無駄じゃ無駄じゃ(?)

すべては無駄なんじゃよ

テレビ主題歌音盤史 ~子供向けドラマ編~(18)

怪奇大作戦

 飽きられ気味だった怪獣路線を襲うものとして『ゲゲゲの鬼太郎』で妖怪路線が名乗りを挙げてから、この頃のテレビは怪奇・妖怪ブームの様相を呈していました。

 『ウルトラセブン』で下降気味になったTBS日曜19時枠での円谷プロは、この流れに乗る形で『怪奇大作戦』を制作します。

 

 この番組では、ウルトラシリーズ視聴者たちの成長に合わせ、対象年齢層をやや上げて、”怪奇”と言っても科学的な裏付けを感じさせるような、人間の心理をも描いたドラマとしました。

 ただ、やはり子供向けの時間帯では苦しかったか、あまり芳しい評価は得られず、2クール26本で終了となりました。

 

 開始主題曲は短い、”ブリッジ”のようなものなので、当時は音盤化されていません。

 終了主題歌が、テレビでは使われなかった「怪奇ソング」という歌との組合せで音盤化されましたが、日音指揮下の開放路線のために、非常に多くの盤が出されています。

 

 レコードが、キング、東芝、テイチク、コロムビア、ビクターから。

 シートが、ビクター、エルムと、朝日ソノラマから出され、ソノラマはNシリーズとの二種を出しました。

 そして、「怪奇ソング」作詞の今戸悠という人物は、元朝日ソノラマ社員で『鉄腕アトム』以来の漫画ソノシート路線を始めた、橋本一郎氏の筆名だという事が明らかになっています。

 

 

ゆびきりげんまん

 思いついた事はすぐ実行する、少し喧嘩っ早い少年と、その一家を描いた子供向けホームドラマです。

 長年、フジテレビ土曜19時からの『鉄腕アトム』に続く19時半枠を占めていた『グーチョキパー』の後番組で、同じくキッコーマン提供です。

 主人公の両親は犬塚弘と小林千登勢で、ガールフレンドを当時の人気子役・上原ゆかりが演じています。

 

 毎回、猿、鹿、犬、馬などの動物を出すという子供受けする方策を打ち出したりしたものの、『アトム』終了後どんどん前の時間帯の視聴率が落ちていく煽りを受けた形で終了した『グーチョキパー』から挽回できず、この番組も人気番組とは言えませんでした。

 主題歌も、当時こどもにも大人気だった、絶頂のピンキーとキラーズを起用し、音盤は彼らの所属するキングレコードから出されました。

 

 

まぼろし城

 高垣眸の少年小説が原作で、これが三度目のテレビ化のようです。

 三代将軍家光の時代、倒幕を企てる怪しい妖術使い小西寿安の建てたのが、まぼろし城。

 これに挑む隠密剣士役を、数年前に終了したTBS『隠密剣士』に続けて林真一郎がNET水曜19時半で演じるという、他局の路線そのままイタダキという安易な企画でした。

 音盤はキングレコードから出されました。