無駄じゃ無駄じゃ(?)

すべては無駄なんじゃよ

酒とバカラの日々「ブレンダーズスピリット (第二弾販売分)」

第78回 優駿牝馬

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 久々の実入り。やはり大きなレースになってくると陣営の本気度も違ってくるから、段々と拾い易くなってくる。

 いよいよ次はダービーか。ここらでそろそろ巻き返しに入りたいものだ。

 

 

ブラックニッカ ブレンダーズスピリット 

 以前、ブレンダーズスピリット(以下BS)再発売の記事を書いたら、いつの間にか喧嘩商売記事やdポイント記事を押しのけて、ここの最人気記事となってしまった。と言っても非常に低次元の争いだが。

 だからと言う訳でも無いのだが、第二弾のBSの評判で気になるものがチラホラ有り、ワタクシも少し気にはなっていたので、まだ発売第一弾の時の物が一本残ってはいるのだが、先に第二弾の方を味わってみる事にした。

 先ず、香りにアルコールが立っている。第一弾の時は、もっと筋の良い木の香りが先ず来た気がする。

 これでは当然味も落ちているだろうなと思ったら、案の定、ほんの心持ち荒くなっている。

 

 そして、これがBS最大の特徴だったと言って良いと思うのだが、後から来るドロッとした、豊穣な甘み、人によってはチョコレートと形容していたアレが無い。

 もう少し正確に言えば、かなり薄まっている。

 全体的に平板になってしまい、これに2500円出すなら、ワタクシならスーパーニッカを買うだろう。

 元々、第一弾の時は少し気合いを入れて作ったのが評価されたのだろうが、第二弾の時には貴重な古原酒をそんなに使えるものなのかという疑問は湧いた。

 

 勿論、美味いし、2500円の価値が無いとは絶対に言わない。良いウヰスキーを作る大変さは、幾許か理解しているつもりだ。

 ただ、第一弾の物は2500円ならややお買い得かという感じだったが、これだと値段なりだなという感じだ。

 この価格帯なら、ラベル5の12年物とか、ジョニーウォーカーのダブルブラックの方が美味いし滑らかだと、ワタクシは思う。

 ブラックニッカのスペシャルだって、それ程には遠くない。

 

 既にネット価格はプレミアになってきつつあるようだが、そんなワケで、ワタクシはそんな物に手を出すのはお止めなさいと警告する。

 まして第一弾の方は発売当時の倍くらいの値段になっているようだが、これはハッキリと断言できる。この酒に5000円を出すなら、シーバス・リーガル18年を飲むべきだと。 

シーバスリーガル 18年 750ml [並行輸入品]

シーバスリーガル 18年 750ml [並行輸入品]

 

 先ず、滑らかさ円やかさが雲泥に違う。煙さの問題は、BSも煙さはさほどでもないので同等。

 味は好みだからなんとも言えないが、どちらも甘めのウヰスキーなので、これもそれほど傾向は違わない。

 

 まだ普通の酒売り場にもけっこう残っており、そういう所で見つけて買う分には、ニッカファンやこの酒が好きな人は構わないだろう。

 しかし、転売屋さんをあまり蔓延らせるのは健全な市場育成を阻むし、そういう観点からも、ワタクシはそんな馬鹿な値付けで買う必要は無いと忠告したい。

 ま、そんな事を言っているワタクシだって、限定品を買い逃した悔しさはわかるけれどね。

 少しくらい高くても一度は飲んでおきたいというのは、因果な欲求ですなあ。

 

挿しす世相史「村山実(阪神)が対読売戦で無安打有得点試合を達成」

 昭和34年5月21日(木)、プロ野球阪神タイガース村山実投手が、読売ジャイアンツを相手に、無安打有得点試合という珍しい記録を達成しました。

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 日本プロ野球では、この時まで無安打無得点試合達成者は36回(うち5回は完全試合)記録されていましたが、無安打有得点のまま完投した投手は、昭和14年の亀田忠(イーグルス=現在の楽天とは別球団)以来の2人目となるものでした。

 しかも、セ・リーグ初となる毎回奪三振も同時に達成しており、会心の投球内容だったと言えるでしょう。

 読売ジャイアンツが無安打に抑えられたのは、2リーグ分裂後では初めての屈辱でもありました。

 

 大リーグでは、無失点・有失点を問わず”ノーヒット・ゲーム”として同格に扱われますが、日本では無安打無得点試合(ノーヒットでの完封試合)を”ノーヒットノーラン”として記録として称える習慣となっており、この例の様に無安打完投でも、失点が有ると現在の所は記録には並びません。

 村山投手は時代を代表する阪神のエースでしたが、とうとうノーヒットノーランを記録する事は叶わず、この例は非常に惜しいものとなっています。

 このような試合を、『プロ野球記録大鑑』という大著を仕上げた元記録員の宇佐美徹也は、”ノーヒットノーラン”に対して”ノーヒットありラン”(ランは得点の意)と呼称しました。

 

 なお同日、金田正一投手(国鉄)が、史上初の2500奪三振を達成しています。(下側写真)

