文学が負ける日
今回の喧嘩稼業
31ページだけあって、なかなかの読み応え。
しかも、物語上の進展が有って、田島彬と桜井裕章は異母兄弟であり、二人の父親は琉球唐手・名護御殿手総帥であると。
今更ながらこの話を聞かされたアリは「はぁあ!?」と絶句するのだが、喜多がようやく田島の「繋がっていない」背景を思いついたんだから仕方ないだろ(笑)。
ワタクシもその点はかなり前から気になっていたのだが、ようやくとその辺が少しずつ解き明かされようとしている。
そして、文学の敗退もどんどん色濃くなっていく。
取り敢えず片側の鼓膜は破ったとはいえ、桜井ほどの手練れにはなんの不利にもなっていないだろう。
却って桜井の警戒指数を上げ、隙を無くしてしまうだろう。
桜井と田島が戦わなければ、自然な形で田島の背景を語らせる場が無い。
田島と桜井が戦うことによって、初めて田島の全てが解き明かされていく。
つまり、入江文学は敗退する。
この企画で存在感を見せた者たちは、山本陸や川口拳治、佐川雅夫の弟子や子孫たち。
彼らは全て、名護御殿手の末裔と捉える事も出来る。
つまり、この戦いで明らかになる「最強の格闘技」とは、名護御殿手なのである。
それでなくては山本陸登場に繋がらなくなる。
そして、その点から考えても文学の敗退は確実と言える。