今回の大市民挽歌(17/5/28号)
Gさん(仮名)「あらあら。とうとう大市民挽歌も毎回扱う事にしたんですか」
ごいんきょ「いや、まだ毎週欠かさず扱うって決めたわけではないがな。取り敢えず前回に引き続き今回も、”大市民”復活の空気が漂っていたからさ。
これで、毎回決まって扱える内容になってくれたら最高なんだがね。なにしろ『喧嘩稼業』の方は、月一も怪しいって有様で(苦笑)」
G「今号のサンデー毎日は、本宮ひろ志を扱ってましたね。画業50年ですか」
ご「『大ぼら一代』が扱われてなかったなあ。あれも最初のうちは、なかなか面白かったんだが。ま、本宮の漫画は大抵、最初で飛ばして、急速に尻すぼみになるのだが(苦笑)」
G「そして『大市民挽歌』。なんだかジャンプ上がりの漫画家特集みたいな雑誌になりましたねえ。これで小林よしのりとか来たら完璧(笑)」
ご「最近の小林は毎日方面との親和性は高そうだから、有り得なくも無いがな(笑)」
G「で、今号の『挽歌』では、ついに山形がまたスポーツカーに乗る事に」
ご「”カニ目”な。柳沢きみお本人も貯金を一千万貯めるのが目標とか言っていたんだが、貯まったら貯まったで車が欲しくなったんじゃないのか(苦笑)」
G「どこまで実生活と被ってるんでしょうねえ」
ご「奥さんの事も気になるのよ。『挽歌』では山形が、もう一人がいいとか、そんなような台詞が度々出てくるし。まさか別れたのかねえ」
G「そもそも結婚してるかどうかも謎の人ですよね」
ご「エッセイの『なんだかなァ人生』では、少しだけ奥さんの話が出てくるので、少なくともその頃に妻帯していた事は確かなんだろうけど、いつ結婚してどうなったとかは、そのエッセイでも全く触れられてない。あの少年チャンピオンでの写りの悪い写真以来(笑)、本当に私的な事をほぼ完全に隠すようになったな。子供が居るのかもわからん」
- ジャンル: 本・雑誌・コミック > 人文・地歴・哲学・社会 > 文学 > 文学全集
- ショップ: 楽天Kobo電子書籍ストア
- 価格: 1,210円
G「作中の山形が或る程度、本人を反映させた姿だとしたら、何度か結婚離婚をしているのかもしれませんね」
ご「まあ、そう考えるのが自然かな。女にはモテたろうし。
わしは車は殆ど興味が無いんで、車の話はそんなに楽しみではないんだが、山形がああいう趣味の良い車を乗り回している図は、見ていて格好良いとは思うね。
ただ、作者本人は、もう流石にスポーツカーだの大きい車はやめてくれと思うけど、年齢的に」
G「あれは漫画なんでしょうけどね。
そして、ソバの話も出ましたね」
ご「『大市民』と言ったら車と食、そして世の中の醜さを斬る、良き佇まいで生きるって視点、この三点だよ。食には酒も入るが。
このとこ引っ越し後の整理、兼、断捨離のようなものをようやく始めて、色々と再発見が有って楽しいんだが、柳沢きみお集大成とも言うべき『自分史』という本を見つけてね」
G「有りましたね。ストーリー編とギャグ編に分けて2冊で」
ご「それに『大市民』の最初の頃のが載っていて面白かったんだが。佐竹さんは本当に最初の頃からいるんだな。山形は45歳だし」
G「わっけー(笑)」
ご「山形は当時、こんな事を言っているよ。
『私はね、世の中の不完全さに怒り続けて生きようと決めているんだ
怒る人がいないと不完全なる社会はさらに乱れるからな』とな」
G「は~。それが『挽歌』では、もう世間に怒るのはやめたみたいに言い出しましたからねえ。つくづく老いてきたんでしょうか」
ご「いやいや。多分、初の新聞社系週刊誌連載って事で、ちょっと竦んでいるんだと思うよ。そんな山形には、単行本を一巻から読み直せと言いたいね(笑)」
G「ま、ようやく今の人生はオマケだという考えに至ったようですから、今後はまた展開も変わるかもしれませんが」
ご「オマケの人生ならば、もう取り繕う必要も無いわけだ。これからはより一層、思う事を小気味よい形で表現して貰いたいもんだ」
G「山形が啜る蕎麦が美味そうなんですよね~(苦笑)」
ご「わしも蕎麦は大好きなんだが、どんどん良い店が減っていってなあ。そしてラーメン屋はウンザリするくらい増えている。いい蕎麦を、もっと色んな店で食べたいよ。
ま、多くの人が行けるチェーン店でも良い店は有る。”そじ坊”なんか、なかなか良い店だぞ」
信州の民家を思わせる店装で、生わさびをお客様御自身でおろしていただき、自家製麺のそばの味をしっかり味わえるそば専門店です。酒房タイプの店舗では信州の地酒や郷土料理をご用意しています。
G「生わさびを客自身がおろすんですか?」
ご「ああ。わさびって、ドロドロしたものじゃないからな(笑)。本来は生姜のように、下ろし金で下ろすものだから。
で、そじ坊では、わさびが茎の姿のまま添えられてくる。 それを客が自分で、好きな時に好きなだけ下ろして、その場で使うわけよ。下ろし立てのワサビの香りや味が堪らんぜ。余ったのは持ち帰って良いし」
G「へ~、それは面白そうだし、美味しそうですね」
ご「蕎麦が出来るまでは時間が掛かるが、それまでそば茶を啜って待っている。それも、麵を乾燥させたツマミみたいな突き出しまで出してくれる。そば茶も美味いぞ。
全部の店舗ではないみたいだが、酒も飲める。蕎麦焼酎とかをキープできる店舗も有るぞ」
G「徹底的に蕎麦づくしですね(笑)。そこまで拘ってるのでは、不味いわけが無いですね」
ご「ああ。そもそもラーメン屋と違って、ワザワザ蕎麦屋をやろうなんて店は、そこからして期待できるのよ。チェーン店でありながら、あれだけの質を維持しているのだから大したものだ。気軽に蕎麦を味わいたい時には重宝する店だな」
G「こうやって毎回毎回、山形氏の話で広げられればいいんですがねえ(笑)」
ご「車の山形は甦った。前回の寿司と今回の蕎麦で、食の山形も甦ったと考えていいのではないか。後は怒りの山形だな。待ち焦がれているぞ(笑)」