無駄じゃ無駄じゃ(?)

すべては無駄なんじゃよ

漫画投句「涼宮ハルヒの憂鬱 就中 エンドレスエイト」

Gさん(仮名)「今回は昭和派のあなたにしては珍しい選択ですね」

ごいんきょ「わしだって、たまには平成のテレビまんがだって見るよ。まあ本当にごく稀にだが」

 

G「他はエヴァンゲリオンくらいですか?」

ご「君の名はも見るかもしれんな。まあ、そんなもんだ」

 

G「これは、なんで見たんです?」

ご「Amazonプライムに有ったからな。それより前に、たまたま解説を読んだ事が有って、ちょっと見てみようかなという気になってたのよ。で、プライムに有ったんで見たわけだけど」

 

G「どうでした?」

ご「ヲタク向けバリバリの動画で、これだけ面白いものは初めて見たな。大体、ヲタク向けの動画って碌でもないのばかりで、それで散々やになって見るのをやめたんだから」

 

G「あなた向けというか、非情に理屈っぽいですよね(笑)」

ご「その理屈は頗る良いんだけど、作劇としては、やはり稚拙さを感じる部分は有ったよ。なんで一介の、ごく普通の高校生であるキョンが何にも動じないんだとか。刃物で命狙われたらもっとビビるでしょ(苦笑)」

 

G「まあねえ。あの辺は確かに、作劇の稚拙さというか有りますけどね。でも、全体的には面白かったと」

ご「そうだな。テンポは良いし、世界観もわし好みだし。なんと言っても、BD命のわしだからな」

 

G「BDとは、”うる星やつらビューティフルドリーマー”ですね。本当にBDの影響が非常に色濃い作品です」

ご「平成のファンは、どの程度までそれを認識できてるのかな。ハルヒがその世界の造物主みたいなものって部分からして、完全にBDの影響だがな」

 

G「そういう思索というのは、様々な分野で色々な人たちがしてきてるんでしょうけど」

ご「藤子F氏とかな。でも、キョンがみくると仲良くしたのをハルヒ潜在的に気に入らなくて、世界が荒れてしまうなんてとこは、完全にBDの影響下」

 

G「ああ、なるほど。しのぶが消されてしまった場面ですか」

ご「しかし、なんと言ってもエンドレスエイトだろう。あれはもう、完全にBDを下敷きにして、更に実験的要素を強めたものだな」

 

G「実験的というか、あれ、本当にテレビで毎週放送していたらしいですよ(笑)」

ご「それがとても信じられんわ。昭和時代だったら、絶対に局プロが許さないからね、そんなの。今は過分にヲタク信仰が強いというか、ヲタクの事はヲタクに任すみたいになってんのかな。儲かればいいよみたいな」

 

G「BDの元になった”みじめ愛とさすらいの母”なんて、落合プロデューサーは断じて認めてなかったですもんね。それで押井守が外れるという」

ご「もう、あの頃には押井自身も外れたいってのが有ったんだろ。それで、最後っ屁にBDをかましてトンズラしちゃうわけだけど(笑)」

 

G「で、どうでした、エンドレスエイトは?」

ご「いやー、最低だね(笑)。あんなものは絶対に認めてはいけない。どんなに認めても、同じ繰り返しは3回までだろ。それでもう、見ている方はウンザリするから。それで充分だったと思うよ」

 

G「題名がエンドレスエイトだから8話にしたんでしょうけどねえ」

ご「なんと言うか、テレビアニメをあそこまで冒涜していいのかなって感じがするが、わしはもう、そういうものと全く関係の無い生活をしているから、あくまでも客観的な第三者の意見としてだな」

 

G「Amazonのレビューとか見ると、現役の人々も認めていない人が圧倒的に多い感じですね」

ご「そこら辺、少し心配してたんだが、ヲタク世界と言えどもまだ健全な感性が支配しているようで、そこは安心できたな。あれは認めてはいかんよ。テレビ放送に関わっている人々、提供会社、代理店、何よりも視聴者を愚弄している。実験的精神は絶対に必要だが、それは鬩ぎ合いの結果として獲得しなければならない」

 

G「なんで、ああなっちゃったんですかねえ」

ご「わしはよく知らないんだけど、驕りなんじゃないの。制作の京都アニメーションって、大当たりを連発してたんだろ。だから本人たちも驕ったし、周りもそれを認めてしまったんだろう。

  ま、なんだかんだ言ってそれなりには捌けたんだろうから、そりゃ舐められるわな、ヲタクも(笑)」

 

G「きっと、BDに感化された作り手たちが、あれをもっと先鋭化させたかったんでしょうねえ」

ご「BDに感化されてしまうのはわかるんだよ(笑)。わしだって、いまだにああいう世界を作りたいと思うもの。しかし難しい。

  ハルヒの原作がどんなものかは知らんが、エンドレスエイトの過剰な繰り返し放送を除けば、非常に上手くああいう世界を作り上げていて、才能が有る奴はやはり違うんだなとは思ったよ」

 

G「画面構成とか、音楽とかでも、BDを彷彿とさせるものが多かったですね」

ご「そうそう。エンドレスエイトの最終週に流れていたBGM、BDのメインテーマとかなり近いのに気がついた人はどのくらいいたのかね。

  とにかく、ハルヒの世界をもっと深く楽しもうと思ったら、その根本に位置するBDは見ておいた方が良い事は間違い無いな」