昭和唱和ショー「七輪コンロ」
穴が七つ開いているから「七輪」と言われる炭を用いるコンロです。
そもそもコンロ自体が昭和語のようなもので、今は殆ど電気コンロの事を指すでしょう。しかし、そもそもは木や炭を燃していたもので、練炭コンロは下図のようなものでした。
これは今のミツウロコによる新聞広告で、ミツウロコはその昔、「三鱗無煙炭株式会社」と言ったのです。
この絵の炭は穴が十個空いていますが、それが7個なのが七輪という語源なのではないかと思うのですが、確認できませんでした。
たしか子供の頃は七つ穴だった気がし、その穴に火箸のような長い先の曲がった金属棒のハサミの尖端を入れて、挟んで取り出していた気がします。
炭は練炭ではなく、木炭を使うのが正しいようなので注意が必要です。
七輪コンロで炭を燃やし、魚などを焼いたり、暖を取ったりする風景が、万博の前後頃まで見られました。
何故か、街から乞食が消えたのと時期を同じくして消えましたが、長屋というものが東京オリンピックを境にしてその頃までに消えていったからだという気がします。
東京より田舎の風景では、もう少し残っていたでしょう。
炭コンロの中で、なぜ特に七輪が圧倒的な普及度を誇るのかは調べられませんでした。たまたま最初に普及した物が七つの穴を開けていたというだけなのかもしれません。
少し前に漫画投句で扱った「1・2のアッホ!!」の中で、野球部が必ず料理に使っていたのが七輪コンロでした。
定岡くんがおかゆを匙でカントクの口に持って行くと、「い~つ~も~す~ま~な~い~ね~」と衰弱した演技で監督が応え、それにまた定岡くんが「それは言わない約束でしょ」と応えるというのが定番表現として有り、ワタクシらの世代は、それで七輪により馴染みが有るのです。
ちなみに、その二人のやり取りは、名バラエティ番組『シャボン玉ホリデー』でザ・ピーナッツの二人が、病床に伏すハナ肇の親父役相手に演っていた定番コントのパロディでした。
貧乏所帯を演出する小道具として、昭和50年代始め頃までは、(時代錯誤ギャグとして)まだギリギリ使われていて、存在していたのです。
今でも販売されていますが、もう、そういう小道具としても使えないくらい、一般的な認知度は無くなっているでしょう。
*1:昭和34年10月26日付読売新聞