏側の模様がそもそも一見しておかしいくらいにゴテゴテと何か書いてあるし、その上に付属の眼鏡を掛けたら怪しさ満点で、とてもそれで人を騙すような事は出来ない代物だった。

 

 アメリカのトランプも似たようなもので、裏側から見るとゴテゴテして変な模様がいっぱい有って怪しさ満点だけど、意外と表の図柄は普通なのかもしれない。

 まだそれも見極めていないのにデモをしている連中って、なんのなのだろう。しかもアメリカ国旗を燃やしている連中もいるというのだから、とても国を思っている連中だとは思えない。

 カスゴミがそんな連中を煽れば煽るほど、またトランプの追い風になっていくだろう。そんな事で大統領が倒れるという前例が出来たら、それこそアメリカの崩壊である。

 そんな事に加担したら、それこそが反民主主義だという事を解ってやっているのだろう。流石は洋の東西を問わずカスゴミである。何よりも手前らの思惑が優先するのだ。

 

 日本人も面白いもので、本気でアメリカ軍が撤退するのではと思っている人間が多い。

 アメリカが日本に対して抱いている恐怖って、一世紀も経たないうちに霧消するものとは思えないのだが。

 だからトランプだって、日本に核武装させても良いなんて一回だけ口にしたけど、何故かすぐに、その発言を取り消している。

 あの選挙中のブイブイ言わせていたトランプにして、そんな発言を押し通せない空気がアメリカには有るのだ。

 そんなお花畑を眺めていないで、きちんと能動的に日本人として国防を論じ、そして正面からアメリカに交渉するという空気を作らないと駄目だろう。

 いつまで受け身で股を開いていれば気が済むのだろう。

朝日ソノラマはなぜ鉄腕アトム主題歌を独占できたのか(39)

あかねちゃん

 ちばてつやが、まだ少女漫画も描いていた頃に少女フレンドで連載した『みそっかす』という漫画を元にした作品です。

 同じちば作品『ハリスの旋風』女の子版といった感じで、御転婆な女の子の活躍が描かれていました。

 音盤としては、シートの朝日ソノラマ、レコードのコロムビアという住み分けはいつも通りですが、この作品のレコードはコロムビア独占ではなく、テイチクも加わりました。

 東映作品の音盤は、この前も、このずっと後までも、シートのソノラマとレコードのコロムビア(昭和50年代からシートに徳間も加わる)という体制だったのに、なぜ唐突にテイチクが噛んできたのか謎です。作曲家か歌手の繋がりでしょうか。

 

 

ファイトだ!!ピュー太

 『かみなり坊やピッカリ★ビー』の後番組で、同じく関西の毎日放送制作・雪印乳業提供のギャグ調まんがです。

 発明家の少年ピュー太とお爺ちゃんのツルリ博士の発明を、ワルサーとブレーキという悪人二人が狙うという話で、悪人の名前といい、後のタイムボカンシリーズの世界に近いものが有ります。

 音盤としては、希望する社が出す事が出来たようで、シートは朝日ソノラマのみですが、レコードはコロムビア、キング、テイチク、東芝と、4社から出ました。

 

 昭和41年のウルトラQウルトラマンマグマ大使悪魔くんという立て続けの実写子供番組の大ヒットに乗じて、朝日ソノラマ橋本一郎は、怪獣図鑑ものシートを企画。これが大当たりして、次々と怪獣大図鑑、妖怪大図鑑と何冊も繰り出し、ことごとく当たりました。

 勢い、競合シート会社も次々と後追いして消耗戦に追い込まれ、11社有ったシート会社が、その時に4社くらいに淘汰されてしまっていたのでした。*1

 だからシート音盤に関しては、殆どソノラマの独擅場となっていたのです。

 

 

怪物くん

 「オバケのQ太郎」「パーマン」に続く、TBS日曜19時半の不二家提供枠での藤子不二雄原作まんがです。

 例によって参加自由の日音管理で、しかも安定人気の藤子枠とあって、前二作のように非常に多数が音盤化しています。

 シートがソノラマ、ビクター、勁文社、エルム、ミュージックグラフと、残存社が勢ぞろいの様相で、しかも殆ど全社が二種以上出すという活況でした。それだけ売れ行きも良かったのでしょう。