 金田投手が塗り替えるまでの通算奪三振数は、スタルヒンによる1960個でした。その後、金田投手は3000はおろか4000奪三振をも越え、最終的に4490個もの三振の山を築き上げています。4000奪三振は、当時は大リーグでも記録した投手のいない世界記録でした。

 大リーグではその後、ノーラン・ライアンら3人が金田を超え、ライアンは5000奪三振をも記録する事となりますが、金田の記録は、依然として近づく者も居ない日本記録であり続けています。

 

 

*1:昭和34年5月22日付読売新聞

恥痴呆談「加計学園問題 ほか」

加計学園

Gさん(仮名)「今週は扱いたい報道が非常に多いんですが。先ずは加計学園の問題が急展開しましたね」

ごいんきょ「それについては今日、Yahoo!ニュースにこんな投稿が有った。森友の時からわしが言いたい事が、大体入っているな」

 

G「あれ? そうですかね(苦笑)」

ご「つまり、総理大臣の意向が政策に反映される事は当然という事。

  森友の話で言えば、日本本来の立場を意識した教育機関も一つくらい必要だという確固たる意思が有って、それに沿う学校を優遇するくらいは当然だろうという事よ。あとは、ただ安倍を引き摺り下ろせばいいんだという人間の扇動には乗るなという事だ」

 

G「なるほど。確かにそういうような事はあなたも言ってました。

  でも、総理とは言え一政治家の選んだ私学が、タダ同然で土地を取得できるというのは庶民感情に合わないのでは」

ご「こうやって表沙汰になってしまえばな。でも、政治なんてそんなものじゃないか。安倍は長州の末裔だから、特にそういう意識が有るのかもしれないが。

  例えば新幹線。あれの停車駅には有力政治家の意向が強く働いたはずだなんてのは、まともな大人なら誰でも想像できたろう。佐藤栄作内閣の時に山陽新幹線が作られ、田中角栄が派閥の力で最大の影響力を誇る中、上越新幹線が作られた。九州では田中派の大番頭だった二階堂進の意向が噂されていたし、リニアモーターカーでは最大派閥・竹下派の大番頭だった金丸信の地元を通す事に躍起になってたな。運輸官僚上がりの佐藤栄作の佐藤派→田中派竹下派と、見事なまでの運輸利権の継承よ(笑)。

  そうした”実力者”の様々な意向を忖度しながら役人や国鉄・JRが動いてきたってのは、盆暗でなければ誰でも想像がつくだろう。勿論、それらの影で金をボロ儲けしていた政治家の知り合いがウンザリするほどいる事も。そして、こんな事はほんの一例であって、ありとあらゆる所で金とコネと情実で物事が決められているのが人間社会というものなのだよ。わしは前から言ってるだろ。こんな些末で、しかも一応は学業が優遇される事より、いま現在の東京五輪の方がもっと食い物にされてるんだぞと(笑)。

  そういう事がおかしいと思うなら、人間の弱さを制度で囲い込んでいくしか無い。わしが言う実力政治家選挙制のように、政治家が情実から無縁でも立候補・当選できる仕組みを作らないとお話にならないじゃないか。

  ただ安倍晋三を引き摺り下ろせばなんて話は、これまで有った数々のとっ散らかった政変の繰り返しで、わしには馬鹿馬鹿しい話にしか映らない」

 

G「出て来た文書には、『総理のご意向』『官邸の最高レベルが言っていること』と有りますね。つまり、総理が直接に指示したと言うよりは、官邸の首相に非常に近い人物が言っていたという様に理解できます。これって、小林よしのりの指摘を受けてあなたも注目していた、首相秘書官の事なのでは……」

ご「決めつけはいかんよ。決めつけはね」

 

G「またそれですか(笑)。それってダチョウ倶楽部語で翻訳すると、『間違い無いからそう思え』って事ですよね(苦笑)」

ご「なんでワザワザそんなワケの解らない言語で解釈するんだよ(笑)。

  でも、あのオウム事件の時の小林には痺れたがな。あの時の小林の表現力は神がかっていた。最初は、坂本弁護士事件の犯人はオウムだという推理を匂わせてはいても、決して断言せずに『決めつけはいかんよ』と言っていたんだな。

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 しかし、自身がVXガスでの殺害計画の対象になっていたと知ると、即座に『決めつけていいよ! 坂本事件の犯人はオウムだ! 決めつけていいよ!』と、猛烈な迫力で断言したんだ。

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   わしは当時、魂の締め付けられる思いで読んだよ。猛烈に感動したし、嗚咽しながら滂沱たる涙が流れ落ちた。およそ漫画表現にあれだけ惚れ惚れした事は無いし、今後も絶対に無いだろう。今このコマを見ても生々しい感動が有るし、感動で涙が滲むよ。

  あの格好良さは今の世代にも絶対に広く紹介したかったので、以前、それを解説しようとしたんだがな。一寸つまらなくなったんで途中でやめたが(笑)。

  あの頃は小林も光り輝いていたなあ、目映いほどに。本当にネット上になんか来て欲しくなかった(苦笑)」

 

G「今回は他にもやりたい報道が多いですし、この問題は今後も暫く続くでしょうから、詳しくは次回以降に随時やっていきましょうか」

ご「決めつけはいかんよ、決めつけはね」

 

