昭和唱和ショー「行水」
先週の「銭湯」に続けての話題です。
こんなクイズ、今では回答できる人もいないでしょう。
たらいにお湯が入っている時点で大体はわかるのですが、タオルと石鹸で決まってきます。ただ、まだ「洗濯」という答えも有り得ますね。
バケツまで考え合わせれば、もう確定です。「行水」となります。
昔の家には直径1mくらいのたらいは必ず有ったものです。ドリフのコントで上から落ちてきたようなやつですね。
主に洗濯機が登場する前後に、洗濯板を用いてそれで洗濯をしていました。その辺に関しましては、来週にでも扱いましょう。
たらいですが、行水という用途にも使われました。もう読めない人も増えているでしょうが、「ぎょうずい」と読みます。
たらいにお湯を張り、中に入って簡単に体を洗い流す行為です。
主に赤ちゃんに対してやっておりましたが、普通の子供、更に時には、大人もやっておりました。
前回書きましたように、風呂が備え付けられている家はまだまだ少なかったからです。
上図の右下の釜は、中に張るお湯を沸かすためのものですね。バケツは風呂桶代わりです。当時は風呂など無い家が多かったので、風呂桶が有る家も少なかったのです。
我が家でも八畳一間に住んでいた頃、夏場にたまにやっておりました。銭湯代の節約になったからでしょう。昭和40年代半ばですが、その頃には家の中で行水をする家は、もう一般的ではなかったのではないかと思います。
今日は行水で済ませようという事になると、大きなタライにお湯を張り、父親、子供という順でたらいに入って体を洗い流します。一番最後は母親でした。
八畳一間ではありましたが、一応、奥に2畳くらいの板の間の台所が有ったので、そこでやっておりました。
今では行水はおろか、大きなタライそのものを置いている家がほとんど無いのではないかと思われます。
*1:昭和25年7月9日付読売新聞