漫画投句「ストップ!!ひばりくん!」
ストップ!!ひばりくん!コンプリート・エディション(v.1) [ 江口寿史 ] |
この曜日は、現在ヤングマガジンで連載中の「喧嘩稼業」を取り扱うのが基本であります。
何故かというと、今現在ワタクシが最も次を楽しみにしている漫画であり、しかもネタとして扱い易いというのが有ります。
因みに、その他に次を楽しみにしている物は「がんぼナニワ悪道編」で、今現在は、他に楽しみに読んでいる漫画は有りません。
でまあ、当の喧嘩稼業の掲載率が激低なんですな(爆)。
およそ週刊連載の低掲載率新記録だと思うのですが、掲載率が低いながらも続いている漫画というのは、それだけ面白いのだという決めつけは成り立つのでしょう。
もし人気が無かったら、そんなふざけた漫画家はすぐに切られてしまいますからね。
次に喧嘩稼業が載る週、来週ですか、ワタクシは読んだ事は無いものの喧嘩稼業と常に並び称されるために名前だけは知っているHUNTER×HUNTER も奇しくも全く同じ発売日の号で再開されるという、集英社と講談社お前らツルんでるだろ~疑惑がワタクシの中で取り沙汰されております。
ガラスの仮面といい、とにかく掲載率が低いのに続いている漫画というのはそれだけ人気が有り、即ち読者目線からは面白いという道理なのですが、その元祖と言えばなんと言ってもひばりくんでしょう。
今で言うところの性同一性障害の男の娘が主人公のギャグ漫画であり、その手の方々のバイブルだったかもしれません。
ワタクシもその頃はまだジャンプを読んでいて、ここのとこの江口寿史のノリは凄いな~と感嘆していたものでした。
すすめ!パイレーツの頃は、もう一つ弱いと思っていたんですよね。あの頃はコンタロウが面白かった。
ところがひばりくんになると、絵はどんどん女の子を可愛くしてくるし、ギャグは冴え渡るしで、ほとんど無敵の振る舞いでした。
が、その舞台裏は凄まじきものが有ったのですなー。
とにかく掲載率が落ちていく。
それでも、まだ何も描いていない原稿の圧迫感を「白いワニ」に例えるギャグで見世物にしていたし、それも面白かったから、読んでいる方としてはそんな深刻な事態とは思っていなかった。
しばらくすると回の中途半端な所までしか原稿が載らなくなったりし始めたのですが、そんな或る時、また中途半端な所でぶち切れている原稿がそのまま載りました。
あー、また間に合わなかったんだなと軽くその週を読み終えました。
そして、そのまま忘れてしまいました(爆)。
本当に結構経ってから、あれ?そう言えばひばりくんってどうやって終わったんだっけ?と思い出そうとしても、どうしても思い出せないのがもどかしくなった。
実は、そのように中途半端な原稿を載せたまま、自然打ち切りになっていたんですな。
おそらく告知は無かったはず。少なくとも毎週読んでいたワタクシが気付くような形では。
なんと無責任な編集長だったのだろう。
「もう週刊では面倒見られない」と宣って江口を切ったと何かで読みましたが、そう考えるなら月刊ジャンプに移せば良かったろうが。
本当に、愚かな編集長だった。たしか西村繁男だったかな。
その後、江口寿史はイラストとか、ページ数をかなり制限した漫画で長く存在感を失わなかったものの、おそらく要望の高かったであろうひばりくんの続編には着手せず。
江口寿史の苦闘を経て、読者には待ちの姿勢が涵養され(笑)、そして今日の喜多康昭や冨樫義博のような、かつてでは存在を決して許されなかった遅筆漫画家が活躍できる世となっている。
江口寿史は漫画界の人柱だったのだよ(笑)。
さて、それから幾星霜。
ひばりくんのコンプリート版が出版されるという報せが駆け巡った。中途半端に終わった回の書き足しもしているという。
ワタクシはどんな終わり方だったかも確認したかったし、書き足しも気になったし、何よりもひばりくんという漫画が好きだったから、電子書籍で全巻を購入した。
最後の回を見て、あ、そう言えばこんなの載っていたなと思い出した。あー、これでこのまま後が載らなかったんだと。
どうして、せめて残りを載せてキリ見てくれを良くさせてから打ち切らなかったのだろう。
つくづく無責任で無能な編集長だったと思う。
あの頃の江口寿史のノリは、描けるうちに徹底的に描かせておくべきだったのに。
ギャグの才能は有限の財産であり、しかも旬の限定された生ものである。
それをなるべく多くの量を掘り出し、客である読者に提供するのが編集者の責務であり、醍醐味ではないのか。
「喧嘩稼業」作者の喜多康昭は、折に触れ今でも、ジャンプ時代の編集者に怨嗟の声を挙げ続けている。
元々、漫画のようなものを週刊で連載するなど、そもそもの発祥からして奴隷労働的というか、過酷な状況を強いる形態なのだ。
だからいい加減に載せて良いとまでは勿論言わないが、少なくとも才能が有る人間には広量な姿勢が、読者にも、編集者にも、必要だろうと思う。
て訳で喜多くんも富樫くんも、人柱となってくれた江口寿史先輩に哀悼感謝の意を捧げるように(笑)。
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