無駄じゃ無駄じゃ(?)

すべては無駄なんじゃよ

昭和唱和ショー「はたき」

 「はたき」って、若い人にわかるんでしょうかね。

 昭和時代にホウキや雑巾と組み合わせて使われていた、掃除道具の一つです。

 一応、掃除道具のはずなんですがね。子供の頃から、本当に不思議だったのです。

 これで、何か掃除できてるのだろうか!? と。

 だって、ただパタパタとはたくだけなんですよ、棚とか壁を。

 そりゃ、埃は立つかもしれない。それだけでしょ。しかも、細かく払えるとは思えないし。

 一般的には、ホコリをこれで落として、箒で掃くというやり方だったんだと思うんだけれど、どう考えても効率的とは思えない。

 

 昭和44年の時点で、「ほこりを散らすだけ」という身も蓋もない見出しを立てられておりますが。

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 ま、その後、障子の桟や長押などはハタキでなければなんて書かれてますが、そもそも障子も長押も、和室そのものが消えつつ有るしねえ。

 次回は障子にしようかな(笑)。

 

 ハタキが消えた直接の原因は、丁度この時期、昭和40年代中頃から、日本の一般家庭にも電気掃除機が入り始めた事でしょう。

 江利チエミが出演していた実写ドラマの『サザエさん』の頃(昭和40年代初頭)は、確か、まだハタキを使って掃除してましたけどね、サザエさん

 我が家でもその時分に掃除機が入り、あの、電気コードをシュルシュルと巻くのが面白かったものです。

 東芝日曜劇場を見ていて、押阪忍が砂浜で東芝掃除機の吸引力を人々に見せつけるマジックバッグのCMも、そんな頃でしたな。

 掃除機で埃を吸い込んで始末できるようになり、人々はハタキの不合理さに、嫌でも気付いたのでした。

 

 昭和の人間にとってハタキとは、掃除道具として以外に、もう一つの用途が有りました。なんだかピンと来ますか。

 客商売で、嫌な客を追い出すために、店の人間がわざと掃除している振りして埃を立てて嫌がらせして、追い出しに掛かるという図を、昭和のテレビや漫画の中で多用してましたね。

 特に多かったのが、立ち読み客を追っ払う本屋さんの描写でした。ハタキと言えば、本屋さんの小道具だったのです。

 ああいう図って、実際の街中でも有ったんでしょうか。

*1:昭和44年1月22日付読売新聞