無駄じゃ無駄じゃ(?)

すべては無駄なんじゃよ

挿しす世相史「日本初の原子力臨界実験成功」

 昭和32年8月27日(火)午前5時頃、茨城県東海村原子力研究所が臨界実験に成功し、実験用ウォーターボイラー型原子炉JRR-1が臨界に達しました。

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 この頃は原子力発電や放射能に関する負の情報は、一般にはまったく流されておらず、手塚治虫の『鉄腕アトム』などの影響も有って、原子力は未来の夢のエネルギーとしか、多くの人には思われていませんでした。

 一部に懸念する声が有っても、それは核開発への道程としての懸念に過ぎず、原子力発電そのものの危険性に関しては、アメリカのスリーマイル原発事故やソ連チェルノブイリ原発事故が起きるまでは、殆ど顧みられていなかったと考えて良いでしょう。

 

 原子力発電に関しては、日本をソ連や中国らの共産陣営に対する防共拠点としたいアメリカの対日政策転換が有り、日本にも核技術を持たせる事となって、前年1月に原子力委員会が設置されています。

 初代委員長にはアメリカとの繋がりを持つ、読売新聞社主で日本テレビ会長の正力松太郎衆議院議員が就任していました。

 

 この東海村第一号原子炉は、9月18日に完成式典が行われ、公式運転を開始しています。

 鍬入れから、わずか一年ほど後という急作業でした。

 

 

 

*1:昭和32年8月27日付読売新聞