テレビジョンドラマ誌を振り返る(1)
先日、長年集めていたテレビジョンドラマという雑誌を、とうとう完全蒐集することに成功した。長い道のりだった。
創刊号は1983年発刊だが、ワタクシが初めてその存在を知ったのは1986年発売の16号「キーハンターからスーパーポリス」の号だった。
初めて書店で見た時、まるで同人誌のような専門的な作りに狂喜し、すぐに購入。以後も見かける度に買うようにはしていたのだが、なにしろ発行部数が少なく、書店にはいつも一冊しか入っていない感じだった。
しかも発行が結構不定期で、だから誰かに先に買われてしまえば、その号の存在はまったくわからないものとなっていた。バックナンバー販売は有ったのだが、なかなか億劫で、そこまではしなかったし。
部数が少ないために入手不可となっている号も有ったが、ご丁寧なことに、コピーサービスまでしてくれていた。見開き2ページで20円。実費のようなものだ。なんと良心的な運営だったのだろう。
世の常として、良心的な運営では商売が成り立たなくなりがちである。ワタクシは余計なお世話ながら、先行きを懸念していた。しかしワタクシの杞憂を余所に、わりと長く続いていたので、ああ大丈夫なのかなと思っていたら、気がつくと姿を見なくなっていた。やはり駄目だったのかなとたまに気には懸けたが、とうとう再び出会える日は来なかった。1992年末に発刊したと思われる43号で、その歴史を終えていたのだ。丁度丸々十年を節目にやめたのだろう。
ずっと後年、2000年頃にワタクシがオークションを始めた頃、テレビジョンドラマも探してみた。すると、自分が入手できなかった本が結構見つかって嬉しかった。しかし、物凄い高額な価格で取引されている号も幾つか有った。これは全部揃えるのは無理だなと諦めた。
そうこうするうちに、或る取引で、テレビジョンドラマの編集をしていたという人と縁が有った。たしかにその名前は、編集後記に書かれていた名前の一つだった。
その人も、稀少な号はプレミア価格を設定してた。かつて自分達がコピーサービスまでして世に問うた本を、そういう形にするのは、かなり複雑な心境であったろうと推察する。
赤字を抱いて幕を閉じたのだという、案の定の内情を聞かせて貰った時には、なんとも切ない気持ちになったものだ。
そんなドラママニア、テレビマニア伝説の専門書、テレビジョンドラマの歴史を、これから何回かに分けてご紹介していきたい。
愛好者にひとときの希望と安らぎをくれていた、忘れじの専門誌の世界を。
創刊号 No.1
特集 ポーラテレビ小説 ~三人の母から千春子まで~
全31作紹介
特別インタビュー TBSプロデューサー 村上瑛二郎
ただいま出演中!
鎗田圭子「おしゃべりトマト」
レコードトピックス
「おしん」レコードラッシュ 他
なつかしの名盤珍盤廃盤
テレビをディスクで
新番組紹介
テレビジョンドラマ放映作品リスト
1983年5・6月
No.2
特集 水戸黄門
全14部全キャラクター紹介
特別インタビュー C.A.Lプロデューサー 西村俊一
ただいま出演中!
レコードトピックス
なつかしの名盤珍盤廃盤
チェンバリカサウンドによるテレビドラマ主題曲アルバム
プロダクション探訪
テレビジョンドラマ放映作品リスト
1983年9・10月
第二巻第一号(通巻第三号)
特集 必殺仕事人
全4部全キャラクター紹介
特別インタビュー 山内久司 櫻井洋三
ただいま出演中!
小倉智昭「世界まるごとHOWマッチ」
プロダクション探訪
番衆プロダクション
レコードトピックス
なつかしの名盤珍盤廃盤
小川寛興作曲による GOLDEN HIT TV テーマ集
テレビジョンドラマ放映作品リスト
1983年9・10月
第二巻第二号(通巻第四号)
特集 必殺大百科
藤田まことインタビュー
平尾昌晃インタビュー
ただいま出演中!
西村知江子「世界まるごとHOWマッチ」
テレビジョンドラマ放映作品リスト
1983年11・12月