無駄じゃ無駄じゃ(?)

すべては無駄なんじゃよ

朝日ソノラマはなぜ鉄腕アトム主題歌を独占できたのか(51)

国松さまのお通りだい

 ハリス学園を舞台に喧嘩とスポーツで大暴れする石田国松を描いた、ちばてつや原作の『ハリスの旋風』が、日本テレビでの再放送でも20%を超える視聴率という人気を獲得したため、元の放送局だったフジテレビがカラーで再制作を企画したものです。

 こちらも人気となりまして、20%を超える視聴率を獲得しました。

 『新オバQ』と違い、前作と放送局も同じだったためか、主な声の出演者は引き継がれました。但し、制作会社はピープロから虫プロへとなりました。

 

 音盤としましては、これもレコードのコロムビアとシートのソノラマという並びになっています。

 ただ、この頃からシートは発行枚数が本当に激減していたようで、風前の灯となっていました。この年いっぱいは出し続けるのですが、どれも現存すれば稀少というくらいに発売枚数が少なかったようです。

 長年、新興ソノラマに押さえつけられていた老舗コロムビアが、ついに地力で寄り切ったと言える頃合いでしょう。

 

 

アパッチ野球軍

 関西立身出世物ドラマで名を馳せた花登筐が、何故か漫画原作に乗り出したもので、しかも野球漫画という意外な組合せとなりました。

 これも元々は少年誌に原作の漫画が掲載されていたものですが、テレビ化されたのは、主人公の堂島が山村に教師として赴任してからのものです。

 そこには猿のように身軽なモンキーや、怪力の材木、ナイフ使いの名人・網走など個性的な人間がおり、都会のチームでは作れない、野性味あふれた力強いチームが期待されました。

 

 但し、野球の”や”の字も知らない山村の人間にチームプレイを仕込むのは、非常に至難の道のりと見えました。

 花登筐原作だからでしょうが、そういう訳でなかなか野球の話にならず、延々とチーム作りまでの確執が描かれ続けていました。

 しかし、そういう筋立てや登場人物たちの特異さなどから、一部に偏愛する人間もいるようです。

 

 音盤としましては、東映動画作品ですので、これもレコードのコロムビアとシートのソノラマという体制です。

 終了主題歌を新兵ちゃんこと、ピンポンパンの坂本新兵が歌っています。

 

 

スカイヤーズ5(カラー版)

 昭和42年にモノクロで制作された川崎のぼる原作の国際警察もので、その時も当時も、特に人気が有ったというわけではないと思いますが、何故か3年半経ってのカラーでの再制作となったものです。

 ハッキリ言いまして、TBSはテレビまんがの感性に於いては、かなりズレていたと言わざるを得ません。”ドラマのTBS”を標榜する身として、あまり漫画には熱心でなかったのでしょう。

 しかし、当時は系列局だった朝日放送が、その分まで頑張ってくれるのですが。

 

 音盤としましては、レコードがキングとビクターから、それにソノラマからシートが出ました。

 前作の時は見逃したようなソノラマですが、この時はシートが苦しいにも関わらず音盤化を実現しています。

 前回は音盤化に加わったクラウンや東芝などは、元々があまりテレビまんがに熱心な所ではありませんし、この時には参加していません。