テレビ主題歌音盤史 ~子供向けドラマ編~(15)
名探偵カッチン
スウェーデンの女流児童文学者リンドグレーンによる「名探偵カッレくん」「カッレくんの冒険」「名探偵カッレとスパイ団」を翻案し、三重県・伊賀を舞台にした子供向けドラマです。
NHK火曜18時枠『一直線』終了後の後番組で、NHK名古屋の制作でした。
カッチンは男女三人組で主に行動するのですが、そのうち女の子は、後に『うる星やつら』ラム役で声優となる平野文でした。小学6年生当時と思われます。
あくねはるこ作詞、宮崎尚志作曲の主題歌はレコード化されなかったようです。
丹下左膳
火曜18時、『カッチン』の真裏にTBS・ABC系で同日に始まった、林不亡原作の不滅の時代劇です。
柳生源三郎一派との名刀・乾雲坤竜争奪戦を描いた活劇で、隻眼隻腕の丹下左膳は、今回、松山英太郎が演じました。
第5回放送予定だった10月31日は吉田茂元首相の国葬が行われたため、チャンバラの本作は放送を自粛されて、『名犬ラッシー』の再放送に差し替えられました。(しかし、17時からの『隠密剣士』再放送はそのままという中途半端な対応)
どのような経緯なのか、主題歌作詞を藤子不二雄(恐らくA)が担当しています。曲は、いずみたくです。
その縁ででしょうが、12月19日放送「夢想剣と二匹の侍」に、藤本弘・我孫子素雄両氏が、藤 富士之進・富士之助という二人一体剣の浪人役で出演しました。左膳を助ける役でした。
主演の松山英太郎が歌った主題歌は、キングレコードから発売されました。恐らく松山英太郎、唯一の吹き込みと思われます。
ジャイアントロボ
宇宙から来たギロチン帝王が、BF団を結成して地球征服を企てます。
BF団が科学者に作らせたジャイアントロボは、作った博士の遺志によって草間大作少年の声で動くようになったのでした。
地球を守る組織ユニコーンと、新たにそこへ加入した大作少年、そしてジャイアントロボが、BF団やギロチン帝王の繰り出す怪獣を相手に活躍するというものです。
腕時計型のコントローラーでロボに命令する大作少年の姿は、まだ腕時計を持っていなかった子供たちの憧れでした。
提供はカンロ飴とトミーです。
山下毅雄作曲の荘厳な主題歌は、東映制作番組ですので朝日ソノラマがソノシートで発売していますが、『赤影』以来、既に独占も崩れており、『赤影』でもシートを発売した勁文社が、本作でもシートを発売しています。
また、クラウンと東芝がレコードでも発売しました。