無駄じゃ無駄じゃ(?)

すべては無駄なんじゃよ

挿しす世相史「造船疑獄が終結する」

 昭和29年7月30日(金)午前10時、時の佐藤検事総長の談話が発表され、年初来、日本政財界を揺るがせ続けていた所謂”造船疑獄”捜査の、事実上の終結となりました。

f:id:sammadaisensei:20170730170255p:plain*1

  俗に”造船疑獄”と呼ばれていますが、この時に捜査・逮捕されたのは造船関係だけでなく、陸運の方にも及んでおり、”運輸疑獄”と呼ぶべき内容でした。

 途中、与党・自由党幹事長である佐藤栄作収賄容疑で逮捕されるかという局面まで行きますが、犬養法相による”指揮権”発動という、検察の捜査方針への政治による介入が有り、そこからの捜査は行き詰まりを見せており、この日の談話発表により、実質的な終結となりました。

 

 造船関係の逮捕71、陸運関係の逮捕34という、史上稀に見る疑獄事件でしたが、佐藤栄作という超大物には司直の手が掛からず、一般民衆の政治不信は募りました。

 そして佐藤は一貫して政治の中央を歩み続け、未だ破られぬ首相罪日数の記録まで打ち立てました。

 

 

 

*1:昭和29年7月30日付読売新聞夕刊

恥痴呆談「蓮舫民進党代表と稲田防衛大臣の辞任」

Gさん(仮名)「先週あなたが幽霊扱いしていた蓮舫さんと稲田さんが(笑)、ほぼ同時期に辞任となりましたが」

ごいんきょ「迷わず成仏してくれ(笑)」

 

G「実際、確かに二人共、とっくに辞めて当然の人たちではありましたよね」

ご「しかも、二人とも党の人気を少なからず足引っ張ってたという(笑)。

  それで二人とも、後ろから弾がバンバン飛んできて、討ち死にってわけだがな(笑)」

 

 

蓮舫民進党代表

G「討ち死にって、”敵に討たれて死ぬこと”ですよね。特に蓮舫さんは、後ろから、つまり味方から撃たれて死んだわけですけど(笑)」

ご「二人とも、任命権者の愚かさが後々まで響いてしまったな。つまり、最初からこうなる事はなんとなく想像がついてたろ」

 

G「任命権者? 稲田さんに対する安倍さんはわかりますけど、蓮舫さんは?」

ご「それは本人(笑)。彼女の場合は、幹事長に野田佳彦を据えた時点で大失策よ。

  折角の女性党首で目先を替えたのに、選りにも選って騙し討ち消費増税の野田を幹事長にして、政策が消費増税とか、自分たちで泥水の中に顔を突っ込んでいったようなもんだろ(笑)」

 

G「次は前原さんとか枝野さんとか言われてますけど」

ご「今更前原だなあ(苦笑)。ま、アメリカ様の御用聞き仲間って事で昔からネトサポのウケはいいのだけが救いじゃないの?

  枝野は、民主党政権時代の官房長官としての喋りは、わりと良く見られてた気がする。その後の完全装備被災地視察には馬鹿丸出しだなと思ったけど。

  要するに、誰がなっても浮上しないよね(笑)」

 

 

稲田防衛相

G「稲田さんに関しては、やはり安倍首相ですか」

ご「そりゃそうだ。稲田朋美防衛大臣にって時点で、ハア!?って声を挙げたもの(笑)。安倍には政治センスというものがまるで無い。奴は悲運のプリンス・安倍晋太郎人脈だけでここまで来た男だよ。

  稲田の罷免も出来なかったし、もう死に体だね。だから、わしは5月末の時点で、早めに政権禅譲とその次の次を見据えて行動しろと忠告・助言してやったのに(笑)。

  ま、預言というものは愚か者が聞き入れないから成就するんだがな(笑)」

 

G「まだ支持率が落ち込んでない頃ですもんねえ。 

  森友疑惑で散々責め続けられてもずっと支持率が落ちてなかったんですが、加計問題ではいずれ落ちるだろうと読んでたんですか?」

ご「ああ。だって、安倍も安倍周辺も親安倍一派も、馬鹿丸出しで図に乗っていたから。

  幾ら責められても支持率が落ちない事をひけらかし始めて、だからいいんだとか言い始めたり、あげくは読売新聞にミエミエで常軌を逸した形の擁護記事が載ったり、その事を親安倍一派が完全肯定したり、あの頃の日本って、歴史上でもそうは無いくらいに変梃な様相だったぞ。そんな異常な様を見せ続けられたら、早晩、まともな人間は嫌気が差すってのは火を見るより明らかじゃないか。

