昭和唱和ショー「衣紋掛け」
ワタクシの子供の頃、母親は「衣紋掛け(えもんかけ)取って」と普通に口にしていたものだ。
この言葉も、昨今の人間には通じなくなっているだろう。
「衣紋掛け」とは、このような物だ。
そう。「ハンガー」の事を、昭和50年代前半くらいまでは、「衣紋掛け」と呼ぶ人もそれなりにいたのである。
しかし、例えば新聞紙上では、既に昭和20年代からずっと、「衣紋掛け」という言葉より「ハンガー」の方が一般的に用いられている。
衣紋掛けというと、このような物もあるからかもしれない。
これは衣桁(いこう)という物で、より和風である。
これを衣紋(衣服のこと)掛けとも言っていたのが、西洋衣紋掛けであるハンガーの事もそう呼ぶようになったのだろう。
だが、「衣紋掛け」より言い易いからか、前述のようにわりと早くから「ハンガー」も日本語の中に溶け込み、我が母親も常に「衣紋掛け」と呼称していたわけでもなく、ハンガーと呼ぶ時も有った。
だが、今では絶対に「ハンガー」としか言ってないだろう。
ほぼ絶滅の懐か死語と言える。
懐か死語という言葉を少し前に思いついたので検索してみたら、案の定、とっくに多数に使われていた。
まだまだ研鑽が足りませぬな。