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無駄じゃ無駄じゃ(?)

すべては無駄なんじゃよ

朝日ソノラマはなぜ鉄腕アトム主題歌を独占できたのか(39)

芸能音楽 昭和テレビ特別寄稿 テレビ主題歌史
あかねちゃん

 ちばてつやが、まだ少女漫画も描いていた頃に少女フレンドで連載した『みそっかす』という漫画を元にした作品です。

 同じちば作品『ハリスの旋風』女の子版といった感じで、御転婆な女の子の活躍が描かれていました。

 音盤としては、シートの朝日ソノラマ、レコードのコロムビアという住み分けはいつも通りですが、この作品のレコードはコロムビア独占ではなく、テイチクも加わりました。

 東映作品の音盤は、この前も、このずっと後までも、シートのソノラマとレコードのコロムビア(昭和50年代からシートに徳間も加わる)という体制だったのに、なぜ唐突にテイチクが噛んできたのか謎です。作曲家か歌手の繋がりでしょうか。

 

 

ファイトだ!!ピュー太

 『かみなり坊やピッカリ★ビー』の後番組で、同じく関西の毎日放送制作・雪印乳業提供のギャグ調まんがです。

 発明家の少年ピュー太とお爺ちゃんのツルリ博士の発明を、ワルサーとブレーキという悪人二人が狙うという話で、悪人の名前といい、後のタイムボカンシリーズの世界に近いものが有ります。

 音盤としては、希望する社が出す事が出来たようで、シートは朝日ソノラマのみですが、レコードはコロムビア、キング、テイチク、東芝と、4社から出ました。

 

 昭和41年のウルトラQウルトラマンマグマ大使悪魔くんという立て続けの実写子供番組の大ヒットに乗じて、朝日ソノラマ橋本一郎は、怪獣図鑑ものシートを企画。これが大当たりして、次々と怪獣大図鑑、妖怪大図鑑と何冊も繰り出し、ことごとく当たりました。

 勢い、競合シート会社も次々と後追いして消耗戦に追い込まれ、11社有ったシート会社が、その時に4社くらいに淘汰されてしまっていたのでした。*1

 だからシート音盤に関しては、殆どソノラマの独擅場となっていたのです。

 

 

怪物くん

 「オバケのQ太郎」「パーマン」に続く、TBS日曜19時半の不二家提供枠での藤子不二雄原作まんがです。

 例によって参加自由の日音管理で、しかも安定人気の藤子枠とあって、前二作のように非常に多数が音盤化しています。

 シートがソノラマ、ビクター、勁文社、エルム、ミュージックグラフと、残存社が勢ぞろいの様相で、しかも殆ど全社が二種以上出すという活況でした。それだけ売れ行きも良かったのでしょう。

 レコードがコロムビアの他、ビクター、テイチク、東芝と出しました。

 

 ところが、夏場に新曲「怪物くん音頭」が作られた際、これを音盤化したのは、シートのソノラマにレコードのコロムビアのみという構図となりました。

 申請した全社に音盤化権を与えていたと思われる日音の方針に、ここで少しだけ、変化が出てくるのです。

 この変化は、この次の藤子枠作品である『ウメ星デンカ』で、更に決定的なものとなって現れる事となります。

 もしかすると、これら藤子作品の掲載出版社である小学館の方が方針を変えたのかもしれません。

 

 

サスケ

 紙漫画の世界と同様に、手塚治虫が切り拓き、暫くの間は手塚作品やその亜流が数多く作り出されていたテレビ漫画の世界にも、非手塚の世界が陽を浴びるようになってきました。

 春に『巨人の星』が「劇画」のテレビまんが化で大成功を収めると、秋には劇画(=非手塚)の象徴とも言える白土三平作品が、テレビまんがとなりました。

 雑誌『少年』に掲載され、白土作品の中では最高とも言える分かり易さ、親しみ易さの忍者漫画『サスケ』が、その対象となりました。

 

 これもTBS放送だったため、日音管理で参入自由だったのでしょう。

 シートはソノラマ、ビクター出版、エルムが、レコードはコロムビア、キング、テイチク、ビクター、東芝と、主要な所が殆ど音盤化しています。

 新興で、本来は歌謡曲が主流のクラウンはともかく、グラモフォン(ポリドール)が、いまだに子供向けテレビ音盤に非常に消極的なのが伺えます。

 

 

夕やけ番長

 梶原一騎原作による荘司としおの長期連載漫画を、一日10分放送、それを月曜から土曜まで連続で、実質60分一話完結とした、日本テレビ夕方枠の作品です。『冒険少年シャダー』の後番組であり、特異な放送形態はこの後も継続されていく事となります。