  それがわからない人間は、昨今、世界中で目立っている”ホンモノ”(笑)。

  いまだに言い方を変えずに押し通している人々が居ますが、あれが”ホンモノ”の特徴なので、皆さん、例の奥さんや元奥さん同様に、温かい目で見て上げて下さい(笑)」

 

G「でも、いまだに安倍擁護、加計擁護、果ては岩盤規制に風穴とかって話になってますけど(笑)」

ご「岩盤規制(笑)。

  本気にしている奴いるの? 病的安倍シンパ以外で」

 

G「だって、獣医師は不足しているのに、利権を守りたいから増やさないんだって……」

ご「ま、その辺の話は、わしは”規制論”という形でやりたくて仕方無かったんだけど、これまた長くなってしまうので面倒なんだな(苦笑)。

  だから大雑把に結論だけ言うとな、業界利権を破壊して日本が良くなるのか悪くなるのかが問題なのであって、頭から”利権はぶっ潰せ~!”って何も考えずに行動して日本を目茶苦茶にした代表が、小泉純一郎政権ね。

  でまあ、獣医師界がどうなのかは諸説あるからここでは判断は置くけど、それが風穴を開けるべき岩盤利権だと思っていたんだったらさ、小泉みたく、大向こうから”獣医師利権をぶっ潰せ~!”ってやれば良かったじゃない。

  なんでやらなかったの? なんで、”総理は言えないから私が言う”のよ(笑)。堂々と安倍自ら乗り込んで、私はこの規制に風穴を開けたいんです、理解して下さいって説得すりゃ良かったろうが」

 

G「それは、出来なかったんでしょうねえ(笑)」

ご「前川氏に、”自ら私に言えば良かったんだ”なんて言ってる安倍自身こそ、なんで自分で岩盤規制打破を唱えなかったのよ(笑)。

  後出しだからだろ。べつに岩盤規制なんて思ってなかったからだろ(笑)。ただ加計学園だけ通したかったからだろ(笑)。加計さえ通しちゃえば”岩盤規制”はむしろ助かったんだろ(笑)。腹心の友を贔屓しているのがミエミエだから後ろ暗かったんだろ(笑)。だから出来るだけ内々で処理したかったんだろ(笑)。つまり最初の最初から加計ありきの計画だと知っていたんだろ(笑)。つか自分で計画を指示したんだろ(笑)。

  そんなの、庶民はいちいち精査しなくても雰囲気で察知していて、親安倍一派が一生懸命に糊塗したり言い切ったりしているの、みんな嘲笑されてるからな(笑)」

 

G「以前もあなたが言ってましたが、いまだに以前と同じ言い方で押し切ろうとしている人々を見ると、却って反感が湧いて反安倍感情が増しますね(笑)」

ご「それを日本語で、”贔屓の引き倒し”と言うのだ。

  親安倍一派に頭が切れる奴が一人も見当たらないのが痛いな。いちいち名前は挙げないが、みんな単細胞(笑)。

  安倍が稲田を政治的に葬る結果となってしまったのも、正に”贔屓の引き倒し”。可哀想に、環境大臣とか法務大臣とかやらせておけば、まだまだ伸びる目が有ったかもしれないのに、これで稲田が総理大臣になれる可能性は皆無になってしまったよ。

  大臣任命権者にその能力が無いと、大臣個人も、国家も、非常な負い目を負う事になってしまう」

 

G「大臣が事実上の不在、現場と事務方の頭も辞任と、いま、国防が大変な事になってますよね」

ご「独立国ならな」

 

G「へ?(苦笑)」

ご「前から言っているが、日本の頭、特に防衛に関してのそれはアメリカ様だから問題無いだろ」

 

G「そんな…(苦笑)」

 

 

 

テレビ主題歌音盤史 ~子供向けドラマ編~(10)