G「何回もやっても、ちっとも格好良くないですから(苦笑)」

 

 

共謀罪

G「さて、その小林さんも大反対していた共謀罪ですが、あなたは賛成なんでしたっけ?」

ご「こんなもんに賛成するわけないだろう(苦笑)」

 

G「ああ、そうなんですか。共謀罪に反対していた著名人を揶揄していたから、てっきり賛成なのかと思いました(笑)」

ご「そりゃ反対は反対なんだけど、一般的な反対派の物言いには反対なのね。反対の反対は賛成かもしれないけれど、反対派の反対は賛成派ではないからな」

 

G「バカボンのパパですか!(苦笑)

  どこが駄目なんですか、反対派の」

ご「だって、共謀罪によって監視社会になるとか言ってるじゃない。それって、お花畑過ぎるでしょ。既に監視社会なのに」

 

G「ああ、そういう話ですか」

ご「わしは小林よしのりとか、自分は既に盗聴されてるって考えてないのかなって、ちょっと疑問が有ったのね。そしたら先日のネット番組で、聞き手の人間がズバリ小林に聞いたのよ。盗聴されてると思いますかって。そうしたら『わからない』って答えたんだよな。

  あぁ、やっぱり……っていう落胆?(苦笑) その程度の認識なんだなって」

 

G「小林さんも既に盗聴対象なんですか?」

ご「いや、小林個人がどうこうの話ではなくて、既に世界的に盗聴も盗撮もされまくってるでしょ。衛星から赤外線だかなんだか使って、結構なとこまで透かして見えてる訳だろ。音声やメールにしても然りで、エシュロンなんてものが既に知られている存在として有る。

  で、そういう事を踏まえた上で、共謀罪だのをどう捉えるべきかという、そういう話を聞きたいのよ、わしは」

 

G「日本政府もそこまでやるんですかね」

ご「まあ無理だね。アメリカ様がそこまで許可するとは思えないし(笑)、どう足掻いても向こうに一日(いちじつ)以上の利が有るし。

  要するに、そういう事では日本は全てアメリカ様の掌の上なんだよ。その2点を踏まえて話さない共謀罪談義なんて時間の無駄だって、わしは思っているって事。

  小林にそう聞いた聞き手は、少なくともそういう認識は持っているようだが、それを論議の俎上に載せようとはしない。彼らにとっては、政権叩きの道具という、非常にちっぽけな次元の話なんだな。だから、わしは馬鹿馬鹿しいって言うんだ。

  わしは先に話した視点での問題提起を、ずっと以前にしているんだよ、実は」

 

G「例によって長くて、どの部分だかわからないんですが(苦笑)」

ご「最後の部分だな(苦笑)。わかりやすく言うと、もう思考だって読み取られる時代に入っているだろうという話だよ」

 

G「う~ん……本当なんですかねえ」

ご「だって、そういうテクノロジーがどんどん表になってきてるじゃない。もう隠せないんだよ。表に出てない最高軍事機密なんか、もっと進んでるはずだよ。遠隔で読み取れるはずだって話も有る」

 

G「もし思考まで読み取られる時代になったら、人間はどうなっていくんでしょうかね」

ご「そこまでの議論をわしは見たいんだがな。ま、そこまで行かずとも、少なくとも一般次元での盗聴や盗撮なんて、少なくともアメ公は絶対にやっているからね。そこを踏まえた上での議論でないと」

 

G「それは決めつけていいんですかね(笑)」

ご「決めつけていいよ! アメリカは世界中で盗撮盗聴をやりまくってる。 決めつけていいよ!」

 

G(過去に報道もされてきた事を格好付けて言われてもなあ…)

 

 

御譲位

G「御譲位に関してですが、政府が”特例法案”で提出したようです」

ご「ふざけた連中だな。御譲位の選択権を陛下に認めないとは」

 

G「なんでなんでしょうね?」

ご「ま、奴らが最も畏れているのは、天皇が意思表示として譲位する事だろうな」

 

G「意思表示として?」

ご「つまり、こんな内閣、政府なんてわしは認めん~っていう意思表示で退位される天皇が出て来ないとも限らないわけ。歴史的にも例は有るようだし。それが怖いんだろうな」

 

G「しかし、次の陛下もすぐにお年を召されますよねぇ。それはどう考えてるんでしょうか」

ご「次の陛下だけじゃないぞ。次の次とされた秋篠宮殿下だって、同じようにお年を召されていくんだぞ。また二十年後に”特例法”、その5年後に”特例法”ってやるんかい。”特例”の特売だな(笑)」

 

G「得得市みたいですね(笑)」

ご「何より、”特例”っていうのが非礼極まるだろ。なんだよ、その上から目線は。特に認めてあげますってか。無礼な奴らだ。そんな非礼無礼を天は見逃さんよ」

 

G「濫りに”天誅”なんて言葉を使わないで下さいよ、時節柄(苦笑)」

ご「じゃあなんて言えば良いんだよ、”天誅”の事を」

 

