無駄じゃ無駄じゃ(?)

すべては無駄なんじゃよ

挿しす世相史「金閣寺が放火により全焼する」

 昭和25年7月2日(日)午前2時55分頃、京都市にある国宝建築物の鹿苑寺、通称・金閣寺が炎上し、4時20分に鎮火したものの、中に有った数々の文化財もろとも全焼してしまいました。

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  犯人は鹿苑寺役僧だった林養賢(当時21歳)で、左大文字山山中にて服毒自殺を図っていたのを発見、逮捕されました。

 当時の新聞は、取り調べの模様を現在よりも生々しく伝えています。

 それによれば、動機は頭を整理してから発表する、寺には何も恨みは無い、住職は争ったことも有るが尊敬している、金閣と運命を共にするつもりだったが熱くなり恐ろしくなって山へ逃げた、燃える金閣を見て自殺するつもりでカルモチン百錠を飲みナイフで胸を二ヶ所突いた、等々を述べたようです。

 

 この事件は、国宝の放火全焼という衝撃的な事件性に加え、犯人の動機などに興味を持つ作家が複数現れ、幾つかの小説や書籍の題材となっています。

 犯人の母親(当時49歳)は7月3日の取り調べの後、「世間に顔向けが出来ないから死んでお詫びする」と口走り、警察が案じて呼び寄せた彼女の実弟(当時47歳)と共に乗っていた山陰線の列車から、午後5時25分頃、保津峡に飛び降り自殺を遂げてしまいました。

 

 

 

*1:昭和25年7月3日付読売新聞