新吾十番勝負

 川口松太郎による娯楽時代劇で、徳川吉宗の御落胤という葵新吾の活躍を描いたものです。大川橋蔵の映画版は続編が何本も作られた人気作でした。

 テレビ化も何度かされておりましたが、この時には映画版と同じ松田定次がメガホンを取り、『隠密剣士』で人気を馳せた大瀬康一・牧冬吉が脇を固めるという、非常に豪華な布陣となっています。

 そんな凄い顔触れの中で主演の葵新吾役を射止めたのは、これがテレビの連続物としては恐らく初の主演となる田村正和でした。

 

 全く再放送も無く、映像が現存するのかも怪しい作品でしたが、数々の貴重映像をYouTubeに公開している大村崑さんのご子息が、最終回のオープニングだけとはいえ公開してくれた事に拠り、色々な情報が確定しました。

 何より古映像ファンを喜ばせたのは、番組オープニング前の、ブラザーの企業オープニングです。

 この番組は、TBS月曜19時半からのブラザー劇場の一作でしたので、毎回ブラザーの枠オープニングから始まっていたのでした。

 

 主題歌は舟木一夫が歌いましたが、シングル発売はされなかったようです。

 4曲収録EP盤の中の一曲として収められましたが、その盤の題名は『舟木一夫の新吾十番勝負』となっています。

 

 

悪魔くん

 水木しげるの漫画が元となってはいますが、テレビ版は、よりわかり易い勧善懲悪ものとなっており、これは、すぐ後の『鬼太郎』でも踏襲されます。

 ファウスト博士から悪魔メフィストを呼び出す魔方陣を教わった、悪魔くんこと山田真吾少年が、メフィストを顎でこき使って妖怪退治に駆り出すというもので、妖怪ブームを先駆けた作品となりました。

 魔力の有るメフィストですが、悪魔くんが博士から譲り受けたソロモンの笛の音が苦手で、加えてチョコレートが大好きなため、その飴と鞭とで上手く使われてしまうのでした。

 

 オープニングは、いわゆる歌唱曲ではなく、呪文のようなものなので、放送当時の音盤収録はされませんでした。

 主題歌はエンディングで流され、おどろおどろしい映像を散々見せた後に、妙にノリの良い小気味良いコーラスだったので、却って印象に残ります。

 この主題歌と、劇中に気怠いコミカルな感じのカラオケが流されていた”なまけもの節”と、独自ドラマとの組合せで、朝日ソノラマからシートが独占発売されました。

 

 

快獣ブースカ

 TBS『ウルトラマン』の大当たりで勢いづく円谷プロが、日本テレビでコミカル特撮を志向したものです。

 主人公は一応、怪獣のブースカですが、間が抜けているので愉快な怪獣、快獣というわけです。

 本来は秋改編の10月5日放送開始予定でしたが、制作済みの本数が7本と少なかったため延期されて、中途半端な11月9日からの放送となりました。

 

 日本テレビはスポーツやバラエティが強い局だったので、アニメやヒーロー物などの子供向け作品は少なく、その方面の制作会社や音盤会社との関係も希薄だったからでしょうが、ソノラマもなかなか独占できず、フジやNETの子供番組であれほど音盤化に積極的だったコロムビアが絡む事も少なかったものです。

 このブースカでは、希望した全社が音盤化を実現できたと思われ、非常に多くの社が参入しています。

 

 レコードはテイチクの他に、ミュージカラーレコードという所が白い塗り絵式のジャケットという変わり種を出し、更に日本レコードという、あまり聞かない会社も発売しています。

 シートはお馴染み朝日ソノラマの他、コロムビア、ビクター、コダマプレス、勁文社、更にミュージックグラフは、よほど気に入ったと見えて5種類も発売したのでした。

 

 

昭和唱和ショー「平凡パンチ」

Gさん(仮名)「いつの間にか、”平凡パンチ”も懐かしむ対象となってしまってるんですねえ。

ごいんきょ「宿敵だった集英社のプレイボーイは、一応は健在なのになあ。集英社は雑誌作りが上手かった」

 

G「これって、創刊は昭和39年4月28日なんですね」

f:id:sammadaisensei:20170727220817p:plain*1

ご「トップ記事は鈴鹿グランプリ。それに五味康祐一刀斎の夜のバット談義(笑)、吉行淳之介司会のデート談義、プレイボーイクラブレポートなどが目を惹く記事だな。あと、自動車プレゼントが目玉。

