無駄じゃ無駄じゃ(?)

すべては無駄なんじゃよ

テレビ主題歌音盤史 ~子供向けドラマ編~(23)

昭和45年

 

 

ケンちゃんトコちゃん

 宮脇康之主演ケンちゃんシリーズの一作で、『ジャンケンケンちゃん』に続く作品となります。

 この作品で初めてケンちゃんに妹ができ、佐久間真由美が演じました。

 役の本来の名は”ともこ”なのですが、ケンちゃんのあとをトコトコと付いていく事からトコちゃんと呼ばれる設定です。

 

 佐久間真由美は、劇団いろは所属の当時5歳。その年から幼稚園という幼さながら、出演作は既に豊富。

 昭和43年『三人の母』を皮切りに、『七人の刑事』『どっきり花嫁』『新妻鏡』『肝っ玉かあさん』『白い十字架』等々に出演経験が有り、はや中堅クラスの趣でした。

 

 音盤は東芝の独占です。

 東芝は宮脇康之を抑えて、この後しばらく、このシリーズのテレビオリジナル音盤を独占する事となります。

 

 

チビラくん

 『ウルトラQ』『ウルトラマン』『ウルトラセブン』の第一期ウルトラシリーズが終わった円谷プロが、新たな番組型として短い時間で帯番組として昼間に放送する事となる、その嚆矢となります。

 この番組は月曜から土曜の朝8:05~08:20の15分番組として放送され、一週間で一話完結の話でした。

 

 内容は、怪獣の街を舞台に、チビラくん一家のハッタル家とゴルバ一家など怪獣たちが繰り広げるドラマ。

 この頃、円谷プロの帯番組は『ウルトラファイト』や『レッドマン』などと続いていく事になりますが、この手の怪獣アトラクション番組の先駆けとなりました。

 

 音盤は、キングレコード朝日ソノラマソノシートが出ています。

 それらには主題歌”チビラくん”とゴルバという人物の歌が収録されましたが、キングはその他にガキンコとポチポチの歌も作り、その2曲を組み合わせた盤、更には4曲全てを収めたEP盤も出しています。

 

 

ジャングルプリンス

 元々の企画は昭和40年で、テレビ化を前提に集英社の少年ブックで一年間連載され、昭和41年暮れには”近く放送開始”と、クランクインの新聞記事も載りました。

 内容は、イサムという南洋の孤島に住む少年が、ファイヤーストーンを巡って世界的陰謀団と戦うというもので、彼と、彼の意に従うゴリラのロボラが怪獣や魔神と戦うといったものだったようです。

 

 しかし、何故か放映は見送られ、テレビが白黒時代と見切りを付けた昭和45年になって行われた白黒作品在庫一掃セールのような動きの一つとして、朝の時間帯に帯で毎日放送されるというお披露目となりました。

 そのため、その存在を知っていた人間は非常に少なく、更には再放送も無かったために幻の作品となってしまいました。

 

 音盤は、ビクターが本来の放映予定当時の昭和41年暮れに、レコードとシートの両方で発売したようです。

 当然、その頃に買った人は殆どいないでしょうし、実際の放映時の昭和45年には既に廃盤だった可能性が高く、しかも前期のような事情で実際の視聴者も少なかったので、その当時に店で購入したという人は殆どいないのでは無いでしょうか。