無駄じゃ無駄じゃ(?)

すべては無駄なんじゃよ

テレビ主題歌音盤史 ~子供向けドラマ編~(14)

ウルトラセブン

 TBS日曜19時タケダ提供枠のウルトラシリーズと呼ばれる系統での第四弾で、円谷プロとしてはウルトラシリーズ第三弾となります。

 風来坊としてウルトラ警備隊の前に現れたモロボシ・ダンという青年が、実はM78星雲からやって来たウルトラセブンで、地球を侵略しようと企てる宇宙人の撃退を手伝うというものでした。

 ウルトラマンが基本的に“怪獣”退治だったのに対し、このセブンでは、毎週のように違った宇宙人が来襲。怪獣が出て来ても、それはそうした宇宙人が差し向けたものとして現れています。

 

 10月放送開始ですが、8月上旬には制作開始が新聞紙上で報じられました。

 その際、ダンは”諸星弾”と漢字表記で案内され、演者は上西弘次とされていました。

 ご承知の通り、放映時には”ダン”は国際放映所属だった森次晃嗣が演じており、上西弘次はセブンの着ぐるみの中で演じる役者でした。

 これは、この新聞の勘違い記事だったのか、急遽配役が変わったのかはわかりません。同じ”こうじ”という役者なので、詳しくない記者が混同してしまったのかもしれません。

 上西は後に、ピープロ制作の”スペクトルマン”でも宇宙巨大ヒーローの着ぐるみを演じました。

 

 音盤は、TBS・日音主導のために希望全社が出せたため、非常に数多くの物が出されています。

 レコードは、テイチク、キング、コロムビアの物が特によく売れたようで、他にクラウンも出しており、東芝は2枚出しました。

 その”第2集”の方は”ウルトラ警備隊の歌”と、例の欠番扱いとなった第12話のドラマが収録されています。

 

 シートは、朝日ソノラマの他に、勁文社、ビクター、ミュージックグラフが、それぞれ2種ずつ出しました。

 また、昭和45年から『ウルトラファイト』という、ウルトラマンウルトラセブンの名場面を流すミニ番組が始まったためでしょうが、ビクターがウルトラマンウルトラセブンのレコードを昭和46年にそれぞれ発売。

 同時期にキャニオンと勁文社もセブンのレコードを発売しています。

 

 

怪獣王子

 『マグマ大使』の後番組として東急エージェンシーピープロが制作したもので、少年がターザンのように密林を原始人のような姿で闊歩し、猛獣ならぬ怪獣(ネッシー)を使って怪獣退治をするという異色の怪獣物でした。『W3』以来のロッテ提供枠です。

 当初は52本制作と報道されましたが、放送開始が7月から10月に延びたりと当初からゴタゴタしていたようで、人気の伸び悩みも有り、26本で終了しました。

 

 主題歌は、前作『マグマ大使』の時に局から歌手を『ちびっこのどじまん』チャンピオンにと指定されてしまった朝日ソノラマ橋本一郎が、その要望を蹴るために影武者として使った天地総子が、その借りを返す形で起用されました。*1

 従って音盤は朝日ソノラマがシートを出しましたが、レコードもポリドールがキンダーレーベルで出した他、テイチクも発売しました。

 

 

おれの太陽

 つのだじろうの漫画が原作で、馬好きのタケル少年が、競走馬として致命的な、足に欠陥を持つ子馬を育て上げて、レースで優勝するまでを描いたものです。

 NET月曜19時半枠で放送され、19時からの『魔法使いサリー』に続く、わりと恵まれた枠だったのですが、何しろ真裏がNHK『新日本紀行』、NTV『アベック歌合戦』、TBS『コメットさん』、フジ『怪獣王子』という物凄い顔触れ。

 『怪獣王子』すら生き残れなかった激戦区ですので、この番組に関しては、その存在すら知る人は少ないでしょう。

 フォーコインズ歌唱の主題歌音盤は、テイチクから出されました。