挿しす世相史「日本、正式に国連加盟」
昭和31年12月18日(火)、午前10時55分より開幕した国連総会本会議に於いて、11時より51ヶ国共同提案された日本加盟決議案が、賛成77ヶ国、欠席2(ハンガリア、南アフリカ連邦)、反対・棄権無しの満場一致により可決されました。
昭和27年6月16日の加盟申請以来、四年半かかって、80番目の加盟国となったのでした。
これに先立つ10月19日に日ソ共同宣言への調印が行われ、12月12日より発効されたばかりでした。
日本の国連加盟を直接的に阻んでいたのは、大戦後の冷戦構造に於いてアメリカと対峙する一方の雄・ソビエト社会主義共和国連邦が、日本の加盟に拒否権を用いていたためであり、日本としてはソ連との国交樹立が避けられない政治課題となっておりました。
その懸案が取り除かれるや、わずか一週間での加盟実現となったわけです。
そうした、危急の案件であった日ソ共同宣言だったために、取り分け領土問題は先送りされてしまい、その余波が平成の今日までも日露両国の平和条約実現を阻み続けております。
折しも安倍晋三首相が、ソ連の後継国であるロシアのプーチン首相の来日を実現させ、なんとか平和条約を実現させようと動き出しました。
来年の安倍訪ロで、また友好関係を前進させて欲しいものです。
*1:昭和31年12月19日付読売新聞