無駄じゃ無駄じゃ(?)

すべては無駄なんじゃよ

挿しす世相史「スカッとさわやか」

f:id:sammadaisensei:20160424071955j:plain*1

 

日本のコーラ元年は昭和35(1960)年

 日本に最初にコカコーラが伝来したのは大正時代と伝えられているようですが、日本に於ける実質的なコーラ元年は昭和35年と言えます。

 その年10月にコーラ販売が自由化され、コーラ会社も愈々本腰を入れた販売に乗り出したからです。それは「黒いブーム」と呼称されました。 *2

 それまでは、米軍への販売が主流だったようです。

  当時の値段は180mlで35円。一方、古くから親しまれていたサイダーは15円と半額以下だったため、コーラは一種の高級品とも言えました。この価格が響いて、まだ今日ほどの隆盛は極めておりません。

 そこでコカコーラは昭和36年より、新聞広告を大々的に展開し始めました。

 

f:id:sammadaisensei:20160424074250j:plain *3

 

 上図にあるように、コカコーラ最初の宣伝文句は「世界中にさわやかさをふりまいているコカ・コーラ」でした。

 小さく「ゴクッ! さわやかさが胸一杯に」とも添えられ、本文中でも「さわやかな飲心地です」と紹介されて、くどいほどに「さわやか」を売りにしていたのでした。

 この貿易自由化一年目で、全清涼飲料の一割をコーラが占めるに至りましたが、「倍増など最低目標です」 *4 とした業界の意気込みから考えれば今一つという感じだったようです。

 そこで2年目の昭和37年に、コカ・コーラは一大勝負に打って出ます。それは、テレビCMの開始でした。

 

コーラを普及させたもの

 昭和37年4月、コカコーラは宣伝文句を「スカッとさわやかコカ・コーラ」に改め、フォー・コインズ歌唱によるCMソングを作成し、大々的に流し始めたのです。

f:id:sammadaisensei:20160424084818j:plainf:id:sammadaisensei:20160424083810j:plain *5

 以後、この宣伝文句はかなり長きに渡って使用され、昭和時代を通して親しまれていたかと思います。

  コカ・コーラ普及の第一の立役者はこの宣伝文句で間違い無いと思いますが、もう一つ特記しておかなければならない要因が、自動販売機の普及でした。

 自動販売機そのものは昭和34年頃から煙草、切符、ガムなどのものが見受けられたようですが、その頃はまだ中小企業の制作だったため、色々と保守が行き届かなかったようで、あまり普及はしておりませんでした。

 そこへ、コカコーラ自由化に伴い新三菱重工業が開発した販売機により、コカ・コーラも、そして自動販売機も、一気に普及が促進されたのです。 *6

 世界でも稀と見受けられる自動販売機大国ニッポンを育てたのは、実は外資コカ・コーラだったのでした。

 また、昭和38年4月には15ヶ所のフランチャイズ制を敷き、問屋式の日本に新しい販売方式を根付かせました。 *7

 

 こうして、自由化以来5年そこらの昭和三十年代末には早くも「王者」と呼ばれるまでの大成功を日本で収めたコカ・コーラは、以後も昭和時代を通してかなり積極的な広告展開を通し続けたわけですが、その根本たる「スカッとさわやか」は、昭和37年の4月に誕生したのだという事です。

The Coca-Cola TVCF Selections ‘62〜’86 10P23Apr16
価格:2700円(税込、送料別)


 

 

The Coca-Cola TVCF Selections'62~'86 [DVD]

The Coca-Cola TVCF Selections'62~'86 [DVD]

 

 

*1:昭和37年5月16日付読売新聞

*2:昭和36年10月25日付読売新聞

*3:昭和36年6月25日付読売新聞

*4:昭和37年2月7日付読売新聞

*5:DVD「The Coca-Cola TVCF Chronicles」(エイベックス・マーケティング

*6:昭和38年12月30日付読売新聞

*7:昭和38年6月13日付読売新聞

広告を非表示にする