無駄じゃ無駄じゃ(?)

すべては無駄なんじゃよ

挿しす世相史「ドゴール大統領就任」

 昭和34年1月8日(木=現地時間)、フランス大統領にシャルル・ドゴールが就任し、現在まで続くフランス第五共和制の初代大統領に就任しました。

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 第五共和制とは、議会よりも強力な権限を持つ大統領が君臨するものですが、戦後の混乱期にあったフランスに於いて、一度は身を退いたドゴール元将軍・元首相に、議会も国民も大権を預ける形となったものです。

 

 ドゴールはそれを受けて、国内基幹産業を国有化し、経済を立て直すと、冷戦に入った米ソとは一線を画すヨーロッパの糾合を画策し、独自の軍事基盤を得るためにフランスを第四の核保有国としました。

 一方で、アフリカの旧植民地の民族自決を認めて右派勢力に狙われるなど有りましたが、多くの国民からは現在までも国父のように慕われているかと思われます。

 

 ドゴールの遺産を検証すれば、国を立て直すのはグローバル化ではなくナショナル化であり、更に小国に於いて軍事基盤としての核保有は欠かせないという事が、特に挙げられるかと思います。

 但し、それらを一度に実現できたのは、それを為し得る強力な権限の保障を彼に国民が与えたからであり、良い独裁は即効的に国を立て直すという事なのですが、誰もがドゴールのように賢明とは限らず、悪い独裁者が現れたら最悪な結果をもたらしてしまうところが政治の難しさです。

 

 

*1:昭和34年1月9日付読売新聞