無駄じゃ無駄じゃ(?)

すべては無駄なんじゃよ

挿しす世相史「日韓条約採決強行」(昭和40年)

 昭和40年11月6日(土)、自民党衆議院日韓特別委員会に於いて、意表を突く冒頭での一方的審議打ち切り動議により、日韓条約に関する案件を強行採決しました。

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 この、異様なまでの先ず採決ありきという姿勢は、日本の真の主権者であるアメリカの意向が働いている案件だったからでしょう。

 現実には、まだまだ日韓は正常な国交正常化交渉が出来る情勢ではなく、この時に無理矢理に話を進めてしまったが故の歪さが、現在にまで続いていると言って過言ではないでしょう。

 日韓国交正常化と強弁してから昨年で半世紀が経ったわけですが、その時にもまた、アメリカの意向も有って非常に不自然な融和交渉が行われたのは記憶に新しいところです。

 そして、慰安婦問題の「不可逆的解決」などという、とても有り得ない一足飛びな事案が唐突に宣言されたものの、実質的には効力を発揮しておらず、しかも、その時の韓国側政権が未曾有の低支持率に落ちるという事件が起きて、ほぼ間違い無く水泡と帰すことでしょう。

 

 片や日本の方は、折しもTPPに関して、農水大臣の失言・失態が続いたために空転していた衆院TPP特別委員会の開催を、異例な形で塩谷委員長が開会させ、そのまま異例な形で採決を行って可決させました。

 これも、五十年前の歴史から実像が浮き彫りになる事で、とにかくアメリカに諂わなければならない、主権無き形式国家であるが故の事です。

 現在の懸案となっているロシア(旧ソ連)との交渉もそうですが、特に外交政策に関して、事実上主権無き日本国が持てる独自性というものは、非常に限られていると言えましょう。

*1:昭和40年11月6日付読売新聞夕刊