無駄じゃ無駄じゃ(?)

すべては無駄なんじゃよ

昭和唱和ショー「日本初のリモコン付きテレビ」

Gさん(仮名)「今回は初のリモコン付きテレビですか。これ、知ってますよ。サンヨーズバコンですよね。

  あれって昭和50年頃ですよねえ。ここの記事にしては内容が新しくありませんか(笑)」

ごいんきょ「ズバコンは衝撃的だったもんなあ、テレビCMが。♪ サンヨー ズバーコンっ ていうジングルもいまだに歌えるよ。

  ただ、あれは久々のリモコン式テレビではあったが、実はもっと以前に製品化されていたんだ」

 

G「ああ。ズバコンは超音波式のワイヤレスが売りでしたけど、その少し前に線が繋がれたワイヤードリモコンは有りましたね」

ご「いやいや。勿論ワイヤレスで。しかも光線式」

 

G「へ? そんな話、聞いたこと無いですよ。今ウイキペディアとか調べてみましたけど、確かにアメリカでは有ったらしいですが、日本では、やはり70年代始めのサンヨーズバコンだと書いてあります」

リモコン - Wikipedia

ご「ふふふ。何を隠そう、あの日本放送協会、NHKですら把握できていないらしいんだな」

テレビは進化する —日本放送技術発達小史

 

G「ワイヤードのものが1960年で、ワイヤレスはやはり72年以降ってなってますねえ。これ、違ってるんですか、NHKが?」

ご「多分、間違ってると思うんだよな。確かにズバコンはテレビCMでよく知られたし、久々のワイヤレスリモコンだったから、初めて見た人が多かっただろうしね。

  だが、実は昭和34年に、あのビクターが既に光線式のワイヤレスリモコンテレビを発売しているんだ」

 

G「へ? 昭和34年というと、ワイヤードリモコン式が発売されたという昭和35年より前じゃないですか。そんな話は初耳です」

ご「NHKが書いていないくらいだから、ま、新再発見なんだろうな。論より証拠、これを見たまえ」

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G「あらー、本当だ。しかもピストル型のリモコンっていいですねえ(笑)」

ご「ちゃんとズバコン同様に、ガチャガチャ式のチャンネルが回ったようだな、丸く矢印が入っているし」

 

G「う~ん… 新聞広告までされているのに、なんで今までまったく評価されなかったんでしょう」

ご「やはり、当時はまだテレビを持っている家庭そのものがそんなに多くなかったから、リモコンって言ってもどんなものか実感が無かったんだと思うよ。

  また、この当時の日本人ってよく言えば勤勉、悪く言えばクソ真面目。テレビのチャンネルくらい手で回せって批判も有ったと思う」

 

G「そう言えばウチの親なんか、食洗機すら否定的でしたからね。こんなものまで機械に洗わせるなんて物臭だねえって(笑)」

ご「そんな感じだったのよ。テレビリモコンも。だから開発者には忌まわしい記憶になっちゃったんじゃないの(笑)」

 

G「それで誰にも振り返られず、今まで誰からも評価されてなかったんですか。しかし、流石は高柳健次郎氏のビクター、ここでも技術は先んじていたんですね」

ご「ま、こんな徒花ブログで記事を書いても、真の再評価まではかなり時間がかかると思うがな(笑)」

 

 

*1:昭和34年4月10日付読売新聞