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無駄じゃ無駄じゃ(?)

すべては無駄なんじゃよ

朝日ソノラマはなぜ鉄腕アトム主題歌を独占できたのか(38)

芸能音楽 昭和テレビ特別寄稿 テレビ主題歌史
わんぱく探偵団

 この昭和43年になると、テレビまんがの先頭を走り続けていた手塚治虫虫プロも、その神話が揺らぎだしていました。

 経営もかなり追い詰められ、虫プロは苦渋の決断として、ついに手塚治虫作品ではないもののテレビ化に取り組む事となりました。

 『鉄腕アトム』以来、金銭的にも虫プロを後押しし続けてきたフジテレビ側から、同社系列のラジオ局・日本放送で一世を風靡し、フジテレビでも人気を呼んだ『少年探偵団』をやってみてはどうかと打診されたのを受けて制作されたのが、『わんぱく探偵団』でした。*1

 

 局側が主題歌についても、かつてのイメージでと要望したのを受けて、橋本一郎は、往年の名主題歌を作詞作曲した壇上文雄、白木治信の二人に依頼する事にしました。

 ところが出来上がってきた詞は橋本の目には今一つで、手直し後のものは更に期待から遠くなってしまい、仕方無く橋本は、旧作の詞を焼き直して使う事にし、曲の方に期待する事としたのです。

 ところが、こちらも期待に叶わず、結局は旧作の歌をそのまま使う事にして、編曲のみ山下毅雄の手に委ねました。

 あまりに安直に手を付けて砂を噛むような思いをしたと、橋本の著書には有ります。

 

 

巨人の星

 落ち着きも見えていたテレビ漫画の世界に、久々に風雲を巻き起こしたのが、「劇画」のテレビまんが化である『巨人の星』でした。

 制作は日本テレビ系の在阪局・読売テレビで、この当時は読売テレビは勿論、東京の日本テレビにも系列の音楽出版社が無かったためか、主題歌音盤は全社が出したいだけ出せるという状況になりました。

 しかし更に凄いのは、それら全ての盤が、及第以上の売り上げを記録したと思われる事です。更に、当時のテレビまんが音盤としては珍しい、LP盤まで制作されました。

 子供のみならず、大人まで巻き込んで日本中を猛烈に席巻したこの番組の主題歌は、当時の明治男にも馴染めるような寮歌調の主題歌も相まってか、大人でも歌えるような社会的ヒットとなりました。

 この大ヒットの直後、日本テレビ読売テレビも、音楽出版事業に手を伸ばす事となり、それが既存の事業者との軋轢も呼ぶ事となります。

 

 

アニマル1

 『アニマル1』は、『巨人の星』で時の人となった川崎のぼるが、原作者を付けずに少年サンデーで連載していた漫画で、『巨人の星』人気に目を付けたのか、虫プロ商事がテレビ化しました。

 虫プロ商事は虫プロの版権などを扱っていた会社のようですが、本家・虫プロのテレビまんがが行き詰まり気味なのに対し、お手本を見せるという意気込みで、この『アニマル1』や『バンパイヤ』の制作に乗り出したのでした。

 主題歌を歌ったのはキングレコード時代の朱里エイコで、従って、レコードの方はテレビ歌手が聞けるのはキング盤だけで、コロムビア東芝が出したレコードは、自社歌手によるカバー盤となっています。

 一方で、キングはシートの方には甘かったようで、朝日ソノラマは勿論、ビクターが出したシートまで、テレビ通りの朱里エイコの歌声が聞けました。

 

 

サイボーグ009

 『サイボーグ009』の映像化は、先ず昭和41年に映画化が行われ、その際に使われた主題歌が、テレビ版でもそのまま開始主題歌として使われました。

 テレビ化に際し、間の部分を少し削って短くして、更に新たに終了主題歌が作られています。

 音盤としては、映画の二作は朝日ソノラマが独占でシート化。その時が、初めて開始主題歌が音盤化された時となります。

 そしてテレビ化に際して、新たに終了主題歌を加えてソノラマがシート化。開始主題歌は映画版のまま収録されたため、声の配役がテレビ版と違っていました。

 レコードの方は、テイチクが独占したようです。

 

 

*1:鉄腕アトムの歌が聞こえる」橋本一郎少年画報社

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