 レコードがコロムビアの他、ビクター、テイチク、東芝と出しました。

 

 ところが、夏場に新曲「怪物くん音頭」が作られた際、これを音盤化したのは、シートのソノラマにレコードのコロムビアのみという構図となりました。

 申請した全社に音盤化権を与えていたと思われる日音の方針に、ここで少しだけ、変化が出てくるのです。

 この変化は、この次の藤子枠作品である『ウメ星デンカ』で、更に決定的なものとなって現れる事となります。

 もしかすると、これら藤子作品の掲載出版社である小学館の方が方針を変えたのかもしれません。

 

 

サスケ

 紙漫画の世界と同様に、手塚治虫が切り拓き、暫くの間は手塚作品やその亜流が数多く作り出されていたテレビ漫画の世界にも、非手塚の世界が陽を浴びるようになってきました。

 春に『巨人の星』が「劇画」のテレビまんが化で大成功を収めると、秋には劇画(=非手塚)の象徴とも言える白土三平作品が、テレビまんがとなりました。

 雑誌『少年』に掲載され、白土作品の中では最高とも言える分かり易さ、親しみ易さの忍者漫画『サスケ』が、その対象となりました。

 

 これもTBS放送だったため、日音管理で参入自由だったのでしょう。

 シートはソノラマ、ビクター出版、エルムが、レコードはコロムビア、キング、テイチク、ビクター、東芝と、主要な所が殆ど音盤化しています。

 新興で、本来は歌謡曲が主流のクラウンはともかく、グラモフォン(ポリドール)が、いまだに子供向けテレビ音盤に非常に消極的なのが伺えます。

 

 

夕やけ番長

 梶原一騎原作による荘司としおの長期連載漫画を、一日10分放送、それを月曜から土曜まで連続で、実質60分一話完結とした、日本テレビ夕方枠の作品です。『冒険少年シャダー』の後番組であり、特異な放送形態はこの後も継続されていく事となります。

 音盤としては、シートのソノラマとレコードの東芝という、『シャダー』と同じ顔触れになりました。

 枠が枠なので、あまりヒットする可能性も高くなく、実際に過去の『とびだせ!バッチリ』『シャダー』と、特に話題にもならず終わっていますので、わざわざ割り込んでくる社も無かったのでしょう。

 

 放送時間が短い枠ですから、エンディングと言われる部分は有りませんでしたので、歌も開始主題歌しか放送では流れませんでした。

 それでも過去二作の音盤では、わざわざ抱き合わせの歌を作って同時収録していたのですが、この番組ではソノラマも東芝も、歌は一曲のみで、後はドラマ収録という形にしています。

 しかし、同枠の後番組『男一匹ガキ大将』では、また二曲作る事になるので、これがどういう事情かは不明です。

 

 

ドカチン

 今日では「土方(どかた)」の親しみ易い言葉として使われる「ドカチン」ですが、この番組が放送開始される少し前から流行りだした言葉なので、もしかしたら、その語感を頂いた番組題なのかもしれません。

 タツノコプロお得意の完全自社制作ギャグ調まんがで、現代に現れた原始人一家を中心に描いていました。

 フジテレビ水曜19時の枠で、前作『おらぁグズラだど』からの流れであり、同じく提供の森永も、後に日曜18時枠に移動とはなりますが、ずっとタツノコ作品を支え続ける事になります。

 

 音盤としては、朝日ソノラマソノシートを出しているだけで、通常のものと、絵本形式の2種が出されました。

 結果的にソノラマの独占となっていますが、これは恐らく、主役で主題歌歌手の中村メイコのギャラの高さに拠るものと思われます。

 ソノラマの橋本一郎が、やはりメイコ主演・歌の『宇宙人ピピ』を音盤化した際の証言に拠れば、それは今日の300~500万にもなろうかというもので、ソノラマは採算が取れたものの、他社は全て赤字になってしまったとの事です。*2

