国産本格エールを楽しもう
なんだか怪しい天気は続いているが、一応は梅雨も明けたという事で、左党にはビールが恋しい季節となった。
ところで、日本で飲まれているビールの99%はラガーだという事だが、本格エールを非常に熱い姿勢で作っている所が有る。
よなよなの里という所だ。
まず最初のお勧めは、と言ってもワタクシもまだこれしか頼んだことがないのだが、お試しセットである。
4本で1000円ちょいと、大手の大量産品とは違う本格ビールとしては、かなりの格安値と言って良いだろう。
例えば「水曜日のネコ」なんてのにはオレンジピールが入っていたりするが、麦芽使用率99%以上と謳っている。(税法上は発泡酒)
こいつはたしかにフルーティーな感じを出そうとしているのだろうが、ワタクシなんぞは小細工が嫌いな質だから、こういうのはあまり好みではない。
とは言え、大手メーカーの発泡酒とは根本的に次元が違うので、そこは絶対に勘違いなさらぬよう。あくまで個人的嗜好の問題で、出来映えはとても素晴らしいものである。
「東京ブラック」というのは黒ビールだ。
かなり本格的な味わいにも関わらず、スッキリして非常に飲み易い。黒ビールの入門酒として打って付けだと思う。
これは黒ビールがどちらかと言えば好みではないワタクシでも、安心して頂ける。
残り2本は「よなよなエール」と「インドの青鬼」。
特に青鬼の方がアルコール7%というので楽しみなのだが、どちらもエールという事で、飲み頃温度が13度とやや高めなのだ。
これは、ラガービールでの常識からは考えられない温さである。
13度なんてどうやって調節すればいいんだよ、という人のために、きちんとこんなページまで作ってある。
【楽天市場】お楽しみページ > 役に立つエールビールの話 > 「よなよなエール」を13℃にする方法:よなよなの里 エールビール醸造所
という事で、水道水に10分浸けてから「よなよなエール」を飲んでみた。
チューリップグラスに注ぎ、鼻を近づけると、なんともフルーティーな香り。
これにもオレンジピールを入れてるのか、と思い原材料を見ると、麦芽とホップしか書いていない。
これが「よなよなエール」の香りなのだ。
飲んでみる。
温いだけに内臓に優しい感じで、こういうのもいいかなと思う。
たしかに、ややぬるめの温度にすることによって、味に微細な表情が付いている。
なんとも複雑な、酵母という生き物の恩恵を感じる味わい。
これは素晴らしく奥が深い。ワタクシには「美味い」なんて単純な言葉では表せない世界だ。
味にも微妙に果実的な部分が有る。
勿論、ビールのような味わいも感じる事は出来るが、これはクーッと呷るラガーとはまったく違う物だ。
丹念に、味わいを楽しみたくなる複雑な表情。
こんなビールが有ったのか。ビールの常識を覆された思いだ。
正直、夏場にはラガーでクーッとやる方が合っていると思う。
だが、カンカンに暑い時ではない時でも、一年中味わいを楽しめるという点では、エールというのも捨て難い魅力が有る。
こんな画期的な製品を作っている「よなよなの里」とは、
ビールに味を! 人生に幸せを!
というのをスローガンに掲げている、エールビール一筋の醸造所だという。
件のお試しセットには小冊子も同梱されており、それには、ここで書いたような蘊蓄や味わい方などが豊富に紹介されている。
そこに出ているスタッフの写真。いくら広報用とは言え、なんと楽しそうな表情なのだろう。
本当にビールが好きな人々が作っている本格ビール、ビール好きなら絶対にお試しの価値ありである。
インドの青鬼については、こちらに書いた。