 音盤としては、シートのソノラマとレコードの東芝という、『シャダー』と同じ顔触れになりました。

 枠が枠なので、あまりヒットする可能性も高くなく、実際に過去の『とびだせ!バッチリ』『シャダー』と、特に話題にもならず終わっていますので、わざわざ割り込んでくる社も無かったのでしょう。

 

 放送時間が短い枠ですから、エンディングと言われる部分は有りませんでしたので、歌も開始主題歌しか放送では流れませんでした。

 それでも過去二作の音盤では、わざわざ抱き合わせの歌を作って同時収録していたのですが、この番組ではソノラマも東芝も、歌は一曲のみで、後はドラマ収録という形にしています。

 しかし、同枠の後番組『男一匹ガキ大将』では、また二曲作る事になるので、これがどういう事情かは不明です。

 

 

ドカチン

 今日では「土方(どかた)」の親しみ易い言葉として使われる「ドカチン」ですが、この番組が放送開始される少し前から流行りだした言葉なので、もしかしたら、その語感を頂いた番組題なのかもしれません。

 タツノコプロお得意の完全自社制作ギャグ調まんがで、現代に現れた原始人一家を中心に描いていました。

 フジテレビ水曜19時の枠で、前作『おらぁグズラだど』からの流れであり、同じく提供の森永も、後に日曜18時枠に移動とはなりますが、ずっとタツノコ作品を支え続ける事になります。

 

 音盤としては、朝日ソノラマソノシートを出しているだけで、通常のものと、絵本形式の2種が出されました。

 結果的にソノラマの独占となっていますが、これは恐らく、主役で主題歌歌手の中村メイコのギャラの高さに拠るものと思われます。

 ソノラマの橋本一郎が、やはりメイコ主演・歌の『宇宙人ピピ』を音盤化した際の証言に拠れば、それは今日の300~500万にもなろうかというもので、ソノラマは採算が取れたものの、他社は全て赤字になってしまったとの事です。*2

 

 

佐武と市捕物控

 石森(石ノ森)章太郎による捕り物を描いた漫画で、ビッグコミック掲載ということで当初は大人向けのテレビまんがとして企画されたようです。

 そのため最初は木曜夜の9時から放送され、たまたまチャンネルを替えている途中で気付いたワタクシは、こんな時間に漫画やってると奇異に思い、少し見てみたのですが、やはり大人を対象としていただけに子供向けにはなっておらず、すぐに退屈して替えてしまった記憶が有ります。

 

 しかし半年後には水曜7時へと変更されました。

  開始主題歌にはハミングだけのものが使われて、朝日ソノラマがシート(P-20)で発売しました。この盤では、終了主題歌としてハミングのGEMシンガーズの歌う歌詞付きの歌も収録されています。

 また、テレビまんが音盤にやる気を出していた東芝が、これも『黒い編笠』という子供向け実写時代劇主題歌との抱き合わせで発売しましたが、こちらは歌詞の付いた歌となっていました。

 

 放送では、このGEMシンガーズによる歌詞付きの歌は使用されなかったようで、終了時にもハミングのものが流されました。しかし、ソノラマでの収録方法から考えるに、終了主題歌は歌詞付きの歌にするという案も有ったのかもしれません。

 実際に、後期には終了主題歌に変化が有り、坂梨昇による歌詞付きの歌が使われるようになりました。

 そのため、ソノラマから新たなシート(P-37)が発売されました。また、テイチクから坂梨昇の歌唱をA面としたレコードも発売されました。

  なお、GEMシンガーズのものと坂梨昇のものとでは詞が違っており、更に他にも違った詞が存在していますが、何故そうなったのかは不明です。おそらくレコード会社毎に自前の作詞家を起用したかったという事だとは思いますが。

 

妖怪人間ベム

 韓国人スタッフが作画に関わっているため、一種日本離れしたおどろおどろしい画風で恐怖感が増し、話題となった作品です。まだ幼児だったワタクシは、冒頭部だけであまりに怖くてチャンネルを替えてしまいました。

 そういう作品だからか、提供会社の一つには在日朝鮮人が興したロッテが加わっていたのは割と有名ですが、エスビーカレーも提供していました。

 音盤としては、これもシートのソノラマ、レコードのコロムビアという黄金コンビでしたが、コロムビアは何故か「デラックスえほんレコード」として、本当に絵本のような厚さの冊子が付いたレコードでした。

 この形は異例の物で、何故この番組だけこのような形となったのかは謎です。

*1:昭和テレビ探偵団「アニメ音盤の開祖(2)」

*2:昭和テレビ探偵団「アニソン音盤の開祖(1)」

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