無駄じゃ無駄じゃ(?)

すべては無駄なんじゃよ

漫画投句「ワシズ -閻魔の闘牌-」

Gさん(仮名)「今回も無料漫画サイトで読んだやつですね」

ごいんきょ「うん。ここでも既に書いた『天』を読み終わった後、何を読もうか探していたら、これも有ったんで読んでみたんだけど…」

 

G「こういうスピンオフ作品って、難しいですよね。特に福本伸行作品の場合は、本人が描くわけではないんでしょうし」 

ご「この『ワシズ』なんか、モロに福本の引力からかけ離れてるぞ(笑)。これは完璧な独自作品。あの『アカギ』の鷲巣巌と同一人物とは思いたくない、思えない(苦笑)」

 

G「あ~… やはりそうなっちゃいますか(苦笑)」

ご「いや、面白くないという事ではないよ。面白い。

  面白いんだけど、『アカギ』の鷲巣ではないな(笑)」

 

G「どんな感じなんです?」

ご「設定そのものは、『アカギ』で説明されているままなんだけどさ(笑)。経営コンサルタント”共生”で巨額の財を成し、戦後日本政財界のフィクサーとして暗躍したという、それ自体は。 

   ところが、これがおよそ超人なのよ(苦笑)」

 

G「麻雀の強さが、ですか?」

ご「麻雀は、『アカギ』で描かれた七十割増しくらいでバカ強、豪運。

  でも、それだけなら納得できるけど、知力・体力まで超人なんだ」

 

G「ワシズ様は東大出の超頭脳の持ち主ですもんね」

ご「いやいや(苦笑)。東大出とかそういう次元じゃない(苦笑)。超人。人間業じゃない、知力・体力とも」

 

G「どんな具合なんです?」

ご「細かい事は読んでもらうしか無いけど、わしが一番面白かった話は、ツキを研究し、解明したという科学者との対決だったな」

 

G「ツキって、ツキが無いとかツイてるとかの」

ご「その”ツキ”という現象を、ワシズの命令で解明したという科学者が出てくるのよ。で、彼は、どっか密林の奥地で寄生虫を手に入れるわけ。その寄生虫に寄生されると、人間が超人になるんだな」

 

G「なんかブッ飛んだ設定ですね(苦笑)」

ご「で、超人になった人間は、物凄い知覚力で牌を読みまくる。さしものワシズ様も、最初はかなり苦戦するんだな」

 

G「へ~。麻雀漫画なのかオカルト漫画なのか(苦笑)」

ご「その科学者は、より寄生虫の威力を強めたくて、日本中から運が強いと噂される人間を呼び寄せて、中でただ一人生き残った強運の男も途中から加わってくる」

 

G「強運と言ったって、ワシズ様には及ばないんでしょ」

ご「多分な。ところがそれを悟ったその男は、自ら寄生虫を目に入れて、超人となるわけよ」

 

G「う~ん…(苦笑)」

ご「それだけの強運を持つ男が超人となる事によって、いよいよワシズ様の危機…」

 

G「でもないんでしょ。結局、ワシズ様の豪運はそんな連中もものともしないんでしょ(笑)」

ご「お、よくわかるな」

 

G「読まなくても想像つきますよ(笑)。

  それにしても、およそ麻雀漫画とは思えないですね」

ご「これは通り一遍の麻雀漫画ではないし、通り一遍の『アカギ』番外編でもない。”異端”なんだよ(笑)。

  他の話も、球団を買収して自らホームランを打ったり、海賊を相手にしたり、GHQが絡んだ監獄島に囚われて殺戮機械と戦ったり、ハチャメチャだ(笑)」

 

G「確かに、かなり”異端”ですね、麻雀漫画としては(苦笑)」

ご「そのホームランの時に片足を上げていたので荒川がそこから一本足打法を思いついたり(笑)、海賊との戦いではM資金の正体が実はW資金(ワシズ資金)とわかったり(笑)、とにかく戦後の混乱期という設定を良くも悪くも適当に使いながら、自由奔放に物語を作っている。

  こんな超人・ワシズ様が、あんなハナタレ小僧のアカギに負けるなんて辻褄が合わない訳よ(笑)。だから、これはスピンオフ作品としても”異端”」

 

G「なんにしても、鷲津巌が既成の麻雀漫画の枠をはるかにはみ出して超人じみた活躍する物語という事ですね」 

ワシズ 天下創世闘牌録 1

ワシズ 天下創世闘牌録 1