無駄じゃ無駄じゃ(?)

すべては無駄なんじゃよ

テレビ主題歌音盤史 ~子供向けドラマ編~(27)

仮面ライダー

 『宇宙猿人ゴリ』『帰ってきたウルトラマン』、そして、この『仮面ライダー』と立て続けに始まった昭和46年上半期は、子供番組史上でも特異年とも言うべき時でした。

 これら3つが大当たりした事により、世は”変身ブーム”と呼ばれる社会現象を醸していきます。

 分けても『仮面ライダー』は、史上初の等身大変身ヒーロー物で、以後も続々と今日までも登場し続ける路線の開拓者として、特筆すべきでしょう。

 

 悪の組織ショッカーによって改造人間にされた本郷猛は、脳改造される寸前で脱出し、改造手術で得た能力をショッカー打倒のために使うという話です。

 月光仮面以来の等身大ヒーローの伝統に戻るオートバイも、より華麗で派手なバイクアクションを見せ、擬闘もトランポリンや空手を取り入れて、かつての類似番組とは一線を画す見映えとなったのが受けて、空前の人気を呼び起こします。

 姿を見せず声だけで指令するショッカー首領や、彼の意を受けて直接に怪人や戦闘員に指令する大幹部と呼ばれる存在など、悪の組織をきちんと組織だてて描いたのも隠された魅力でした。

 

 ライダースナックに付属したライダーカードや変身ベルトなど、関連商品もどれも飛ぶように売れて社会現象となり、あまり直接的な商品展開が整っていなかったウルトラマンシリーズより、より大きな波及効果を挙げました。

 当然、音盤も大ヒットしています。

 主題歌は、開始当初は主演の藤岡弘が開始主題歌を歌っていましたが、放送開始して間も無く、撮影でのバイク事故により大怪我をしてしまい長期離脱となったため、終了主題歌歌手の藤浩一(子門真人)が歌うものに変わりました。

 

 終了主題歌は、当初、藤浩一が歌う『仮面ライダーのうた』でしたが、途中で『ライダーアクション』に変わります。

 更に少しして『ライダーアクション』が開始主題歌に昇格し、それに伴い新たな終了主題歌として『ロンリー仮面ライダー』が流されました。

 歌手はいずれも以前と同じ人物ながら、子門真人名義に変わっています。

 

 音盤は基本的に日本コロムビアがSCSナンバーでレコード発売しましたが、初期主題歌に関しましては初期盤が藤岡弘歌唱、後の物は藤浩一(子門真人)歌唱で収録されています。

 朝日ソノラマは路線を模索している頃で、数多くの種類を発売してました。先ずソノシートで収録ドラマが”くも男”の物と”さそり男”の物の二種。ソノラマレコードで”くも男”版をレコード化した物と、”うみへび男”の物の二種。そしてパピイシリーズでも一種を発売しています。

 後期主題歌は縦長のCナンバーにて、コロムビア独占で発売されました。またコロムビアは、それら全主題歌とその他の挿入歌を収録したLP盤も発売しています。