無駄じゃ無駄じゃ(?)

すべては無駄なんじゃよ

朝日ソノラマはなぜ鉄腕アトム主題歌を独占できたのか(58)

 昭和48年開始のテレビまんがを見ていきましょう。

 

バビル2世

 『魔法使いサリー』以来、少女向けテレビまんがを放送していたNET月曜19時枠でしたが、路線に行き詰まりが感じられたか、ここで少年向けにいきなり転換します。

 当時、ワタクシはこの番組の第一回オープニングを見て、それまでとあまりに雰囲気が違うので、局を間違えたかと思いました。

 

 内容は、横山光輝の漫画を元にしたもので、この枠を少女向けにした大元の『サリー』の原作者を、路線転換にあたって持ってきた事になります。

 それまで普通の少年として過ごしてきた浩一が、実は古代異星人の血を引く超能力者だった事に目覚め、バビル1世が残してくれていたバビルの塔を拠点に3つのしもべを操りながら、巨悪のヨミという超能力者と対峙するというものでした。

 

 音盤としては、コロムビアの超縦長ジャケ、SCS500番台と、朝日ソノラマのパピイシリーズという、東映動画制作の場合のいつもの顔触れです。

 後に通常ジャケットでも再発売されました。

 

 

けろっこデメタン

 『みなしごハッチ』『樫の木モック』と続いたフジテレビ火曜19時タツノコプロ制作枠ですが、これは池の中の生き物たちを擬人化した話で、主人公はカエルでした。

 今回はきちんと両親は居ますが、家柄があまり良くないという事でイジメの対象となってしまう話で、やはり随所で泣かせの演出が見られましたが、流石に視聴者も飽き始めていたのか、39回放送と、一年もちませんでした。

 

 主題歌担当は堀江美都子で、フジ・タツノココロムビアによる『ちびっこのどじまん』出身歌手押しも、一通り終わった感じです。

 この辺りから、堀江美都子のアニソン女王然とした、猛烈な主題歌ラッシュが続く事となります。

 音盤は、まだコロムビアタツノコ独占が続いています。

 

 

山ねずみロッキーチャック

 『みなしごハッチ』の大当たりは、大きく二つの子供番組路線を流行させました。一つは母恋もので、もう一つは擬人化ものです。

 『ハッチ』当時、ワタクシの小学校教師が、人間でないものを人間のように扱う事を「擬人化」と言うと解説してくれましたが、そのくらい世間的に注目された番組、技法だったわけです。

 この『ロッキー』は、山ねずみのロッキーを中心とした山の動物たちを描いたものでした。

 

 主題歌は、これも全盛期に突入し始める堀江美都子でした。

 ですから音盤は当然コロムビアで、LPレコードも出されましたが、終了主題歌が収録されないという摩訶不思議な構成でした。

 シングルジャケットは通常の物で、縦長SCS500番台との使い分けがどのようなものであったのかが謎です。

 但し、半年位してから別の超縦長ジャケットEPのCシリーズで、4曲収録の形で発売されています。