 

 

佐武と市捕物控

 石森(石ノ森)章太郎による捕り物を描いた漫画で、ビッグコミック掲載ということで当初は大人向けのテレビまんがとして企画されたようです。

 そのため最初は木曜夜の9時から放送され、たまたまチャンネルを替えている途中で気付いたワタクシは、こんな時間に漫画やってると奇異に思い、少し見てみたのですが、やはり大人を対象としていただけに子供向けにはなっておらず、すぐに退屈して替えてしまった記憶が有ります。

 

 しかし半年後には水曜7時へと変更されました。

  開始主題歌にはハミングだけのものが使われて、朝日ソノラマがシート(P-20)で発売しました。この盤では、終了主題歌としてハミングのGEMシンガーズの歌う歌詞付きの歌も収録されています。

 また、テレビまんが音盤にやる気を出していた東芝が、これも『黒い編笠』という子供向け実写時代劇主題歌との抱き合わせで発売しましたが、こちらは歌詞の付いた歌となっていました。

 

 放送では、このGEMシンガーズによる歌詞付きの歌は使用されなかったようで、終了時にもハミングのものが流されました。しかし、ソノラマでの収録方法から考えるに、終了主題歌は歌詞付きの歌にするという案も有ったのかもしれません。

 実際に、後期には終了主題歌に変化が有り、坂梨昇による歌詞付きの歌が使われるようになりました。

 そのため、ソノラマから新たなシート(P-37)が発売されました。また、テイチクから坂梨昇の歌唱をA面としたレコードも発売されました。

  なお、GEMシンガーズのものと坂梨昇のものとでは詞が違っており、更に他にも違った詞が存在していますが、何故そうなったのかは不明です。おそらくレコード会社毎に自前の作詞家を起用したかったという事だとは思いますが。

 

妖怪人間ベム

 韓国人スタッフが作画に関わっているため、一種日本離れしたおどろおどろしい画風で恐怖感が増し、話題となった作品です。まだ幼児だったワタクシは、冒頭部だけであまりに怖くてチャンネルを替えてしまいました。

 そういう作品だからか、提供会社の一つには在日朝鮮人が興したロッテが加わっていたのは割と有名ですが、エスビーカレーも提供していました。

 音盤としては、これもシートのソノラマ、レコードのコロムビアという黄金コンビでしたが、コロムビアは何故か「デラックスえほんレコード」として、本当に絵本のような厚さの冊子が付いたレコードでした。

 この形は異例の物で、何故この番組だけこのような形となったのかは謎です。

*1:昭和テレビ探偵団「アニメ音盤の開祖(2)」

*2:昭和テレビ探偵団「アニソン音盤の開祖(1)」

大統領選簡易感想

 やっぱりね、という感想しか湧かない大統領選結果だった。

 

 途中、何度も馬鹿だなあという事を言っていたのだが、その度に向こうのマスコミが、トランプの足を引っ張るの反対、足を押していた?

 向こうのマスコミがトランプを落とせば落とすほど、人々のトランプへの信頼度が増すという空気だったのが、如実に感じ取れたからだ。

 「トランプはこれまでの支配層とは一線を画している!」と。(事実そうかどうかは知らない)

 

 特に大きかったのが、あちこちの新聞でヒラリー・クリントン支持を打ち出した事だろう。

 今や日本でもアメリカでも、マスコミなんてものは信用ならないものだという認識が、ネット民を中心に非常に大きく蔓延している。

 その日米の裏打ちされた感情に微妙な差異は有るが、アメリカの場合は、マスコミそのものが旧来の支配者の「ツール」に過ぎないという知識が、インターネットによって共有されてしまったのだろう。

 

 トランプは、そうした現状を打破したい層に訴求力を抱えていたのに、それを公正原則を打ち破って堂々とヒラリー支持を打ち出したりしては、逆に強烈なマスコミ不信感からトランプへの追い風になるなと見ていた。

 今回も、イギリスのEU離脱の時のように、直前にヒラリー勝率90%とか流していたが、あれはなんだったのか?