G「”天罰”でいいじゃないですか」

ご「“天誅”も”天罰”も同じ意味なんだから”天誅”って使ってもいんじゃないの? 駄目かねえ、”天誅”って言葉は」

 

G「時節柄、鬱陶しい事になっても困るからやめて下さいってお願いしてるんです(苦笑)」

ご「”天誅”って言うのをやめてくれって? そんなに危ない言葉かね、”天誅”って?」

 

G「しつこいですって!(苦笑)」

 

 

ランサムウェア

G「日本はそれ程でもなかったようですが、ランサムウェアというのが世界各地で猛威を振るっているみたいで、それがアメリカ情報機関の失態なんだという記事が有ります」

ご 「ほらな。アメ公は世界中の情報という情報を漁りまくっているのよ。決めつけていいよ!」

 

G「それはもう解りましたから(苦笑)。

  しかし、マイクロソフト側としては塞ぎたかった欠陥を、情報機関側が利用したいがために、わざとそのままにさせておいて、あげく、その情報を盗まれて悪用されているって事ですね」

ご「 マイクロソフトが声を挙げたのは、技術者の良心なのかもしれないな。アップルも、政府側が情報開示を要求しても頑として撥ね付けていたし、アメリカ人のそういう部分は美点だな。ま、今回の情報機関など、汚点も非常に多いが(笑)。

  ただ、日本だったら先のアップルのような企業は一つも無いだろうな」

 

G「エロサイトを見ていると、時々金銭を要求される画面が出てブラウザが制御不能になりますね(苦笑)。あれもランサムウェアって事になるんでしょうか」

ご「へぇ~、そうなの。それは初耳」

 

G(白々しいなあ……)

 

 

北朝鮮

G「また習近平さんの面目が潰されましたね(苦笑)」

ご「あれなあ。”祝砲”じゃないかって話も有るが(笑)、んなわけねぇ~(笑)。その前に北が正面から中国非難の声明も出したし、北はかなり中国を面白く思ってないね」

 

G「中国人は面子を重んじるとか言って尖閣問題の時には野田さんをあれだけ叱責したのに、随分と潰しまくってますよねえ、顔(笑)」

ご「日本人よりは、はるかに合理的な所が有るからな。面子に拘るようで、その実、しっかり力関係を量っている。日本人は強く出れば引っ込むと思われてるし、アメリカとか北にはそれは通じないと思っているんだろう」

 

G「これだけナメられてるんじゃ、とても中国に調整能力なんか有るわけ無いですよねえ。どうなっていくんでしょうか」

ご「今、アメリカが極端になだめすかしているよな。わしは、あれが却って不気味なんだ。そうやって退き際を一生懸命に与えておいて、それでも言う事を聞かなかったら、今度こそ本当に実力行使も有り得るかもしれん」

 

G「それって、近々の話ですか」

ご「いや、早くても来年だろ。習近平の内政固めの問題が有るから、とにかく今年は我慢してくれって、中国側が多分アメリカ側に言っていると思う」

 

G「11月の共産党全国代表大会ですね。5年に一度という、中国で最も重要な集まりですか」

 ご「ああ。それが過ぎて無事に習近平が”核心”としての立場を維持できたら、北にも何か見せしめを考えるかもしれないね」

 

G「来年は波乱の年になるかもしれないって事ですか…」

ご「それが大禍無く過ぎたとしても、その次の年は、もうオリンピックの準備だ。暫く日本は安穏とは出来ないな」

 

G「くわばらくわばら」

ご「古い表現だな。君は幾つなんだよ(苦笑)」

 

 

朝日ソノラマはなぜ鉄腕アトム主題歌を独占できたのか(66)

破裏拳ポリマー

 ”破裏拳”とはハリケーンを語源とした言葉で、当時一世風靡していたカンフーアクションを取り入れた、軽い感じの変身探偵アクションでした。

 竜の子プロの制作ですが、”ウリクペン救助隊”から音盤のコロムビア独占が切れたようで、朝日ソノラマもパンチシートで発売しています。

 

 

ジムボタン

 ミハエル・エンデによる児童文学を元にした作品で、ドリンガーという魔神と戦うボタン少年の活躍を描いたものでした。

 移動には特製の蒸気機関車が使われ、この頃の姿を消す事が確実となっていたSLブームに乗った作品の一つとも言えます。

 エイケンの制作ですが、コロムビアが主題歌音盤を担当し、LPも制作されました。ソノラマのパンチシートも発売されています。

 

 

はじめ人間ギャートルズ

 園山俊二が描いていた漫画を元にテレビまんが化された、原始時代が舞台のギャグ調ホームドラマでした。

 特異な様々の原始時代描写が滑稽だったため、手堅い人気を誇り、1年半という長期放送となっています。

 制作の東京ムービーの作品は、東映コロムビアに委ねていたのとは対照的に、作品によって色々なレコード会社が担当しており、この番組では、テレビまんが音盤とは非常に縁が希薄だったCBSソニーがシングルを発売しています。

 

 CBSソニーは『ムーミン(初代)』でもそうでしたが、独占で出すのを旨としていたようで、この番組も独占だったようです。

 しかし、東京ムービー次作の『ガンバの冒険』でも主題歌シングルを担当したのはCBSソニーでしたが、そちらでは朝日ソノラマがパンチシートの発売に漕ぎ着けました。

 

