皇后陛下のお気持ちに安堵とお労しさを思う
皇族の方が初めて「生前退位」について言及なされたとの事。それも皇后陛下である。
どうも宮内記者会が寄せた質問に文書で回答されたもののようだが、馬鹿な質問が並んでいたようだ。
中でもワタクシがお労しいと感じたのは、次の一節である。
一方、「生前退位」という表現で報道されたことについては「衝撃は大きなものでした」と述べ、その理由を「それまで私は、歴史の書物の中でもこうした表現に接したことが一度もなかったので、一瞬驚きと共に痛みを覚えたのかもしれません」と続けられた。
ワタクシが何度も何度も指摘してきたように、節度が有る方、知性が有る方なら、生者に対して「生前」などという言葉を使う事が尊厳を踏みにじるものであると感じる。
ご皇族は日本人の中で最も知性や節度を保っていらっしゃる方々であるから、現に矍鑠としていらっしゃる今上陛下に対して、当たり前のようにそんな言葉が飛び交う世は、凄まじく異質に映ったであろう。
「痛み」というお言葉に、お労しさを覚える事を禁じ得ない。
しかし同時に、安堵もしている。
やはりご皇族方には、知性が厳然とましましていらっしゃるのだと。
そして、そんな言葉を絶対に使うまいと己を律した事に。
自分たちの利便さで他者の尊厳を踏みにじるような言葉を使い倒せる人間でなかった事に。
参考)「生前退位」に関する指摘は、単独記事では以下の2回でやりました。