無駄じゃ無駄じゃ(?)

すべては無駄なんじゃよ

昭和唱和ショー「ダッコちゃん」

Gさん(仮名)「てな事で、今回は前回の続編みたいな感じでダッコちゃんなのですが」

ごいんきょ「昭和回顧物としては、ど真ん中のストレート、しかも急速130kmの打ち頃って感じで、あまり放りたくない球なんだがな(苦笑)」

 

G「これは、いつ頃ブームだったんですか?」

ご「始まったのは昭和35年だねえ。だが、わしの記憶では、昭和40年代前半までは普通に見かけたな。”タカラのダッコちゃん”と言えば誰でも知っている感じだったぞ」

 

G「ちょっと見、そんな可愛くもないのに、なんであんなに流行ったんでしょうね」

ご「フラフープもそうだったが、社会現象にまでなるブームというのは、確たる理由なんか無いんだな。元々は”ウインキー”って名前だったんだが、誰言うとなく”ダッコちゃん”となって、しまいには”ダッコちゃんマークのタカラ”と、商標やキャッチフレーズにまでなってしまった」

 

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G「あ、ウインキーって名前だったんですか。そう言えば、目のシールが角度によってウインクしているように見えるやつでしたね」

ご「両手が輪っかになっててしがみつけるって他に、そこも売りだったんだがな。”ダッコちゃん”って名前が全てを淘汰してしまった(笑)。

  銀座の小松ストアで最初に売り始めたんだが、そもそもは水商売の女性が、ボトルに抱きつかせたりしていたのが発端って話も有るんだ。昭和40年代くらいまで、そういう女性たちからブームが生まれたっていう事例が、実は結構あるんだよ」

 

G「昔は人や情報が集まる所って言えば、飲み屋だったですからねえ」

ご「ところで、ダッコちゃんと言えばタカラが有名になってしまったが、そちらは製造元で、ブームの当初に注目されていた会社は、実は販売元の方だったんだよ」

 

G「へえ。なんて会社です?」

ご「社長の名前は佃(つくだ)さんって言ったんだ」

 

G「え? まさか、オセロのツクダですか?」

ご「そうなんだよ」

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G「へーっ。ツクダヤっていうのがツクダの前身ですか。ダッコちゃんとオセロ、二つも日本中を虜にした玩具を生み出したなんて」

ご「オセロはリバーシのパクリって話も有るがな(笑)。 とにかく佃社長ってのは、いかにも昔の玩具屋さんで、”良い子を育てる良いおもちゃ”っていうのが売り文句だったんだ。上の挨拶でも、そういう言葉が出てくるだろ」

 

G「ずっと後年になって、黒人差別どうこうでケチがついてしまうなんてねえ…」

ご「そりゃ侮蔑的に誇張するのは咎められても仕方無いんだろうけど、愛嬌を持たせてみんなから愛される形での誇張も文句を付けるなんて、かなり歪んだ正義感だと、わしは思うがな」

 

G「アパホテルの人も、南京平和ちゃんとか作って置いとけば良かったですかね(笑)」

ご「それか、金髪の”花札くん”っていうパンチング人形を作れば売れるぞ、絶対(笑)」

 

 

*1:昭和35年7月16日付読売新聞

*2:昭和35年10月9日付読売新聞