 仕手や賭けで儲けようとしている連中がいるのではないか?

 日本にもブックメーカー会社が有ったら、ワタクシも小使いを増やせていたのに。

 

 マスコミは偏向して良いなんて言っていた連中は、もう、そんな時代ではないのだという事をそろそろ認識した方が良い。

 それは自らの首を絞めていくだけなのだが、頭の固くなった連中は、考えが凝り固まって時代に合わせる事が出来ないのだろう。

 それが大義に沿っているなら見上げた理念だと思うが、「公正でなくて良い」「偏向して良い」なんて公言していても、それは全くの逆効果にしかならない上に、自分たちの考えの卑しさを公言しているだけという阿呆さに早く気付くべきである。

 

 で、トランプになったら何かが劇的に変わるのだろうか。

  ワタクシには、とてもそうは思えない。

 オバマ「Change」と唱えて何か変わりましたか?

 そのように、いかな大統領と言えども、明日からアメリカを共産主義の国に出来はしないし、原発核兵器をゼロには出来ない。

 

 ただ、日本にはどうも、良い点が有るように感じない。おそらく、色々と世知辛くなりそうな気もする。

 核兵器保有を認めるのではとか、在日米軍駐留をやめるのではとか、有り得ない妄想をしている人はお花畑から出てくるべきである。

 米軍は、中国やロシアと戦うためのみに駐留しているわけではない。

 日本を押さえつけておくために存在しているのだから。

昭和唱和ショー「七輪コンロ」

 穴が七つ開いているから「七輪」と言われる炭を用いるコンロです。

 そもそもコンロ自体が昭和語のようなもので、今は殆ど電気コンロの事を指すでしょう。しかし、そもそもは木や炭を燃していたもので、練炭コンロは下図のようなものでした。

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  これは今のミツウロコによる新聞広告で、ミツウロコはその昔、「三鱗無煙炭株式会社」と言ったのです。

 この絵の炭は穴が十個空いていますが、それが7個なのが七輪という語源なのではないかと思うのですが、確認できませんでした。

 たしか子供の頃は七つ穴だった気がし、その穴に火箸のような長い先の曲がった金属棒のハサミの尖端を入れて、挟んで取り出していた気がします。

 

 炭は練炭ではなく、木炭を使うのが正しいようなので注意が必要です。

 七輪コンロで炭を燃やし、魚などを焼いたり、暖を取ったりする風景が、万博の前後頃まで見られました。

 何故か、街から乞食が消えたのと時期を同じくして消えましたが、長屋というものが東京オリンピックを境にしてその頃までに消えていったからだという気がします。

 東京より田舎の風景では、もう少し残っていたでしょう。

 

 炭コンロの中で、なぜ特に七輪が圧倒的な普及度を誇るのかは調べられませんでした。たまたま最初に普及した物が七つの穴を開けていたというだけなのかもしれません。

 少し前に漫画投句で扱った「1・2のアッホ!!」の中で、野球部が必ず料理に使っていたのが七輪コンロでした。

 定岡くんがおかゆを匙でカントクの口に持って行くと、「い~つ~も~す~ま~な~い~ね~」と衰弱した演技で監督が応え、それにまた定岡くんが「それは言わない約束でしょ」と応えるというのが定番表現として有り、ワタクシらの世代は、それで七輪により馴染みが有るのです。

 

 ちなみに、その二人のやり取りは、名バラエティ番組『シャボン玉ホリデー』でザ・ピーナッツの二人が、病床に伏すハナ肇の親父役相手に演っていた定番コントのパロディでした。

 貧乏所帯を演出する小道具として、昭和50年代始め頃までは、(時代錯誤ギャグとして)まだギリギリ使われていて、存在していたのです。

 今でも販売されていますが、もう、そういう小道具としても使えないくらい、一般的な認知度は無くなっているでしょう。 

*1:昭和34年10月26日付読売新聞