挿しす世相史「ロジャー・マリスが大リーグ年間新記録の61号本塁打を達成」
昭和36年10月1日(日=現地)、ニューヨーク・ヤンキースの三番打者ロジャー・マリスが、大リーグ年間本塁打記録となる61本目の本塁打を打ちました。
それまでの記録は、かのベーブ・ルースが同じヤンキースで昭和2年に記録した60本ですが、この時の試合数は154試合であり、マリスは162試合で達成したものです。
球聖ベーブルースの記録が破られる事には、ただでさえ好感情を持たない人も多かったところへ、この試合数の差は議論を呼びました。
結果、時のコミッショナー裁定で、それぞれの試合数を明記する事で両者の記録を最高として記述する案が採用されたのでした。
その後、2000年の少し前あたりから大リーグでは薬物使用による筋肉増強を果たした選手が増え、本塁打記録も次々と、それまでの常識を覆す数で塗り替えられていきました。
マリスの時は試合数の問題だけでしたが、これらの件は後年に糾弾される事となり、数字上の記録は残っていても、現在では存在を事実上無視されるものとなっており、記録を塗り替えた選手たちの殿堂入りも現在のところは有り得ない形となっています。