  要は、車と女だ(笑)」

 

G「昭和50年代前半頃まで、男性向け記事のその流れは変わりませんよね」

ご「ああ。その他に賭け事とか服飾なんてとこだな。それは平凡パンチ創刊の頃から網羅されていたというのがな」

 

G「と言うか、パンチが雛形を作ったんでしょうか」

ご「うん。パンチ以前にも男性週刊誌が企画された事は有ったんだけど、見事に転けたんだよね。だから、パンチがあそこまで成功するとは思われてなかったろう」

 

G「やはり、”ヌード”が利いたんですかね」

ご「上の広告では、官憲だか新聞社にだか遠慮したんだろうけど、凄い小さい文字で”すごいヌードもあるョ”と書かれてる。後には誰それが脱いだ!なんてのがトップになるのと比べると、やはり昭和30年代はまだまだ大人しい」

 

G「ヌードと言っても、この頃はほとんど外人モデルだったようですね」

ご「大和撫子は、まだ人前で裸になるなんて事には抵抗が大きかった時分だな。後には誰それが ※ 繰り返し」

 

G「これって、やはり売れたんですよね、かなり」

ご「売れたからこそ、次々に後追い企画が出されたのよ。

  翌昭和40年夏には、”HEIBONパンチDELUX”という隔月刊誌を創刊するし、これも好調だったとみえて、更に41年には増刊で女性版パンチも出すんだ」

 

G「平凡パンチの女性版なんて有ったんですか」

ご「で、こんな美味しい市場を独占させておく手は無いってんで、集英社が41年から週刊プレイボーイを始めるんだけどな。とにかく昭和40年代初頭は、平凡パンチ我が世の春よ。

  勢いというのは恐ろしいもので、偶然に特ダネまでモノにしてしまうんだ」

 

G「特ダネ?」

ご「うちでも以前”挿しす世相史”で扱ったBOAC機墜落事故の様子を、パンチの記者とカメラマンが偶然目撃して、見事にカメラに収めたのよ」 

f:id:sammadaisensei:20170727223659p:plain*2

 

G「正にパンチがノリに乗っていた時期なんですねえ。

  それが、どうして駄目になってしまったんでしょうか」

 ご「デラックスパンチ、デラパン創刊直後に丸谷才一が男性週刊誌論を書いているんだけど、ちょっとピントがずれてるように感じる部分も無いではないが、”快楽追求ムードの中で夢見る心理を拡大”させていると指摘していて、それはそうだったなと思うのよ。

  車なんて典型だけど、女も、服飾も、当時の男は簡単に手に入れられないものだったわけ。賭け事を含む娯楽にしても、まだまだ日本人は楽しみ下手だった。

  でも、高度経済成長の恩恵が行き渡り始めて、庶民の暮らしも少しずつ上向いていた時期なんだよな。夢物語ではなく、手を伸ばせば届くかもという所まで来ていた。

  そういう時代にそれらへの水先案内のような事をして、時代を先導していたんだな」

 

G「あ、なるほど。そして、それらが実現してしまう世の中になったと」

ご「その通り。昭和50年代後半になると、いよいよ日本の経済状態も盤石となり、本格的に消費拡大社会となる。

  車も、服飾も、娯楽も、全てが憧れではなくて実際に楽しむものとなったわけ。女に関しては、雑誌以上に過激なビデオ媒体が出て来た。

  こうして、平凡パンチが先導してきた時代に現実が追いついてしまい、存在意義が無くなっていったんだな」

 

G「いま言いながら思ったんですけど、現在の若者は、またそれらを手に入れるのが難しくなっているようですよねえ。男性誌復活とはならないんでしょうか」

ご「時代背景がまるで違うよ。現在のそれは、或る程度行き渡ってからのそれだから。そんなものに憧憬は持てないだろ。

  今はネットなどの疑似体験で、かなり欲求不満を解消できる。身悶えするような希求、欲求なんて、なかなか持てないんじゃないの?」

 

G「それってやっぱり、幸せな事なんですよねえ?」

ご「そうなのかな。考え方次第だな」

 

 

 

