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無駄じゃ無駄じゃ(?)

すべては無駄なんじゃよ

朝日ソノラマはなぜ鉄腕アトム主題歌を独占できたのか(53)

芸能音楽 昭和テレビ特別寄稿 テレビ主題歌史

 昭和47年放送開始のテレビまんがを見ていきましょう。

 

樫の木モック

 『みなしごハッチ』の後番組で、泣かせ路線を引き継いだものの、世界名作の『ピノキオ』をそのままアニメ化したものでした。「樫の木」をきちんと漢字で書いているところが、今の幼児化したテレビでは考えられないものとなっています。

 主題歌は小野木久美子(現かおりくみこ)が歌いました。

 小野木も『ちびっこのどじまん』出身歌手で、フジテレビちびっこのどじまん・タツノコプロ日本コロムビアという繋がりは続きます。

 

 音盤はコロムビアのレコードのみで、この時期、朝日ソノラマすらタツノコ作品とは関われない事態が続きました。

 これはコロムビアが独占契約をしていたからと推測できますが、これは完全にワタクシの推測ではあるものの、フジテレビ関係者の意向も関わっていたのではないでしょうか。

 かつて『マグマ大使』の主題歌をちびっこのどじまんのチャンピオンに歌わせてくれと、朝日ソノラマ橋本一郎氏にフジテレビ側から要望が有ったらしいのですが*1、その要望を橋本氏は反故にしました。

 それでも『ちびっこのどじまん』関係者は他のツテを辿って、朝日ソノラマがあまり関係を深くしていなかった竜の子プロに目を付けたのではないかなと、ワタクシは踏んでいるのですが。

 そして、コロムビアが引き受けた『ちびっこのどじまん』出身歌手がタツノコ作品で主題歌を担当するようになったのではないか、というのが現時点でのワタクシの仮説です。

 

 かつてはソノラマにも音源を貸し出していたコロムビアですが、この頃から関係は悪化し、特にタツノコ関連は暫くコロムビアの完全独占となっています。

 それには、先のフジテレビ関係者によるソノラマへの怨念も有るかもしれないとも、ワタクシは推測しています。と言いますのは、フジテレビ&竜の子プロ以外の音源に関しては、この時期もコロムビア音源でソノシートが普通に出ているからです。

 また、コロムビアとソノラマの関係悪化の最大の要因としては、ソノラマがレコードも発売しだしたというのが最も大きかったでしょう。元ソノラマの村山実は、特に『レインボーマン』が契機で対立の度合いが深まったと回想しています。*2

 シートはレコードとは別物という見方で音源を貸していたレコード会社側としては、ルビコン川を越えてきたという思いだったに違いありません。ソノラマがレコードから撤退してパンチシートという中途半端な形にしたのは、この辺の事情も有るのでしょう。

 

 

ムーミン(第二期)

 『ムーミン』は非常に評判が良く、フジテレビ日曜19時半からのカルピス提供枠の価値を大いに上げました。

 それを受けて名作路線という事で作られた『アンデルセン物語』は、期待ほどには盛り上がらず、視聴者からの要望も強かったと思われる『ムーミン』の復活となりました。

 開始主題歌は第一期とまったく同じものでしたが、終了主題歌は、当初は第一期と同様に開始主題歌と同じものが使われたものの、途中からスノーク広川太一郎)が歌う「スノーク家のしつけ」、ミイ(堀絢子)が歌う「ちいさなミイ」、そして「ムーミンはきのう」と、都合4曲が使われています。

 

 前回の時は新興CBSソニーの専属だったと思われる藤田とし子の歌唱が、他の多くの盤に収録されずに大多数の子供たちがテレビの歌声を聞けないという事態となってしまいましたが、この時は藤田の専属も切れていたようで、コロムビアが無事にレコード化しています。

 藤田歌唱ではない他の3曲の終了主題歌は、開始主題歌との4曲組合せで東宝レコードが音盤化し、朝日ソノラマも同じく4曲でソノラマレコードとして発売しました。

 但し、ソノラマレコードの方の開始主題歌は、前作の時に作られた松島みのり歌唱版が収録されています。

 

 

*1:昭和テレビ探偵団

*2:1960年代 懐かしの漫画ソノシート大百科(レコード探偵団)

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