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無駄じゃ無駄じゃ(?)

すべては無駄なんじゃよ

朝日ソノラマはなぜ鉄腕アトム主題歌を独占できたのか(37)

元ソノラマの橋本一郎氏に伺った話を2本記事にしました

 かねてから告知していました、元朝日ソノプレス(朝日ソノラマ)の橋本一郎氏に伺ったお話の記事が、ようやく2本あがりました。

 極力、ご著書に無い話を引き出す事に注力しましたので、まさしく秘話満載となっております。

 ザッと挙げてみても、かの「艶歌の竜」が『鉄腕アトム』の奪取に動いた話、黒柳徹子と『おそ松くん』の知られざる話、井上ひさし五木寛之とテレビまんが音盤、中村メイコの宇宙人ピピ、サトウハチローJASRAC小林亜星との出逢い、『マグマ大使』や『怪獣王子』の主題歌秘話等々等々……

 新たに一冊の本を起こせるのではないかというくらいの内容となっております。

 しかも、これでもまだ、伺った話の半分まで行ったかどうかという感じなのです。

 これだけの長時間、惜しげもなく貴重なお話を聞かせて下さった橋本一郎氏に、改めまして感謝の念を表します。

 今後もなるべく早めに追加記事を上げますので、興味のございます方はお気に留めていて下さい。

 

昭和43年放送開始のテレビまんが主題歌

 それでは、昭和43年放送開始のテレビまんがを見ていきましょう。

 

ゲゲゲの鬼太郎

 『ゲゲゲの鬼太郎』の主題歌は、かなりの大ヒットとなり、当時からワタクシの親でも歌えるくらいの認知度を誇っておりました。

 しかし、その主題歌は、元々は原作が載っていた少年マガジンが企画した、連載漫画のイメージ主題歌集をLPレコード化した時のものが、そのまま流用されたのです。

 シングル盤も出され、『鬼太郎』と一緒になったのは『ハリスの旋風』でしたが、『ハリス~』の方は後にテレビ化された際、違うテレビ独自の主題歌が作られました。(但し、歌っていた大山のぶ代は主役声優となる)

 

 その時の制作会社はキングレコードでしたので、当然、原盤はキングに有りました。

 ところがキングレコードは、少し前に書きましたように、長田暁二が意地になってテレビのキャラクターものは手掛けないとしていたためか、テレビ化され、主題歌もそのまま使われているというのに、新たに単独でレコード化するという機会を逸してしまったのです。

 これがソノラマに利して、ソノシートはバカ売れ。そのため次々と新曲が作られ、クリスマス物まで含めれば5集も出されるという事になりました。

 

 そのためでしょうか、テレビ放送でも開始主題歌は一貫していたものの、終了主題歌の方は「カランコロンの歌」「ないない音頭」「メキシコオリンピックマーチ」と変遷しました。

 終了主題歌が3曲も使われたのも、鬼太郎が最初でしょう。ただ、あくまで正規の終了主題歌は「カランコロンの歌」で、他の2曲は季節物という感じではありましたが。

 『オバQ音頭』の大当たり以後、主題歌を時に応じて替えて新たな音盤を出すという形が増えていきます。

 

 『鬼太郎』の原盤はキングですから、ソノラマは新たなシートを企画する毎にキングに原盤申請に出掛けたわけですが、「ソノラマさんは売れていていいですね。ウチはサッパリ」と冗談交じりにこぼされた話を、担当だった村山実が残しています。*1

 但し、これは開始主題歌の話で、「カランコロンの歌」や「ないない音頭」等はソノラマで制作したものでした。

 キングレコードは、鬼太郎テレビ化に伴い、先のシングル盤に「フジ・テレビ放映」という文言を付けるだけで、鬼太郎主題歌音盤を新たに作る事はしませんでしたので、そうした姿勢が大きく響いたのでしょう。

 

 放送開始から半年ほどして、終了主題歌が「ないない音頭」になった時に、キングレコードもようやく「ないない音頭」と「オリンピックマーチ」を組み合わせた新盤を出したのですが、時すでに遅しだったのでしょう。

 続けて、今更ながらの開始主題歌と「カランコロンの歌」を組み合わせた盤を出したので、キング盤に於いては、第二終了主題歌の「ないない音頭」より第一終了主題歌の「カランコロンの歌(テレビとは歌手違い)」の方が発売が遅いという状況となりました。

 それらは、もうソノラマが散々売り尽くした後の話となっていました。

 長田暁二がやる気を無くしてしまったキングレコードは、テレビまんが音盤という大鉱脈をみすみす埋もれさせ続ける事となってしまったのです。

*1:1960年代 懐かしの漫画ソノシート大百科(レコード探偵団)

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