昭和唱和ショー『火災報知器』
その昔、東京の街中に火災報知器があちこち設置されていたのをご記憶の方はいますかね。
ワタクシは、言われれば有った気がするという程度の記憶しか残っていないのですが、年長の者と話していて存在を知らされ、調べてみました。
すると、写真も見つかりました。
この記事は、上野動物園にいたチンパンジーのスージーが、春の火災予防運動に協力して、火災報知器による通報実習を行った際のもの。
しかし、こんなものが街中のそこらに立っていたのですから、当然、いたずらも引っ切りなし。なんと、通報の6割がいたずらだったという記事も有ります。
子供のいたずらも多かったでしょうし、実際、ワタクシにこの事を教えてくれた者も、友人がいたずらで押したら、あちこちから消防車が6台来て大騒ぎになり、その子の母親がえらく怒られて平謝りしてたと言ってました。
しかし、困ったことに、いわゆる大人でもこれをやる者が後を絶ちませんでした。
酔っ払いが、酒の余興か度胸試しか知りませんが、これをやってしばしば新聞沙汰になってます。
しかし、それをも越えて質の悪かったのが、そうやって他の場所に消防車を呼んでおいて、また他の場所で放火するという輩で、これなどは凶悪犯としか言えません。
このように、度々徒労を余儀なくされた、問題の多そうな街中報知器は、何故それでも無くならなかったのでしょう。
件の人物が回想しますに、一般家庭に電話が普及した頃に無くなったと言われ、なるほどと思いました。
そうです。昔は各家庭に電話が無かったため、一刻も早く火災通報をしようとしても、電話という手段は不可能だったのです。
そのため、消防署直通の報知器が各所に設置されていたという事なのでしょう。
これは東京での話ですが、日本全国で有った物なのでしょうか。
*1:昭和43年2月17日付読売新聞