*1:昭和39年4月28日付読売新聞

*2:昭和41年3月11日付読売新聞

ラッパー漢 対 シバター 部外者乱入という面白くない落ち

ごいんきょ「漢(かん)とシバターの一件、おもろくない終わり方になっちまったねえ」

 

Gさん(仮名)「一応説明しますと、漢さんというのはヒップホップ界の重鎮で、カリスマ的なラッパーの人ですね。

  シバターさんというのはYouTube周りでは知られた人物で、プロレスラーでありながらYoutuberとして稼いでいるという、YouTube周辺では毛色の変わった人物ですね。

  そもそもは、漢さんが自分の番組にシバターさんを呼ぼうとしたけど、けんもほろろの対応をされたというのが発端という事ですが」 

 ご「わしはヒップホップはまるでわからないんだけど、漢っていうのは、かの世界で”ビーフ”と呼ばれる手法、言ってみればラップバトルを仕掛けるものでのし上がったと。恐らく、ヒカキンなどの人気Youtuberを相手にした露骨な炎上商法で成り上がったシバターに、親近感が有ったのかもしれないな。

  ところがシバターは、以前から”俺は100万人登録者が居る奴しか美味しくないから相手にしない”って公言している屑の中の屑系の炎上屋だから(笑)、YouTubeを始めたばかりで登録者も十万もいない漢を、ハナから相手にしていなかったと」

 

G「それで漢さんが、シバターの得意とするリング上で決着を付けようと持ち出して、あげくにスポンサーも見つけて、都合4500万の懸賞金を用意しちゃったんですよね(笑)」

ご「”お金大好きシバターくん”に合わせてな(笑)。

  それでもシバターは動かなかったんだが、ここで瀬戸弘司が橋渡ししてしまうんだな」

 

G「100万人登録者がいる瀬戸さんの仲介って事で、シバターさんも漢さんを相手にする自分としての大義が出来たって事でしょうけどね」

ご「うん。多分、シバターとしては、純粋な好意で、見世物としての煽り合いを受けてやろうと思ったと思うのね。

  それは彼がプロレスを愛す性向って事でわかるし、わしもプロレスはかなり好きだったから、そういうのが嫌いじゃないし、わかる。

  ところが漢は、ビーフと言っても”リアル”が身上の人らしいから、どうもシバターの考え方とは根本的な部分で食い違いが有ったようだな。

  プロレスは、”アンリアル”を如何に”リアル”にするかの見世物だからさ。プロレスラーが”リアル”にプロレスやったら、却って愉しめなくなる。松居一代を見てれば解るだろう」

 

G「いや、松居一代さんはプロレスラーではないので(苦笑)」

ご「YouTubeというプロレスリング上に、愉しめない”喧嘩”を持ち込んでいるって事ね(笑)。

  で、漢って人は、恐らくだけど、そういう”アンリアル”を”リアル”に見せかけるのは好きではない人だと思うのよ。

  じゃあ、なんでシバターに興味を持ったのかって話だけど(笑)、シバターが人気Youtuberたちに炎上を仕掛けている姿が”リアル”だと思ってたのかねえ?」

 

G「ヒカキンさんの本を燃やしたり、えげつないやり方やってましたね(苦笑)」

ご「わしは、あれはシバターの言う通りだと思うんだけどね。

  きちんと本を買って、読んで、その上で要らないと思ったら、鍋敷きにしようが燃やそうが、それは買った人の自由だよ。わしも個人誌を出す時はそういう気持ちでやってるし。

  口先だけ体裁の良い事を言う人より、実際にお金を出して買ってくれる人の方がはるかにありがたい(笑)」

 

G「でも、内容がどうしようもないとか殊更に言い触らして燃やすのは、営業妨害行為でしょう(苦笑)」

ご「まあな(笑)。だから、ヒカキンの本は確かにシバターの言うように、実写ルパン三世とか剛力彩芽CDのように、見ずともわかる内容だとは、わしも考えるんだけどさ(笑)。でも、シバターは輪を掛けた屑野郎だとも思うのよ。

  ただ、奴は自分が屑野郎だという事を自分で公言しながら炎上させて、そしてのし上がったという、最大の卑怯者なんだけどな(苦笑)」

 

