無駄じゃ無駄じゃ(?)

すべては無駄なんじゃよ

博士噺「麻雀回顧:田村光昭」

第58回 アメリカジョッキークラブカップ 

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 8番なんてかすりもしてない。

 どうも年頭は駄目だなあ、いつもながら。 

 

 

麻雀回顧『田村光昭』

Gさん(仮名)「今回はタミーラですか。誰も知りませんよね、もう(苦笑)」

ごいんきょ「だなあ。古川凱章とかは、たまーに表舞台でも打っていたみたいだけど、田村は完全に表舞台から消えてしまったからなあ」

 

G「消えてから少しして、片山まさゆきが漫画の中でタミイラってのを出してましたね(笑)」

ご「そう(笑)、麻雀に勝った金でマンションを買った男だが、いつの間にか世間から消えてしまった伝説の雀士としてな。タミーラという田村の愛称からタミイラとして、本当に包帯でグルグル巻きの雀士として(笑)」

 

G「あれって、矢崎泰久のエッセイが元ですね」

ご「”あいつの麻雀”な。第一回の長谷川和彦がムチャクチャ面白かったんだけど、その後は普通になっちゃった。矢崎の文才よりも、ゴジの人間としての破壊力の賜物だったんだな(笑)」

 

G「田村光昭の回で、田村が麻雀で勝った金でマンションを買ったと陰口を言われているみたいな描写が有って」

ご「麻雀版マンション久保田だな(笑)。その先駆けだ。マンション田村だよ(笑)」

 

G「その片山の漫画からもかなりの年月が経ってますねえ」

ご「それがさ、何年か前に気付いていたんだけど、彼ツイッターやってんのよ」

 

G「え!? だって、結構な年でしょ、もう」

ご「彼も一応は慶大出だしな。パソコンいじるくらいは出来るだろ」

 

G「いま何やってんです?」

ご「マカオでバカラやってるって書いているけどなあ」

 

G「なんじゃ、こら……」

ご「あはは(笑)。生田村はなかなか衝撃的だろう(笑)」

 

G「近代麻雀当時も左翼闘士としての片鱗は見せてましたけどね。しかし、これは凄いな」

ご「無形文化遺産に登録したいくらいの昭和左翼だねえ(笑)。でも大人になってるなと思うのは、全部リツイートなんだな。自分の意見は一つも無い。無駄な消耗を避けるようになってるね」

 

G「だって、無料媒体ですもんねえ。『麻雀ブルース』でもなんでも、お金を貰う原稿だから書けたっていうのは有るでしょう」

ご「『麻雀ブルース』は、当時関係者から絶讃されてたな。畑正憲なんか熱烈なシンパで」

 

G「ムツさんはタミーラの何をあんなに買ってたんでしょうかね」

ご「わからんなあ。打ち筋に外連が無い所なんじゃないかな。あとは、一匹狼的なところもそうなのかな」

 

G「タミーラの打ち筋は、当時としては群を抜いての実利派でしたからね」

ご「小島武夫・阿佐田哲也とは対極にあって、でも、そのぶん実戦的だったから、麻雀新選組の兄貴分だった小島よりも実績は上になってしまってな」

 

G「第三期最高位戦では、その小島が田村最高位を軍門に下して、初の栄冠に輝くんですね」

ご「小島武夫は無邪気だから、大喜びするわけ。阿佐田哲也は、名人奪取に失敗続きだった時点で、そういう実戦面でのカリスマ性では小島を売り出せないと痛感していたと思うのね。

  だから無冠の帝王みたいな感じでやっていたのに、大喜びしたのが気に入らなかったみたいで、『今更…』って苦々しく呟いたらしいけど(苦笑)」

 

G「それで第四期も連覇しますね、小島さん」

ご「そうしたら、『連覇なら、まあめでたい。めでたいの上にまあが付く』って。ようやく少しだけ誉めたね。で、『三連覇なら、これは本当にめでたい』って言ってたんだけど、それは叶わなかった」

 

G「第五期の挑戦者には、そのタミーラが勝ち上がってきたんですね、ムツさんと一緒に」

ご「そう。それで田村が奪還するという、なかなか因縁の対決だったんだ、本来は」

 

G「それで、例の灘麻太郎・荒正義の問題で、とんでもない事になって」

ご「ムツさんは、むしろ運営者の不手際を責めていたし、わしも同様の感想を、当時も今も持っている。あれは、あの時点で状況を打ち手に確認させておいて、取り敢えずあのまま最後まで打たせ、最終的な部分で処分を下すべきだったんだ。それならムツさんも文句無く田村最高位を認めていたろうし、或いはムツさんの逆転だって、本当に有ったかもしれない。可能性は低かったがな」

 

G「弱小運営体制で、きちんとした組織が無かったのが痛かったですね」

ご「狭い世界だからな。だからと言って、出版社が自由自在にタイトル戦をもてあそべるものでもないはずで。客観的になれない人間が運営を司ると、ああなってしまう。今般の将棋界にも通じるな」

 

G「事件後、タミーラが小島さんと対談した週刊プレイボーイも読みました」

ご「ああ雪解けの道険しって題でな(苦笑)。小島は一生懸命、田村に一緒に打とうと呼びかけるんだけど、けんもほろろでね」

 

G「なのに、なんで対談に出て来たんですかね」

ご「その事を小島側にも読者にも、ハッキリと宣告したかったんだろう。なにせ遺物的な昭和左翼の姿を現在に伝える男だから(笑)、頑固というか頑迷というか、とにかく頑ななんだな」

 

G「古川さんもそういう所が有りそうだったけど、わりと柔軟に小島さんとは付き合っていたようなのにねえ」

ご「古川は小島に恩みたいなものは有るからな。彼をあの世界に導いたのは小島だから。でも、田村とすれば、麻雀界の誰にも恩なんて無いって感じだったんだろう。元新選組隊長の阿佐田の事は、立てていたけれどな。その阿佐田も、事件後は麻雀界から離れてしまったし」

 

G「マカオなんかで引き籠もっていないで、あれから様変わりした麻雀界で、ムツさんや小島さんらとまた卓を囲んで欲しいですけどねえ」

ご「あの感じじゃ、頑迷さは相変わらずみたいだから、無理じゃないか(苦笑)。

  まあ相手は誰でもいいから、機会が有ればまた表舞台に出て来て欲しいとは思っているよ。本当に久々の新情報だったツイッターの写真が嬉しかった。近況も書くようにしてくれれば、もっと嬉しいけどな」