無駄じゃ無駄じゃ(?)

すべては無駄なんじゃよ

朝日ソノラマはなぜ鉄腕アトム主題歌を独占できたのか(61)

ゼロテスター

 宇宙から来た機械化人類・アーマノイドと、男女3人の若者・ゼロテスターの戦いを描いたもので、サンライズ(創映社=当時)が初めて手掛けたSF作品として、66回放送という成功を収めました。

 この主題歌音盤は、久々のアニソン新規参入と言うべきワーナー・パイオニアが出しています。

 創映社第一作の『ハゼドン』はコロムビアでしたが、そちらは正直、人気の方は芳しくなかったらしく、それでコロムビアも新興会社にやる気が出なくなったのかもしれません。

 

 このワーナー・パイオニアは、名前の通り、アメリカのワーナーと日本のパイオニアが共同出資した会社ですが、その接着剤として渡辺プロが関わっています。と言いますか、当初ワーナーは、渡辺プロに協力を依頼したものでした。*1

 渡辺プロと言えば、当時、日本の芸能界に君臨する王国。その抱えるタレントの数、多彩さのため、レコード会社に対しては均衡政策を取っていました。

 必然、自分たちがレコード制作に関わるという事は御法度という不文律も有ったものを、ワーナー側からの働きかけに気持ちが動き、かねて付き合いの有ったパイオニアと共にという条件で出資となったものです。

 

 ワーナーとすれば当然、ナベプロ所属の強力タレントの援護を期待したのでしょうが、渡辺プロは良くも悪くも昔気質で、それまでの付き合いを一方的に反故にはしておらず、大物タレントの移籍という事はしませんでした(但し、最初はデビュー間も無い辺見マリを移籍させている)。渡辺プロが、このワーナー・パイオニアで執った姿勢は、新人を起用するという方針でした。

 そして、いきなり小柳ルミ子の「私の城下町」という大ホームランをかっ飛ばすのでした。更に続け様にアグネス・チャンがブームになるなど、渡辺プロの力に、既存レコード会社も畏怖した事でしょう。

 しかし、早くも昭和53年には、渡辺プロはワーナー・パイオニアから撤退する事となります。

 

 この『ゼロテスター』、及び後期の『ゼロテスター地球を守れ!』の主題歌は、新興ワーナー・パイオニアにアニソン向けの歌手がいなかったからでしょうが、それぞれレコード会社の縛りが無かったであろう子門真人杉並児童合唱団が担当しています。

 ここから暫く、テレビまんが音盤にワーナーも絡んでくる事になりますが、子供番組への関わりは、前年の『レインボーマン』が最初でしょう。どれも、コロムビアが出していた超縦長ジャケットのSCS500系と同型の縦長ジャケを採用し、やる気満々でした。

 なお、ソノラマもパピイシリーズを出しています。

 

 

新造人間キャシャーン

 自我を持ったロボットであるブライキング・ボスが人類征服のために繰り出すアンドロ軍団をせき止めるため、独り闘う新造人間・キャシャーンの姿を描いた、タツノコプロ制作のSFアクションでした。

 主題歌歌手として、往年のロカビリー歌手・ささきいさおが初めて子供向け主題歌に挑戦し、以後、アニソン帝王として活躍するに至ります。

 主題歌音盤は、コロムビアが超縦長のSCS500系として独占で出しました。

 

 

空手バカ一代

 梶原一騎週刊少年マガジンで連載していた漫画を原作としていますが、漫画の方では実在の大山倍達などが実名で出ているのに対し、テレビの主人公は「飛鳥拳(あすか・けん)」となっていました。

 内容も、テレビの方は漫画版よりも更に荒唐無稽度が高くなっています。

 

 開始主題歌は子門真人ですが、終了主題歌は山崎照朝という、大山倍達の高弟が歌っています。上段回し蹴りの達人として初期極真の大会で活躍し、漫画の方でも活躍していました。

 音盤は、ワーナーが独占しています。『ゼロテスター』と違い、東京ムービー制作なのになぜ新興のワーナーが独占できたのかと言えば、恐らく梶原一騎と渡辺プロの繋がりによるものでしょう。

 渡辺プロを代表するアイドル・天地真理の名は、梶原原作の『朝日の恋人』に出てくるヒロインの名前だったものです。

 

 

ドロロンえん魔くん

 永井豪による漫画で、閻魔大王の甥っ子であるえん魔くんが、ガールフレンドの雪女・雪子姫や河童のカパエルなどと妖怪退治するものです。

 少年サンデーに連載されていた漫画はギャグ漫画の範疇でしたが、テレビ版は往年の『鬼太郎』の位置に替わる、正統妖怪退治まんがでした。

 

 東映動画ですので、音盤はコロムビアが縦長SCS500系で出し、ソノラマがパピイシリーズで出すという、いつもの布陣でした。

 

 

 

*1:「抱えきれない夢」(渡辺音楽文化フォーラム)

広告を非表示にする