無駄じゃ無駄じゃ(?)

すべては無駄なんじゃよ

人類の民度が加速度的に下降しているという懸念

本日は2つの報道を扱う事になってしまった。

 

印鑑如きが何故そうも重視されなければならないのか

 これ、世間的にはあまり大きな報道ではないだろうけれど、ワタクシには驚愕の判決。それも最高裁というのだもの。本当にいいのか、これで!?

 なにしろ、筆跡の真贋が争点ではないのだ。単に、花押は押印としてまったく認められないという話。

 ここまで印鑑ごときを重視する日本は、おかしい。

 ちょっと判決全文がわからないので、どういう意図なのかがよく判らないが、印鑑なんて、いくらでも自由に作れるし、登録できる物である。

 「実印」などと言うと大層な物のように聞こえるが、その実、登録さえすれば三文判でも実印に出来るし、実際にワタクシはそうしている。迂闊な人間だから、無くしてしまったら面倒なので、幾らでも替えがきく物にしているのだ。

 他方花押は、歴史有るサインという感じだ。昔、「こんなモノいらない」という番組で、大橋巨泉がしきりに印鑑文化は要らないと力説していて、欧米ではほとんどサインで事が済むし、それで問題は無いのだと言っていた。

 どちらも偽造できるのは同じ。であれば、特に遺書の場合、何よりも重視されるべきなのは故人の意思のはず。

 その意思の確認を状況証拠などで判断したかまでは判らないが、どうも判決はそういう事も関係無く、とにかく印鑑でなければ遺書の要件を満たさないという事のようだ。

 故人の遺志よりも、人によっては持っていない印鑑如きがここまで重視されなければならない理由ってなんだ?

 裁判官はハンコ屋から幾らか貰ってるのか?

 

 

図書館問題で痛感する人類の民度劣化

 一番最初にツタヤが公共図書館と関わるという報道を知った時、ワタクシは、そんな事を提案する人間がいるという事が驚きだったし、そんなものは住民の反対で実現しないだろうと思っていた。ところが、いつの間にやらあちこちにそういうものが出来ているらしい。

 で、案の定そこここで問題が出ている雰囲気だが、またこんな報道が。

ツタヤ図書館、古本を法外な高値で大量購入!市は適正価格確認せずCCCの言い値で購入(1ページ目) - デイリーニュースオンライン

 

 税金節約のつもりか何か知らないが、要するに税金を掠め取ってヤクザ企業を永らえさせているのではという話である。これは徹底的に洗わないといけない。

 大体、私企業が公共図書館の運営に関わるというだけでワタクシの常識では考えられないのに、それを選りにも選って競合業者の手に任せるとは、頭がおかしいとしか思えない。こうなるのは当然の帰結ではないか。

 銭金以外の問題も大きい。図書館というものは、文化的に非常に重要な施設なのである。そこで、こんな宣言がなされている。

図書館の自由に関する宣言

 どうでもいいが、はてなのリンクはターゲット設定が出来ないから面倒だな。

 

第3 図書館は利用者の秘密を守る

  これは、思想信条に関わるような書物を読む場合も有るので、そうした情報がむやみにやりとりされるようになるのは問題だからだ。

 ところが、それをツタヤに任せるという事は、そうした情報をツタヤが自由に取得できるようになるという事である。これだけでも、喉から手が出るほど引き受けたい仕事だろう。その上に税金まで掠めているのであれば、本当に最低最悪の者どもと言わざるを得ない。

 それどころか、そうした情報をTポイント(ツタヤが始めたポイント大手)提携企業に売り渡す危険性すら有る。

 返す返すも、何故こんな事態が罷り通っているのか皆目わからない。どいつもこいつも何か箍を外しているとしか思えない。

 

 こんなおかしな話は日本だけだろうと思っていたら、なんと!

歴史ある米フランクリン公共図書館,閉鎖の危機

 けっこう古い話なので今どうなっているのかと調べてみたら、こんな記事も。

フィラデルフィアの図書館閉鎖問題、法廷に持ち込まれる

市長は閉鎖予定館のうち5館を、民間営利/非営利組織が運営する“knowledge center”に転換させることを提案しています

  流石にツタヤよりは遥かにましな組織なのだろうとは思うが、それにしても、あのフランクリン所縁の図書館までがこんな事態とは。

 その昔、アメリカコメディー『奥さまは魔女』でベンジャミン・フランクリンが現代に出て来てしまう話が有り、その時にワタクシはフランクリンの多才さと、彼が図書館の父である事を知ったのだが、そのアメリカの誇りまでが……。

 

 日本の場合もアメリカの場合も、原因は結局、一つに帰結する。

 自治体の金が無いのだ。

 では何故、それまできちんと何十年と運営されてきたものがそうなってしまうのか。

 レーガノミクスに始まる「新自由主義」により、富裕層から税金が流れてこなくなったからだ。

 再分配の構造が崩れた事により、世界中がいびつな事となっているのが、少しずついろんな形で吹き出している。

 公共の場に誰もが利用できる図書館という知性を担保する場が有ったなど、いずれは古代ギリシャ時代の民主政治のように夢物語の如く語られる日が来るのだろう。