無駄じゃ無駄じゃ(?)

すべては無駄なんじゃよ

テレビ主題歌音盤史 ~子供向けドラマ編~(19)

バンパイヤ

 『ゲゲゲの鬼太郎』以来、怪獣ブームを襲うものとして妖怪・怪奇ものブームが一気に押し寄せたのがこの頃で、これもモロにその需要を狙った作りとなっていました。

 月を見ると狼に変身する狼男を題材としたもので、主人公のトッペイは虫プロに就職するため、原作者である手塚治虫も画面上に登場します。

 松川義昭による主題歌は、テイチクからレコード化され、朝日ソノラマもドラマ入りソノシートで出しています。

 

 

河童の三平 妖怪大作戦

 このような情勢下、怪奇ブームの本家本元である水木しげるが注目されないはずもなく、次は『河童の三平』が映像化されました。

 ”妖怪大作戦”という余分な題が付加されているように、水木原作のいつも通り、元の原作とは大きく変わって、毎回毎回の妖怪退治ものとなっています。

 

 河童の世界に迷い込んでしまい、尻小玉を抜かれそうになった三平が、河童たちの天敵である妖怪水鬼退治に成功して、お礼に河童たちに妖力を授けて貰います。

 ところが、それが別の妖怪のかんに障り、三平の母親は何処かに連れ去られてしまい、三平の母捜しの旅が始まるという話でした。

 

 開始主題歌はヤングフレッシュという、東映子役の女の子たちによって歌われ、東芝からレコード化されました。また、朝日ソノラマもドラマ入りソノシート化しています。

 同時収録された歌は”唄う妖怪”という歌で、鬼太郎目玉親父の声をやっていた田の中勇が吹き込んだものですが、これは主題歌終了直後の提供紹介の時に流されていました。

 

 

怪盗ラレロ

 この当時、講談社少年マガジン東映は強力に連携しており、この番組も、加納一朗がマガジンで小説にて発表してたものです。

 テレビ版では更に下の年齢層にも受けるような感じの作りで、漫才師の青空はるお・あきおが、マラリア星から逃げてきた怪盗ラレロと彼を追う刑事ポポポを演じたコミカルな番組です。

 ラレロには「ブンドラー!」と一声挙げると物を瞬間的に盗めてしまうという能力が有りましたが、それで失敗する事も多いのでした。

 音盤は、朝日ソノラマソノシートのみが発売されています。

 

 

せっかちネェヤ

 一応原作は週刊明星に長期連載されていた富永一朗の漫画ですが、彼ならではの短ページの漫画だったため、テレビ化にあたっては内容が大きく変えられています。

 代々女系家族の渋柿家にお手伝いさんとして働く事になった薩摩娘で空手の得意なホロリさん。

 ホロリさん役は川口晶で、この当時、何故か男勝りなお手伝いさん役が非常に多かったです。

 空手が得意なお手伝いさんという設定は、後に本格ドラマでの主演女優となる『だいこんの花』にも何故か引き継がれました。

 

 男連中は、なんとか家の男女の力関係を変えようとホロリさんを自陣に引き込みたくて仕方無いのですが、彼女は超然としてお手伝いさん役をこなし、唯一人、子供の伝兵衛とだけは通じ合っています。

 この伝兵衛役は当時の超人気子役だった雷門ケン坊で、主にこの二人を活かして作られたコメディードラマでした。

 

 開始主題歌を歌ったのは松平ケメ子で、この頃の芸能界で一大現象となっていた”ケメ子”ブームに、本家本元のケメ子として『私がケメ子よ』という歌で参入していた歌手です。

 『私がケメ子よ』の作詞は、ケメ子ブームの直接の切っ掛けとなった柳家小せんでした。

 この番組の主題歌のレコードも、彼女が所属していた東芝レコードから発売されました。