漫画投句「天」
Gさん(仮名)「副題を付けた方がわかりやすいんじゃないですか(苦笑)」
ごいんきょ「”天和通りの快男児”ってやつ?」
G「そうです。それを付けないと、なんの事かわかりづらいですよね(苦笑)」
ご「確かに。福本伸行は、題名が単純すぎなんだよ、いつも。
でも、これはその中でも単純すぎるんで、流石に副題で補強したな(笑)」
G「麻雀劇画ですね」
ご「今、まんがBANGっていう無料アプリでコツコツ読んでるのよ。一日8本しか無料で読めないから、コツコツコツコツ(笑)。
勿論、かなり前に単行本で全巻買ってるけどね。この頃は福本も、まともに漫画描いてたよなあ…」
G「今はまともに描いてないみたいじゃないですか(苦笑)。
まあ、描いてないんですけどね(笑)」
ご「流石にネタ切れなんだろうなあ。この頃は、次から次と新しい目線のものを発掘して、本当に凄まじいものが有ったが」
G「これって、天が主人公なのかアカギが主人公なのか、わからなくなっていきますよね(笑)」
ご「そう。これ、あの”アカギ”の年取ってからの姿が描かれてるんだよな。今回は、『アカギ』完結記念みたいな記事だよ(笑)」
G「”アカギ”も、ようやく終わりますよねえ。散々、漫画としての老醜をさらしてからですけど(苦笑)」
ご「で、実は、この『天』の中で、そのアカギの本当の最後も描かれてるんだよな」
G「しかも、それで漫画が終わるという。明らかにアカギが主人公(笑)」
ご「福本も、段々とアカギの超人性に愛着が湧いてきたんだろうなあ、双方の連載が進むうちに」
G「この漫画にアカギが初登場した時、天に負けちゃいますもんね」
ご「わしは『アカギ』から、かなり遅れて、この『天』に気付いたからさ。なんか呆気なくアカギが負けたのが、物凄く衝撃的だったのね。
でも、段々とこちらでも超人性が描かれるようになってきて、最後は漫画を乗っ取っちゃった(笑)」
G「やはり東西対決が、この漫画の華でしたね」
ご「東西両陣営から選ばれし代打ちプロ14名が、頂上決戦するやつな。ガンパイ銀次とか、東のアカギに匹敵する西側の伝説的打ち手の僧我とか、本当に次々と新たな手を考えてたね、この頃の福本は」
G「これだけ面白い手筋を入れながら描かれた麻雀漫画なんて、有りませんでしたもんね」
ご「無かったなあ。片山まさゆきが、少しだけ面白い描き方してたけど、あれは漫画の世界というか、現実的な手筋ではなかったしね」
G「『ノーマーク爆牌党』とか『理想雀士ドトッパー』あたりですかね」
ご「やはり、片山より前のそれまでの麻雀漫画家が、それほど大した事の無い打ち手だって事だわな。小説だと、『麻雀放浪記』という究極が有るのに」
G「そう言えば、この『天』あたりは、『麻雀放浪記』にかなり迫った漫画じゃないですか」
ご「そうだねえ。他があまりにも温すぎるというのも有るけど、この『天』の東西決戦編だけは、かなり『麻雀放浪記』に迫るものが有るね。勝負師の描き方も、手筋やイカサマ技の面白さも」
G「そして、最後の”アカギ編”……」
ご「あれがまた長いんだ(苦笑)。いつ、”天”が麻雀を打つ本来の姿に戻るのかなと思っていたら、そのままアカギで締めてしまうという…(苦笑)」
G「確かに長かったですねえ、最後の章。麻雀場面もまったく出なくなるし、どうも”アカギ”が出ると、そういう時空支配が有るんですかね(笑)」
ご「でも、この漫画のアカギ旅立ち編は、ワシズ地獄編よりも、はるかに読めるよ(笑)」