G「でも、ヒカキンさんとかを実際に碌でもないYoutuberとは思ってるんでしょうから、その限りに於いて”リアル”なんじゃないですかね」

ご「まあいいや。プロレスラーがリアルかどうかなんて、最も下らない論議だから(笑)。そうそう、リアルだよ。それは絶対にそう(笑)。

  とにかく漢とシバターは、上のまとめで有るように、けっこう動画の応酬をしていたんだな」

 

7/4

 

7/6

  

  

7/10

G「この動画で、漢さんのトーンが少し変わって、収める方向にしたいような感じだったんですけどねえ」

ご「中で、歌で煽るのは危険だからやめろとか言ってるのは、シバターがプロデュースしている”ウタエル”とかいう奴が上げた歌の事ね。もう消しているみたいだけど。

  プロデュースって言うけど、あれも酷いな(苦笑)。仮面はラファエルのイタダキで(笑)、歌っている内容はシバターそのまま(苦笑)」

 

G「その”ラファエル”さんとも、上の7/6の漢さんの動画にも少し映っている”へきトラハウス”さんともシバターさんは悶着を起こしているわけですけど、あれはYouTubeを盛り上げるためのプロレスだっていうのは、大人はすぐにわかりますけどね」

ご「まあな。YouTube動画で盛り上がっている層は、少なからず年少層って事で、古臭い型のプロレスでも一定の話題にはなるんだろうし、ウタエルなんかもそれで或る程度はイケるだろうって事なんだろうけど。

  わしは、そういうやり方は好みじゃないけどね。テレビでのタモリやたけしの出始めのやり方も、苦々しく見ていたし」

 

G「伸びている媒体では、その内部の人間同士のやり合いが興味を惹く見世物になるっていうのは、実は文字の世界から何から、色んな分野で繰り返されてきた事ではあるんですよね」

ご「ああ。本人たちがどこまで見世物として意識していたかという問題は有るにせよ、結果としてそういう事が商売に繋がっていたという事例は、先に言ったようにテレビでもよく見かけたし、文字の世界でも有った事だな」

 

G「小さな世界の住人同士がそんな事をしても盛り上がりませんし、そういう事が計算できるようになったくらい、YouTube動画というのが大きくなってきたという事なんでしょうね」

ご「いつもながら思うんだが、なんでアメ公の土俵なんだよ、いつも」

 

G「そういう国士様的な発言はいたずらに字数が増えるので、今回は慎んで戴けますか(苦笑)」

ご「ああそう。既にけっこう長くなってるしね(苦笑)。

  でまあ、漢は軌道修正しようとしているのに、何故かシバターは突っ走っちゃったんだな(苦笑)」 

 

7/14

 

G「でも、微妙に上手いですよね(苦笑)」

ご「ああ。だからシバターとしては、シバターなりに真面目にヒップホップ流の土俵で傾いたつもりなんだと思うんだよね。漢や周辺が”リアル”な志向でなかったら、これは受け入れられていたんじゃないの?

  ただ、わしの会社にヒップホップ命の奴が居てさ。そいつはZEEBRAの超絶ファンで笑いも分かる奴なんだけど、シバターの動画はムカついたって言ってたな(笑)」

 

G「そして、ちょっと異質な出来事が起きてしまうんですね」

 

7/16

 

G「パチンコ番組収録中のシバターに気付いたヒップホッパーと思われる複数の人間(動画中5人と言っているが実際は2人だったらしい)が、イチャモンを付けだしたんですね」

ご「これなあ。件の同僚に聞いてみたら、気持ちはわかるって言ってたぞ(苦笑)。

  結局、シバターと漢は、猪木とブッチャーみたいなものだったのよ。リアルで見せたい人間と、ショーマンとして見せたい人間と組み合わせても、プロレスですら面白くない試合になってしまうの。

  本人同士は大人同士だから、幾らでも折り合いを付けられるんだけど、不特定多数に配信し、しかも若年層が多数を占めるYouTube動画となると、周辺の人間たちがどう展開していくかなんて、誰にも制御できない事なのね」

 

G「そして結局、漢さんに加えてシバターさんまでが、恐らく初めてなのかな、真面目な謝罪動画を流す事になってしまいましたが」 

 

7/17

 

 

ご「本人周辺は、もっと違う落としどころを想定したのかもしれないけれど、こうなってしまうとこうするしか無いって感じになって、非常につまらないオチとなってしまったな。

