テレビ主題歌音盤史 ~子供向けドラマ編~(28)
美しきチャレンジャー
世のスポ根ブームはまだ続いており、これは更に、ボウリングブームにも便乗した番組でした。
TBS日曜19時半からの不二家提供枠で、スポ根ブーム初期を引っ張った『サインはV』から職業根性物と呼ぶべき『アテンションプリーズ』を経てスポ根路線へ戻ったものですが、今回はコーチへの思慕の念という、淡い恋愛物要素も加わっています。
社会人ボウラーとして活躍する主人公は新藤恵美が演じ、コーチは『ウルトラセブン』でモロボシダン役だった森次晃嗣が演じています。
主題歌は主役の新藤恵美が自ら歌い、所属のRCAからレコード化されました。
カバー盤の発売は認められていたようで、他社からも別の歌手の歌唱で数多く発売されています。
東芝が富田智子、キングが中村晃子、コロムビアが堀江美都子、ユニオンが藤田とし子の歌唱で、それぞれレコードを発売しました。
また、朝日ソノラマが東芝版の富田智子歌唱の物をソノシートとして発売した他、ソノラマレコードとして五十嵐洋子歌唱の物を発売しています。
勁文社もAB両面ソノラマレコードと同じ物を収録して、レコード発売しましたが、収録ドラマは別の物となっています。
ワンパク番外地
東京12チャンネルに開局以来の高視聴率をもたらした『ハレンチ学園』の後番組で、十兵衛役の児島美ゆきと山岸役の小林文彦が、そのままスピンオフ出演しています。
内容も、子供達だけで砦を作って大人たちと対決するという軽演劇もので、『ハレンチ学園』の世界から離れていないものでした。
主題歌は、これも主役の児島美ゆきが歌っており、音盤はクラウンレコードから発売されています。
ガッツジュン
TBS日曜19時からのタケダ提供枠で、19時半からの『サインはV』と共にスポ根路線を引っ張った『柔道一直線』の後番組です。
同様に、特撮を用いたスポ根ドラマです。
原作者は『サインはV』と同じ神保史郎で、しかも最も人気の有るスポーツである野球が題材であったにも関わらず、前作で盛り上がった人気を継続させる事が出来ませんでした。
これ以後、『月光仮面』時代から日曜の花形枠だった、この枠の人気は凋落していき、続く19時半からの不二家枠共々、子供番組路線からの撤退が近づいていました。
主役を演じたのは藤間文彦で、藤間勘十郎・紫夫妻の子供です。
主題歌も彼が歌っており、日本コロムビアと東芝からレコードが発売されるという、不思議な形態となっています。
と言いますのは、ビクターがティーカップス、キングがスクールメイツ、ユニオンがサニー・トーンズの歌唱でそれぞれ発売しており、藤間文彦がフリーだったとすると、これらの会社はなぜ彼を起用しなかったのかがわかりません。
単純に金銭的な問題だったかもしれません。
他に朝日ソノラマが藤間歌唱のソノシートと、キング盤のスクールメイツ歌唱を収録したソノラマレコードを発売しています。