無駄じゃ無駄じゃ(?)

すべては無駄なんじゃよ

テレビ主題歌音盤史 ~子供向けドラマ編~(12)

太陽のあいつ

 ピンキーこと今陽子が、『恋の季節』を大ヒットさせる前に俳優デビューしていた作品ですが、たった1クール(13本)で終わってしまったために、殆どの人が知らない作品となっています。

 内容は、週刊誌の女性記者を助けた男が、その縁からそこのカメラマンとして活躍する事になるという話で、制作会社の東宝に於けるこの時代の旬の登場者が目白押しという、現在見ると、見所が非常に多い作品となっています。

 時は怪獣ブームだったので、ウルトラ怪獣が登場する回も有れば、三船敏郎がテレビドラマに初登場したりと、話題性は本当に豊富でした。

 

 主題歌も、その頃に活躍していたアイドルグループである”元祖”ジャニーズが歌っています。

 そのため、あまり見られなかった番組にも関わらず、ビクターから出されたレコードは、中古市場にそれなりに出回っています。

 

 

神州天馬俠

 何度か映画化・テレビ化された、吉川英治による子供向け時代劇が、日曜18時半からのダイハツ提供枠で再制作となりました。

 甲州・武田一族の生き残りである武田伊那丸、野武士の娘・咲耶子、忍者・竜太郎らが活躍する話で、クロという大鷲も登場します。

 主題歌は、子供にも人気の高かった山田太郎が歌い、所属のクラウンレコードが発売しました。

 

 

コメットさん

 後に大場久美子主演でリメイクされますが、この初代は九重佑三子が演じました。

 他の星からやってきたお手伝いさんが、居候する事になった家で、内緒で魔法を使ってしまう事による騒動を描いたコミカルな作品です。

 なかなか当たらなかったTBS月曜19時のブラザーミシン提供枠でしたが、これは特撮やアニメーションをふんだんに使って、幻想的な映像や愛嬌の有る人形などが出て来て人気を呼び、途中からカラー放送になって放送も延長。一年以上、65回もの長期放送となりました。

 

 途中、コメットさんが居候していた家がなんの前触れも無く違う家となり、しかもそこの男の子二人は替わらないという、なかなか強引な設定変更が有りました。

 変更後のお父さん役が、後に映画監督として成功する伊丹十三で、お母さんは坂本スミ子という、異色の配役となっています。

 坂本が歌手である母親という役をややアク強めに演じていた事も有り、カラー化後の後期はそれまでより弾けた感じが強くなった気がします。

 

 主題歌も家族変更の時に入れ替わり、初期の情緒ある主題歌は音盤化されませんでしたが、後期の弾けた感じの主題歌は、九重が所属していた東芝レコードから発売されました。

 更に、この後期では、番組の一番最後に、今月の歌として九重が持ち歌を歌う、簡単なプロモビデオのような映像が流れるようになりました。

 主題歌担当が中村八大となったので、九重も出演していた同時期の人気バラエティー『夢であいましょう』が、八大作曲の今月の歌から大ヒット曲を何曲も出していた事に肖ったものでしょう。

 終了主題歌は無かったのですが、資料によっては、これらの曲をそれとして扱っている場合も有り得ます。

 

 今月の歌として歌われのは、

  1. ポロロンワルツ
  2. 花が好き 夢が好き
  3. 私の心はとても小さい
  4. ジグザグな屋根の下で
  5. はなの上のニキビくん
  6. こんな顔して

 といった曲でした。

 1は新主題歌のB面に収録された歌で、2と3はシングルA面曲。特に3は、切々と女心を歌い上げる歌で、子供向け番組の最後に流れたのは少々違和感あるものです。

 5は3のB面に収録されていますが、4と6はレコード化されなかったようです。

 以上、全てのレコードは、九重が所属していた東芝レコードから発売されました。