「退位制度」、「譲位制度」、「事実上の譲位」、考えれば幾らでも表現手段は有る
とまあ、記事題で全て終わる話なのだが。
「生前退位」などという破綻した日本語を定着させようとした、最初の人間は何者なのだろうか。
よくNHKが疑われているが、ワタクシは宮内庁の役人の誰かではないかと見ている。いかにも阿呆な役人が作りそうな、なんの配慮も突き詰めも無い言葉であるから。ま、NHKだって阿呆な役人の一端だろと言われれば否定できないが。
「後期高齢者」という言葉が飛び交い、定着してしまった時にも、ワタクシは真底驚いた。
後期高齢者って、後が無い人、もうすぐ死ぬ人って事じゃないか。
よく、こんな言葉を定着させてしまったものだ。思えば、あの時に既に日本人の知性絶滅は明らかになっていたのだ。
今般の「生前退位」という言葉も、それを定着させてしまう図も、まったく同じ。
いや、今回はワタクシを始め、様々な人間が不敬だ失礼だと散々指摘し続けていたのに、頑なに無視して押し通していたのだから、その罪深さは比では無いかもしれない。
まして、畏れ多くも勅語を承っての話で、である。
そんな言葉を発する感覚に仰天したし、そんな言葉に疑問を抱かない感覚に仰天したし、そんな言葉を押し通そうとする人間が出るに至っては、もう日本人も堕ちる所まで堕ちたのだなと思った。
ワタクシはマスコミ周辺の考え方はわかっているから、わざわざ「一般人相手としても失礼だし、そもそも日本語としておかしい」という言い方で指摘していたのだが、とうとうここまで通じなかった。
ワタクシが万一、文化人として発言していたとしても、現今のマスコミ周辺は愚かなくせに妙な特権意識だけは高いから、意に介さなかったはずである。
まして底辺労働者がWebの底辺で吠えたところで、仮に目に入ったとしても、低学歴のくせにとせせら笑っていたのに違いない。
まさか、ご家族が「痛み」という表現まで使われたのに、この期に及んでまでその言葉を押し通す者はいなかろう。
もしいたら、今度こそ、天皇という存在を貶めたがる意図が有る者と断じて良いだろう。相手が一般人だったら、ここに至ってまでは押し通さないだろうから。
そこで正しい表現をどうするかだが、そんなものは少し考えれば上記のように幾らでも出てくる。
要するに彼らは、「譲位」という言葉を使いたくないのである。
それは天皇の意思が入った言葉なので、現行憲法にそぐわないという考えである。
ならば「退位」でいいのである。本来は。
たい‐い【退位】‥ヰ
帝王が位を退くこと。
広辞苑第六版より引用
どうしても、新たな制度としての「退位」を認めるという文脈を表現したいのであれば、記事題のような言葉を使えば良い。
マスコミ周辺の連中は底辺の人間が言う事を聞きたくないだろうが、まともな言語感覚が有れば、他にも思いつくはずである。
なんて書くのも虚しくなるが。まともな言語感覚が有ったら、そもそも「生前退位」なんて言わないし……。
新聞も雑誌もテレビもオワコンだから、知性ある人材は寄ってこないのだろう。
今回に限らず、目玉が飛び出そうになる阿呆表現が増えている。
そもそも日本人全体も知性劣化している感じだし。
こんな言葉をここまで定着させてしまった責任を、マスコミ周辺の連中はどう取るんだ?
尊さについて語れる世に折角いるのであるから、知性に恥じない言動を心掛けたいものである。恥知らずな振る舞いは、傍ら痛いから。
結局は書く事を躊躇った甚深の思いを込めて。