 

てんとう虫の歌

 川崎のぼる小学館学習雑誌に連載していた漫画のテレビ化で、一週間の曜日の字を名前に持つ小六から未就学児までの7人の兄弟姉妹が、両親を亡くしてからも大金持ちの祖父の庇護の下で、力を合わせて暮らすという物語です。

 末娘で未就学の日曜子(ひよこ)が、同じ川崎のぼるの『いなかっぺ大将』の大ちゃん女の子版といった活躍ぶりで、よくおもらししてはお尻丸出しの姿になって滑稽さを受け持っていました。

 竜の子プロ制作ですので音盤はコロムビアが受け持ち、LP盤も出されました。しかし完全独占はやはり崩れていて、朝日ソノラマがパンチシートを出しています。

 ひよ子の事が歌われた後期終了主題歌は、コロムビアからのみ音盤化されました。

 

 

カリメロ

 元々はイタリアの洗剤CMから生まれた、頭に卵の殻を被ったヒヨコです。間違えて黒くなってしまったけど、その洗剤を使えば元のヒヨコになるというCMでした。

 それが黒い姿の方がウケたようで、世界各国で持て囃され、日本ではK&Sという所が権利を獲得して、東映動画に作画させて放送していました。

 

 初期の脚本を山田太一が見ていたといい、初期終了主題歌の作詞も彼がしているようです。

 理由は不明ながら山田太一は降り、それに伴ってか終了主題歌も絵描き歌に変更されました。

 実質作画は東映動画とは言え、制作は新顔のK&Sという事で、音盤も、これまでテレビまんがとの関係が浅かったポリドールが関わってきました。初期開始主題歌と終了主題歌を組み合わせた盤と、後期終了主題歌にもう一曲を組み合わせた物の2枚を出しています。

 更に、朝日ソノラマがパンチシートを出しているのに加え、何故かビクターがカバー盤で4曲収録の物を出しています。

 

 

宇宙戦艦ヤマト

 昭和40年代の終わりに、テレビまんがの歴史を根底から変える大作が登場してきました。但し、放送当時はまったく注目されずに終わりましたが。

 異星国家ガミラスの攻撃により死滅寸前となった地球に、イスカンダル星から放射能除去装置を取りに来なさいという救いの手が延べられ、戦艦ヤマトを改造した宇宙戦艦に乗り込んだ者たちが、ガミラスと戦いながらの一年以内での往復宇宙航海に旅立つという、それまでのテレビまんがには無い壮大な作りとなっていました。

 放送当時には注目されずに終わったものの、再放送を繰り返すうちに注目されるようになり、それを見て取ったプロデューサーの西崎義展による映画化が爆発的な反響を受けて、今日まで続く日本でのアニメ文化が形成されていく事となります。

 

 然し乍ら放送当時は注目度も低かったため、音盤もコロムビアのレコードと、朝日ソノラマのパンチシートが、それぞれ一種類作られただけでした。

 映画化、そして、その大反響後は次々と続編が制作され、音盤も無数と言って良いほどに関連音盤が制作され続けました。

 ”アニメブーム”と呼ばれた動きを生み出し、その渦の目となっていた『ヤマト』は、音盤のみならず書籍など関連物品が出せば出すだけ売れるといった風情で、世に大量の”アニメマニア”を出す端緒となりました。

 

 

最後に

 一年以上に渡りテレビまんがの主題歌音盤を回顧してきましたが、この『ヤマト』の登場をもって一区切りとしたいと思います。

 もし全回を読破した方がいらっしゃいましたら、拙い文章でお疲れ様でしたと労いたいものです。

 なお、次回からは実写の子供向け番組音盤を振り返る企画へと模様替えし、それに伴い、記事題も変更しようと思います。

 

 記事題にした、「朝日ソノラマはなぜ鉄腕アトム主題歌を独占できたのか」という事につきましては、かなり以前に説明が済んでいますが、ここできちんと書いておきましょう。

 要するに、テレビまんがというものが『鉄腕アトム』によって産声を上げた当時、老舗レコード会社上層部のオエライ人々は、電気紙芝居の、ジャリ番組の歌など歯牙にも掛けていなかったという事です。

 最初の頃はアトム主題歌に歌が無かった事も、レコード会社の目を盲目にさせていたでしょう。

 手塚治虫は歌を広めたいと思っていたようですが、これが最初のテレビ番組制作となる虫プロは、レコード会社との密な繋がりも無かった訳です。 

 

 しかし、朝日ソノラマという、本来はテレビ主題歌音盤を出すような動きではなかった所の橋本一郎という人が、たまたまその存在に気付き、純粋に商売として目を付けたのです。

  もし、既存レコード会社が最初からテレビまんが音盤を商売として考えていたなら、それまでの子供向け実写番組がそうであったように、児童唱歌を基調に考えた大人しい歌が、かなりの間、幅を利かせていたと思われます。

