無駄じゃ無駄じゃ(?)

すべては無駄なんじゃよ

挿しす世相史「造船疑獄が終結する」

 昭和29年7月30日(金)午前10時、時の佐藤検事総長の談話が発表され、年初来、日本政財界を揺るがせ続けていた所謂”造船疑獄”捜査の、事実上の終結となりました。

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  俗に”造船疑獄”と呼ばれていますが、この時に捜査・逮捕されたのは造船関係だけでなく、陸運の方にも及んでおり、”運輸疑獄”と呼ぶべき内容でした。

 途中、与党・自由党幹事長である佐藤栄作収賄容疑で逮捕されるかという局面まで行きますが、犬養法相による”指揮権”発動という、検察の捜査方針への政治による介入が有り、そこからの捜査は行き詰まりを見せており、この日の談話発表により、実質的な終結となりました。

 

 造船関係の逮捕71、陸運関係の逮捕34という、史上稀に見る疑獄事件でしたが、佐藤栄作という超大物には司直の手が掛からず、一般民衆の政治不信は募りました。

 そして佐藤は一貫して政治の中央を歩み続け、未だ破られぬ首相罪日数の記録まで打ち立てました。

 

 

 

*1:昭和29年7月30日付読売新聞夕刊