  ヒップホップファンの中にもプロレスノリがわかる人間も居るだろうけど、それよりはヒップホップ一筋って人間が多いだろうし、やはりアリ対猪木がそうであったように、異種格闘技戦というのは見た目つまらない決着にならざるを得ないんだよな」

 

G「さっきから微妙に例えベタですね(苦笑)」

 

 

 

 

漫画投句「がくらんエレジー(弘兼憲史)」

Gさん(仮名)「漫画家はけっこう有名ですけど、作品はまったく無名ですね」

ごいんきょ「廃刊を目前とした週刊少年キングに連載されていたんでな。それに、単行本化された時に『ガクラン放浪記』とか改題されてしまったし」

 

G「原作が、主人公である稲田耕三氏による『高校放浪記』だからでしょうけどね」 

高校放浪記 (角川文庫)

高校放浪記 (角川文庫)

 

 ご「でも、わざわざ改題するなんて、作品を冒涜しているよ。小説とか映画で、そんなこと有り得るか? 漫画が舐められているからだよ」

 

G「原作は、70年代前半にわりと読まれたんですよね。だから、少しでも売れるようにと、原作題に近づけたんじゃないですか」

ご「だったら題名の横に、”稲田耕三著 高校放浪記より”って付ければいいじゃないか。その方が、はるかに原作が何か伝わるだろうよ」

 

G「内容としては、あの時代の不良少年の青春像って感じですかねえ」

ご「あの時代ならではという感じなんだが、それだけに、今の連中には微塵も伝わらないかもしれんなあ」

 

G「元がキングだし、その中でもかなり地味な漫画だったですけど、不思議に惹き付けられるものが有りましたよねえ」

ご「先ず第一には、弘兼憲史の絵力が有る。

  内容は本当に地味で、たまに喧嘩なんか有ると少し派手になるけど、それ以外は地味な不良少年の日常なんだよな。でもグイグイ惹き付けられたのは、やはり絵の力だよ」

 

G「原作の方は文章の力とか内容なんでしょうけど、どうしたって漫画は先ず絵ですね」

ご「弘兼はその後も暫く鳴かず飛ばずだったが(笑)、いつの間にか大家になっていたなあ」

 

G「やはり島耕作が大きいですかね」

ご「ケッ」

 

G「態度悪いなあ(苦笑)。その前の”人間交差点”あたりからでしょうか」

ご「ま、そこいらなら妥協してやるよ(笑)。でも、”がくらんエレジー”の味にはまったく及ばないけど。

  ホント、あの頃のキングは内容の充実度は物凄かったのにな。良い物ほど、大人気とはならずに消えていくんだよな。世の大多数は馬鹿で構成されているから仕方無いんだけど」

 

G「そんなにワタクシを貶めないで下さいよ(苦笑)。も~う、応対するのが大変(苦笑)」

ご「わしは彼と、かわぐちかいじの絵に注目していたんだよ。かわぐちかいじは”ハード&ルーズ”とか好きだったんだけど、これも原作者が付いてた」

 

G「どちらも原作をも凌駕する程の絵の魅力で惹き付けていて、その後に独自の物語で天下を取る作家となりましたね」

ご「絵が描けるという事は客観性が有るって事だから。良い絵が描ける人っていうのは、文才だって有るんだよ」

 

G「正しいかどうかは知りませんが、面白い理屈ですね」

ご「ああ。わしも正しいかどうかはわからん。いま思いついた事だし」

 

G(………)

 「この漫画は、どの辺が面白かったですか」

ご「言葉にするのは難しいなあ。弘兼ワールドとしか言い様が無いんだけど。

  一応、内容を説明すると、出来の良い兄を持つ高校生の稲田耕三は、喧嘩が強いために少しずつ道を外れていって、教師や父親との対立が深まる。

  思春期の男子が辿る道なんだけど、ちょっと激情家というか、そのために極端な行動をとったりしてしまうんだな」

 

G「たしか転校しますよね」

ご「うん。暴れが過ぎたんだっけな。よく覚えてないけど。

  それで暫くは北大を目指して、勉強にも向き始めるんだけどね」

 