 しかし、手塚治虫はそのような縛りとは無関係に主題歌を依頼し、決定し、子供向け主題歌に新たな流れを生みました。

 それに刺激を受けたに違いない『鉄人28号』『エイトマン』『狼少年ケン』といった作品群も、本格的なコーラスを入れたり、本格的なマーチにしたり、多彩な打楽器で異国情緒を演出したりと、従来の子供番組主題歌の常識に囚われない音楽が次々と使われていきました。

 

 気がつけば、全てのテレビ番組主題歌の中で、テレビまんが主題歌は最も音楽性が豊かな番種となっていたとワタクシは総括できると思っています。

 それは、テレビまんがというものが全く新しい表現手段だった事、更に日本人の音楽的素養が全体的に底上げされていた事とが時代的に相俟って築かれた、奇跡のような産物だったのではないでしょうか。

 テレビまんがという新たな表現を得て、手塚治虫朝日ソノラマ橋本一郎)、小林亜星といった新しい面々が、それまでの常識を打ち破る意欲に溢れていた事は、テレビまんがとその視聴者の子供たちにとって幸福であった事は、疑いの無い事です。

 

 

昭和唱和ショー「うたごえ喫茶」

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*1

Gさん(仮名)「うたごえ喫茶ですか。昭和30年代以降の生まれには縁が薄いものですね」

ごいんきょ「それより前の世代でも、実際に行って歌ってたって人は限られてくるだろうけどな」

 

G「これって、その名の通り、歌を歌う喫茶店ですね」

ご「うん。殆ど東京の文化なんだろうけど。要は、まだ娯楽も少なかったし、勿論カラオケも無かったからな。今で言えばカラオケハウスみたいな物だと考えると理解が早いだろう」

 

G「それだけ歌う事が好きな人が多いんですね。でも違いは、自分が好きな歌を歌えないですよね」

ご「ああ。そこが”連帯”の時代って言うかな。みんなと繋がるという事の方が大事だったんだな。それに何度も言っているが、当時は田舎から東京へと就職に来る中卒の子なんかが多かったから、人と繋がれる場というのはとても需要が有ったんだろう。

  そこにつけ込んだのが創価学会を始めとする新興宗教だった事は以前も言ったが、この”うたごえ喫茶”を盛り立てた”うたごえ運動”の方は、共産党が引っ張っていたんだ」

 

G「へ? うたごえ喫茶を盛り上げてたのは共産党員だったんですか?」

ご「事実上な。勿論、お客さんは素人さんもいたろうよ。と言うか、そういう素人さんと共産主義ソ連を如何に近づけるかというところから生まれた運動だろうから」

 

G「う~ん… 少し幻滅しましたねえ」

ご「ただ、”うたごえ運動”そのものが直接的に共産主義への”折伏”に利用されたというものでもなさそうだけどな。元々は”深夜喫茶”というのが若者にウケていて、それが風紀を乱すって問題になったんだけど、そちらが規制された後に“歌声喫茶”が出て来て、喫煙する高校生とかが屯したりと、やはり大人は警戒していたんだな」

 

G「その昔は喫茶店そのものが、まともな高校生とかは寄らない所でしたでしょうね」

ご「そんな所から少しずつ人気が出て来たのが昭和30年。

  で、背後に共産党の影が有るという事は最初から知られていて、だからアメリカ様のお先棒担ぎだった読売新聞は、何度か警告を発する記事を書いている」

 

G「正力松太郎氏はアメリカの代理人的存在のようでしたしね」

ご「昭和30年8月には、ダン道子、鍋山貞親、藤田たき、沖不可止と4人も並べて警戒の言葉を書かせてる。表向きには否定できない運動なものだから、あくまでも遠回しにって感じだけど、流石に鍋山貞親なんかはハッキリと共産党の名前を出して警戒させてるな(笑)」

 

G「だから、うたごえ喫茶から出て来た歌にロシア民謡が多かったんですね」

ご「ああ。でも、文化的に相手の国と親睦を図るという事は大いに結構な事なんで、そこが対処の難しかったとこなんだな(笑)。ま、そういうやり方を使った上手さとも言える。実際、労働歌とか闘争歌なんてのも歌われていたんだ」

 

G「ふーん。でも、やはり後々まで残るような歌は、そんな偏りの感じられないものばかりですね」

ご「読売はその後も、芥川也寸志が”うたごえ運動”に対する注文を書いたりしているけどな。

  で、12月20日に、うたごえ運動の指導者だった関鑑子が、ソ連からスターリン平和賞を贈られている」

 

G「へ? 孔子平和賞ではなくて?(笑)」

ご「あれはソ連の真似だったのかもな(笑)。

  ま、発端はどうあれ、日本人にコーラスが根付いていった事は芸術的には意義も有ったよ。

  昭和30年代後半になると、ダーク・ダックスの『みんなで歌おう』とか、うたごえ喫茶の雰囲気がテレビの中でも見られるようになっていった。今、会場と出演者の全員が声を合わせて歌い続けるなんて番組は有り得ないだろう」

 

