朝日ソノラマはなぜ鉄腕アトム主題歌を独占できたのか(52)
ゲゲゲの鬼太郎(昭和46年カラー版)
昭和43年に”妖怪ブーム”を巻き起こし、”怪獣ブーム”を蹴散らした実績を持つ鬼太郎が、昭和46年秋にカラー化という名目で再び制作される事となったのは、この年の始めから第二期怪獣ブームが始まった事と無関係ではないでしょう。
音源を持つキングレコードは、「オリジナル盤」という文言を入れてジャケットを一新。正副主題歌に加えて、この放送では関係の無いナイナイ音頭まで収録してのサービス盤で、前作の時に出遅れた失地挽回を図ったようです。
対してソノシート組は、ドラマ部分を新作として、新たな盤を出しています。
ケイブンシャが、第一話の「妖怪復活」を収録した盤を、そして朝日ソノラマが、「妖怪あめふり天狗」を収録した盤を、それぞれ出しています。
ただ、既にシート時代も終わりを迎えていたので、どちらもレコードとして発売したのでした。
ルパン三世
現在に至るまで新作が生み出され続けている不朽の名作、そのテレビ化第一弾です。
これも若者を視聴対象に選び、提供会社には三菱鉛筆やTDKなどが並びました。
一作目は、最初期の舵取りをした大隅正秋の路線で、以後と比べると段違いにダークな一面を持つルパン達が描かれています。
音盤としましては、テイチクのユニオンレーベルから出ました。
日本テレビ、読売テレビ系統は、フジやNETと関係を深めていたコロムビアを避けていたのでしょうか?
朝日ソノラマは、これもシート化に成功しています。しかし、かなりのシート末期の上に、この本放送時の番組人気は激低だったため、現在ではこの盤の希少価値が出ています。
原始少年リュウ
石森章太郎原作漫画のテレビ化ですが、原始時代を描いたのが当時までのテレビまんがとしては珍しいものでした。
瞼の母を探す母恋物となっていますが、『みなしごハッチ』が大当たりしての追従作で、とにかくこの手のしんみり路線が増えたものです。
音盤としては、日本コロムビアと朝日ソノラマという黄金コンビでした。