G「兄さんも成績優秀でしたし、耕三氏も勉強が出来ないってわけじゃないんですよね」

ご「だけど喧嘩が強いから悪い仲間が出来やすいし、番長との対決にも駆り出されてしまったり。

  あと、この時代の不良は女の子にモテる(笑)」

 

G「また、弘兼さんの描く女の子が魅力的だったですよね」

ご「凄く地味な顔なんだけど(笑)、凄く可愛いというね。なんか庶民的というか、ああいう絵は弘兼憲史ならではだよなあ」

 

G「雑誌連載当時の70年代末期あたりまでは、こういう世界観も通じていたんでしょうか」

ご「う~ん… 少年キング以外の少年誌だったら、絶対に連載になってないだろうなあ(笑)。あの当時でも、ちょっと古い感じはした。

  わしは昭和30年代の世相とか好きだから、物凄く好きだったけど、一般的には連載当時に読んでいた人間は限られるんじゃないか」

 

G「まして現在では、この世界がわかる若い奴って期待できなそうですね」

ご「教師を悪い意味で舐めてる奴はいるだろうけど、”敵視”している中高生って今でもいるのかな? 親父に対してもそうだけど。

  そういう青春時代を送った層とか、身近に感じた層にしか興味を持たれないだろうねえ。しかし、自分にとっての名作というのは、得てしてそういうものの中から見出せたりするんだよな。

  わしにとっても、この漫画はずっと忘れられない存在感を放ち続けているよ。何十年も。これからも、ずっと」

 

G「でも島耕作は?」

ご「ケッ!」

 

G「態度わる~(笑)」

 

 

酒とバカラの日々「GRAND KIRIN インディア・ペールエール」

競馬

第65回 中京記念

f:id:sammadaisensei:20170724221507j:plain

  なんとか二番手に買ったやつが順当に当たり。

 GIIIとしては珍しいくらいにガチガチのレースだったが、それでも3-8-15 とか 3-6-8 が来ていればマンシュウだったのだが。

 マンシュウ取れれば、かなり取り返せたんだがなあ。

 アスカビレンがもう一踏ん張りしてくれていればっ!

 

 てな事を言っていたら競馬はキリが無いので、2500円でもプラスならめっけものか。取り敢えずはコツコツとだな。

 しかし、GIIIは500円ってしてたんだから、今回も500円の時点でやめてれば更に500円浮いたのだが。

 と言うか、3-6-8-15の4頭総流し400円分の時点で、今回はこれでもいいなと思っていたのに。どっちつかずはいかん。

 しかし、なんとか挽回できそうな感じにはなってきつつあるか。

 

 

グランドキリン インディア・ペールエール

 今回もなんとか無事にボーナスが出たので、やまやに買い出しに出掛けたは良いのだが、なかなか三千円以上の酒に手が出ない。

 ボーナスが出たというのに、湿気た話だ。

 ま、まだ飲んだ事のない1000円スコッチも並んでいるし、という事で、新たな千円スコッチを買っておいた。

 他に、久々に飲みたくなったオールドバラントルーアンのミニボトルと、そろそろスピリッツにも手を出してみるかと、先ずはジンのミニボトルを買ってみた。

 

 といったところで、グランドキリン。今回はインディアペールエール。

 エールだのペールエールだのといった言葉の説明は知識の豊富な方々にお任せして、そういうサイトを探して戴こう。

 要するにビールである。

 ただ、このグランドキリンは、普通に飲み屋で出すようなビールとは趣がかなり違っている。

 

 非常にスッキリしていて、後に残るようなしつこい苦みも無く、それでいて本格的なビールの味わいは堪能できる。

 どういう用途かと言えば、これはズバリ、家で味わうものだろう。

 仲間とワイワイ騒ぎながら、飲めや食えやという場合には勿体ないし、むしろ物足りない感じになるかもしれない。

 スッキリしているので、ガッツリ感が無い。

 

 しかし、純粋にビール(エール)の美味さを堪能したいという場合には、絶対に一度は味わってみるべき酒である。

 ビールはあの苦みがちょっとねえという人でも、酒さえ飲めれば、これなら気にならないのではないかな。

 勿論、どこぞのドライビールみたくビールの本質を削っているわけではない。

 洗練させてのそれであるし、クラフトビールというものに大手メーカーがここまで向かい合いだしたというのは、凄い事だろう。