G「うたごえ運動は、いつ頃まで続いたんでしょう」

ご「昭和40年代に入ると、急速に衰えたな。だから、正味10年か。

  尤も、『みんなで歌おう』という番組は根強い人気が有ったから、昭和40年代後半にも江利チエミとかが司会で復活しているけど。そして、木枯らし紋次郎が”あっしには関わりのねえこって”なんて言い出した世相になって、日本は個人主義の暴走時代の扉を開ける事になり、合唱が広く扱われるという機会は無くなっていくのさ」

 

G「その後のカラオケブームが有りますよ」

ご「カラオケは狭い部屋の中で特定の数人が歌うもので、”連帯”ではない。しかも、その中ですら勝手に一人で歌っていて、誰も聞いてないじゃないか(笑)」

 

G「確かに(苦笑)」

 

 

*1:昭和40年1月1日付読売新聞

ドテラマン 本放送時 開始・終了部

 ここ二回連続で、ビデオ整理の発見物を出してみたが、既にかなり前にアゲている動画も有る。今回は在庫整理の如く、それをご紹介してみよう。

 竜の子プロが活動の本拠をフジテレビから日本テレビに移してからの動画で、大人気にはならなかったが、そこそこ親しまれたかと思われる『ドテラマン』である。

 

  主題歌部は一寸聞くとわかりづらいかもしれないが、音声多重になっていて、片側ではカラオケが流されているのだ。

 これはなかなか画期的な事で、もっとこの形式が増えると良いなと思っていたのだが、少なくとも昭和時代には他には例が無いだろう。

 

 で、この番組は主題歌部のみならず、本編もずっと音声多重で放送されていた。

 思えば日本テレビという所は、初めて放送予備免許を取得した、初の民間テレビ局という自負が強烈に有る所で、カラー放送の実用化もNHKを陵駕する勢いだったし、昭和50年代前半に実用化されたステレオ・音声多重・二ヶ国語放送への対応も、非常に精力的だった。

 ルパン三世の第二シリーズでは、アニメ番組として初のステレオ放送を実現させている。

 

 そして、この『ドテラマン』では、アニメ番組初の音声多重放送を実現させている。

 ウィキペディアでは、文字多重放送の方を初としているが、ワタクシの記憶では、文字多重は火曜サザエさんの方が先にやっていたのではないか。

 だが、音声多重は、間違い無くこれが最初のアニメ番組のはずだ。

 

 どのように音声多重機能を使っていたかというと、この番組にはオンタオニゾウという主たる登場人物がいて、彼が普通の音声では常人に理解できない言葉を喋っているのだが、それが副音声だと、普通の日本語で放送されるというものだった。

 このオンタオニゾウは、出番が無い時は画面の状況を解説したりして、副音声ではほぼ喋りっぱなしだった。上の動画や下の動画に、少し入っているのでお分かり戴けよう。

 

 で、筆頭提供会社のサンクテールという所が、このオンタオニゾウの形をした音多チューナーを発売していて、そのCMが番組中で流されていた。

 音多チューナーとは何かと言えば、ステレオ・音声多重放送を受信できない古いテレビを見ている家庭のため、副音声を受信して流すという物だった。

 ただ、そんな物を欲しがった家が有ったか非常に疑問で、少なくともワタクシは所有家庭を見た記憶が無い。

 丁度この頃からハイファイビデオが普及し始めており、それが有れば音多チューナーをワザワザ買う必要も無くなっていた。

 て事で、見事にオンタオニゾウくんもサンクテールもコケたようである。

 

 そして、これが終了部。 

  後番組の『ナゾの海底探検』も少しだけ見た記憶が。『マチャアキ海をゆく』みたいな番組だなあ。

 しかし、同時に表示されている二光は名前を呼ばれているのに、なんでアキレスだけが「ご覧のスポンサー」なんだと。二光は少しだけ広告料を上乗せしてたんだろうけど。

 

今回の大市民挽歌(17/5/28号)

サンデー毎日 2017年 5/28 号 [雑誌]

サンデー毎日 2017年 5/28 号 [雑誌]

 

Gさん(仮名)「あらあら。とうとう大市民挽歌も毎回扱う事にしたんですか」

ごいんきょ「いや、まだ毎週欠かさず扱うって決めたわけではないがな。取り敢えず前回に引き続き今回も、”大市民”復活の空気が漂っていたからさ。

  これで、毎回決まって扱える内容になってくれたら最高なんだがね。なにしろ『喧嘩稼業』の方は、月一も怪しいって有様で(苦笑)」

 

G「今号のサンデー毎日は、本宮ひろ志を扱ってましたね。画業50年ですか」

ご「『大ぼら一代』が扱われてなかったなあ。あれも最初のうちは、なかなか面白かったんだが。ま、本宮の漫画は大抵、最初で飛ばして、急速に尻すぼみになるのだが(苦笑)」

 

G「そして『大市民挽歌』。なんだかジャンプ上がりの漫画家特集みたいな雑誌になりましたねえ。これで小林よしのりとか来たら完璧(笑)」

ご「最近の小林は毎日方面との親和性は高そうだから、有り得なくも無いがな(笑)」

 

G「で、今号の『挽歌』では、ついに山形がまたスポーツカーに乗る事に」

ご「”カニ目”な。柳沢きみお本人も貯金を一千万貯めるのが目標とか言っていたんだが、貯まったら貯まったで車が欲しくなったんじゃないのか(苦笑)」

 

G「どこまで実生活と被ってるんでしょうねえ」

ご「奥さんの事も気になるのよ。『挽歌』では山形が、もう一人がいいとか、そんなような台詞が度々出てくるし。まさか別れたのかねえ」

 

G「そもそも結婚してるかどうかも謎の人ですよね」

ご「エッセイの『なんだかなァ人生』では、少しだけ奥さんの話が出てくるので、少なくともその頃に妻帯していた事は確かなんだろうけど、いつ結婚してどうなったとかは、そのエッセイでも全く触れられてない。あの少年チャンピオンでの写りの悪い写真以来(笑)、本当に私的な事をほぼ完全に隠すようになったな。子供が居るのかもわからん」

 

G「作中の山形が或る程度、本人を反映させた姿だとしたら、何度か結婚離婚をしているのかもしれませんね」

ご「まあ、そう考えるのが自然かな。女にはモテたろうし。

  わしは車は殆ど興味が無いんで、車の話はそんなに楽しみではないんだが、山形がああいう趣味の良い車を乗り回している図は、見ていて格好良いとは思うね。

  ただ、作者本人は、もう流石にスポーツカーだの大きい車はやめてくれと思うけど、年齢的に」

 

G「あれは漫画なんでしょうけどね。

  そして、ソバの話も出ましたね」

ご「『大市民』と言ったら車と食、そして世の中の醜さを斬る、良き佇まいで生きるって視点、この三点だよ。食には酒も入るが。

  このとこ引っ越し後の整理、兼、断捨離のようなものをようやく始めて、色々と再発見が有って楽しいんだが、柳沢きみお集大成とも言うべき『自分史』という本を見つけてね」

 

G「有りましたね。ストーリー編とギャグ編に分けて2冊で」

ご「それに『大市民』の最初の頃のが載っていて面白かったんだが。佐竹さんは本当に最初の頃からいるんだな。山形は45歳だし」

 

G「わっけー(笑)」

ご「山形は当時、こんな事を言っているよ。

『私はね、世の中の不完全さに怒り続けて生きようと決めているんだ

 怒る人がいないと不完全なる社会はさらに乱れるからな』とな」

 

G「は~。それが『挽歌』では、もう世間に怒るのはやめたみたいに言い出しましたからねえ。つくづく老いてきたんでしょうか」

ご「いやいや。多分、初の新聞社系週刊誌連載って事で、ちょっと竦んでいるんだと思うよ。そんな山形には、単行本を一巻から読み直せと言いたいね(笑)」

 

G「ま、ようやく今の人生はオマケだという考えに至ったようですから、今後はまた展開も変わるかもしれませんが」

ご「オマケの人生ならば、もう取り繕う必要も無いわけだ。これからはより一層、思う事を小気味よい形で表現して貰いたいもんだ」

 

G「山形が啜る蕎麦が美味そうなんですよね~(苦笑)」

ご「わしも蕎麦は大好きなんだが、どんどん良い店が減っていってなあ。そしてラーメン屋はウンザリするくらい増えている。いい蕎麦を、もっと色んな店で食べたいよ。

  ま、多くの人が行けるチェーン店でも良い店は有る。”そじ坊”なんか、なかなか良い店だぞ」

そじ坊 店舗一覧|グルメ杵屋

信州の民家を思わせる店装で、生わさびをお客様御自身でおろしていただき、自家製麺のそばの味をしっかり味わえるそば専門店です。酒房タイプの店舗では信州の地酒や郷土料理をご用意しています。 

 

G「生わさびを客自身がおろすんですか?」

ご「ああ。わさびって、ドロドロしたものじゃないからな(笑)。本来は生姜のように、下ろし金で下ろすものだから。

  で、そじ坊では、わさびが茎の姿のまま添えられてくる。 それを客が自分で、好きな時に好きなだけ下ろして、その場で使うわけよ。下ろし立てのワサビの香りや味が堪らんぜ。余ったのは持ち帰って良いし」

 

G「へ~、それは面白そうだし、美味しそうですね」

ご「蕎麦が出来るまでは時間が掛かるが、それまでそば茶を啜って待っている。それも、麵を乾燥させたツマミみたいな突き出しまで出してくれる。そば茶も美味いぞ。

  全部の店舗ではないみたいだが、酒も飲める。蕎麦焼酎とかをキープできる店舗も有るぞ」

 

G「徹底的に蕎麦づくしですね(笑)。そこまで拘ってるのでは、不味いわけが無いですね」

ご「ああ。そもそもラーメン屋と違って、ワザワザ蕎麦屋をやろうなんて店は、そこからして期待できるのよ。チェーン店でありながら、あれだけの質を維持しているのだから大したものだ。気軽に蕎麦を味わいたい時には重宝する店だな」

 

G「こうやって毎回毎回、山形氏の話で広げられればいいんですがねえ(笑)」

ご「車の山形は甦った。前回の寿司と今回の蕎麦で、食の山形も甦ったと考えていいのではないか。後は怒りの山形だな。待ち焦がれているぞ(笑)」